完成稿
ラグナロク
完成稿に関するアピール
本課題への取り組み方と、その成果について
ネームで宣言していたとおり、恐らくこのマンガはいいものにはならないだろうなと思っていたことから、今回の完成稿については、むしろそのことを逆手にとり、作画をいろいろと試すサンドボックスとして取り組みました。
基本的にはマンガに適応した描き方を目指しているため、最終的な到達点のようなものは変わらないので、見た目に大きな変化は恐らくないだろうなと思いますが、主に途中の工程について、カラーやイラストを描くときに培ったノウハウやスキルを一部流用できないか、という試みを行いました。
結果として、最後の2ページを描いていたときにようやく何かを掴む、という結果となりました。
何でもそうだと思いますが、スキルは習い始めのときは、その未熟さ故にどんどんレベルが上がってくると思いますが、徐々に逆2次関数的にレベルは上がりにくくなってくることを経験から来る教訓として学んでおり、だいたい今までの作画では何かを掴むのが半分くらいに差し掛かったところだったことが、今回作画の最終盤に遅れたことは、自分のマンガスキルが少しずつ高いレベルに上がっていっていることを示していると、前向きに解釈して行こうと思います。
具体的に考えたことは、やはり自分は線で表現するのは不得手なので、自分がある程度楽しく描け、そのことによって作画のレベルを上げやすくするためには、やはりどこかでカラーの感覚を踏襲しなければならないだろうなと思ったことでした。特に線とベタの関係について、「線があって」「その1範囲をベタで塗る」という考え方ではなく、「ベタの1部分として線がある」という理解で進めることが重要だろうと思いました。
また初期の課題において、ハッチングでハーフトーンを(何の気なしに)扱うことで、画面が見づらくなることを指摘されていたので、今回その危険性は踏まえつつ、しかしある程度ハッチングを入れ、しかも画面の視認性は落とさない、そのバランスを探っていく方向で考えました。
世界から完全に光が消えることはまずあり得ないので、カラー・グレースケールで「完全な黒」を表現することはあまりないと思いますが、マンガ絵においては、むしろ「完全な黒」以外の色を取り扱うことが視認性の観点から慎重に考えられないといけない、ということを頭に入れた上で、ハッチングによるハーフトーンを扱う、ということが、徐々に感覚的に体に染み付いているのかなと思います。
また、これはあくまで自分の中でですが、カラーを描く上での自分のこだわりとして、「抜き」「抜きの美しさ」があります。これは不必要な情報をどれだけ描かないか、そして「描かなかった部分」をどれだけ美しく描写するか、ということですが、このこだわりはそのままマンガの画面にも活かせると思ったので、そこについてもより神経の通りを良くしていけたらなと思っています。
ただ、自覚として、それを言い訳にして本来描かなければならない部分についても「怠けた」部分がやはりまだそこそこあるので、今後作業効率をどんどん上げていき、「抜きを維持しつつも、必要な部分はちゃんと全部描く」「その上で画面のバランスを維持する」ということについても、継続して意識をしながら取り組んでいけたらと思っております。
タイトルに関しては、そこに頭を使うほどこの作品に愛情がわかなかったので、当初の仮タイトルをそのまま採用しました。
一枚絵に関しても、修正はありません。そのまま載せています。
以上です。
よろしくお願いいたします。
文字数:1454
ネーム
ラグナロク(仮)
ネームに関するアピール
はじめに
まずはお詫びから。
お出しいただいた課題に対して、完全なアンサーとなる作品を考えることができず、ただこの瞬間に描きたかったものを描いてしまいました。申し訳ありません。
ネーム選出などは結構ですので、今回提出させていただいた内容の範囲で、ご講評をいただけましたら幸いに思います。
今回、課題の内容がこのようになってしまった経緯として、私が、前回の大井先生のご講義・キャラクターデザインの概念について、自分の中で咀嚼するのにかなりの時間を必要としたことがあります。
私はあの課題について、不真面目な気持ちで取り組んだ自覚は一切ありませんでしたが、しかしそこでひねり出したアイデアほぼ全てが、他人の評価を待つまでもなく自分の中でお蔵入りとなりました。
その後、これ!といったアイデアを考えることができず(それまで使っていた方法論が使えないものであったことが証明されてしまったため)、しかし、時間は過ぎ、とりあえず何でもよいので描き始めなければ間に合わない、という状態まで追い込まれてしまったため、泣く泣く、その時たまたま描きたいと思っていたダークファンタジー×女の子ものを描くに至りました。
「ああ、もしかしたらこういうことなのかもしれない」と一定の仮設を立てるまでに咀嚼できたときには、既にこのテーマでのネーム作成も半分終わっていました。
キャラクターの掘り下げという課題については、次回以降の課題で実践していけたらと思っています。
(よって、この作品もペン入れがめちゃくちゃにしんどいんだろうなということは今から覚悟しています。確実に完成までに自分が飽きるので。しかし同時に、まず自分が飽きない作品とは何か、という仮説も準備できはじめているので、次に繋がるものとして理解していただけたらと思います)
1枚絵について
まさか課題で一枚絵を描かせてもらえるとは思っていなかったので、一枚絵は比較的楽しく描くことができました。
作画やネーム作業も慣れに従って徐々に早くなっており、「そろそろ合間に1枚別の絵を描くことができるかも」と思っていたところで、たまたまタイミングよく絵の依頼を頂いたので、久しぶりに請けてみたところ、ひらマン課題での予想外の一枚絵プラスに、「死」という文字が頭をよぎりましたが、一応こうして今生きて提出文を書けているので、何だかんだ人は死なないのかもしれないと安堵しているところです。
最近、普通に描いても自分の絵から(まさに自画自賛なのかもしれませんが)オーラのようなものを感じられるようになった、という今までにない経験をしたところで、現在は非常に自信を持ってイラストを描けている時期です。そのような心理状態で描いているので、きっと伝わるものもあろうかと期待しております。
ネームについて
ネームについては、導入などを省略してもよい、ということで、実質ページ無制限のようなもの、と解釈したため、とにかく演出のために贅沢にページを使おう、と考えました。
また最近ネーム模写をしているため、そこで学んだ内容を反映できるようにも意識しました。
性格の描写としては、主人公の作戦行動に協力し、(物語のこの時点では)無敵と思われた力で、私利のために他人を殺害したこと、またその力があることについてのコメントによって、間接的に、ヒロインの整理しきれていない心理を描写することで、一応課題に寄せる努力はしました。
その他
ちなみに、「ラグナロク」というタイトルについてですが、恐らくこのタイトルはチラシの裏を含めると、現在進行系で100人に1人くらいがこのタイトルで何かしらの創作を行っていると思われるクソ被りタイトルであること、あとクリエイターでもなんでもない30代男性が今更自身の創作物に対して命名するタイトルとしては、明らかに「ヤバ」が過ぎると思われること、この2点を理由に、完成稿では新しいものに修正しようと考えております。
どうぞご講評のほど、よろしくお願いいたします。
文字数:1627