《星持ちの旅人》ステートメント

作品プラン

《星持ちの旅人》ステートメント

異形の神々が浄化した後の地球でなお、生き残ってしまった私は、
有史以前の状態に戻されたような、方向感覚のないで世界で物を漁りながら彷徨っていた。
とうの昔に星も見えなくなってしまった闇夜に、ある夜、ふと流れ星。
その光の落ちた先に、何かが鈍く不気味に光を放っていた。
近づいてみると、無数の棘。またはアンテナ。
これは星なのか、それともかつて人が打ち上げた人工衛星の残骸なのか。
この、星にも似た物体の中心にある空洞が想像をかき立てる。
かすかに光を放つ空洞の中には星の種が入っているのだ。
闇に覆われ、星の位置もわからなくなった夜空に向かって輝く石を投げると、
そこには星座が表れ、ゆっくりと時間が回り出す。
私はこれと拾った補給食を持って願いを叶える旅にでることにした。
これは始まりの旅であり、私の願いは、未来へと続く時間を体感し、自らの痕跡を残していくことだ。

これは異形の神が私にくれた、人類存続の試練であり、最後の流れ星の物語である。

 

 

09_石野平四郎_星持ちの旅人

文字数:411

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