作品プラン
《MEMORY : The Retrieving Ver1.0.1》ステートメント
ノスタルジーはファンタジーに替わりうるか?
<テクノロジー>、<ファンタジー>、<ノスタルジー>の3つの要素のうち、神話などに代表されるファンタジーは今なお人々をエンターテインさせ、熱中させる力があり、AIやAR, VRなどまだ見ぬ新しい世界を見せてくれそうなテクノロジーについては、今日その可能性を疑うものは少ない。他方、個人的な経験や記憶が引き起こすノスタルジー(過去を懐かしむこと)は、力を感じさせないばかりか、中指立てられたり*1と好意的な認知を獲得しづらい要素でもある。
この度の作品課題で私は、ちょうど5年前に初めて国外を旅した時の記憶を思い出しながら、その記憶を既存のカードゲームのカードに上書きしました。その時に、テクノロジーは、なにかに「奉仕」をするものとして、作品を成り立たせる道具として使用しています。
また、帰国間近に携行品の盗難にあったため、いずれ盗まれたり紛失したりする可能性を考えると、所持品は極力持たないのが賢明だとそのとき思い知りました。
I’ve overwritten my own memory, which is related to my first journey abroad, on cards of a trading card game. Nostalgia led from our own experience and memory is something weaker than fantasy or technology now but I suspect that we must consciously use nostalgia more than now.
*1 https://www.youtube.com/watch?v=4668uGkrHc8 大森靖子「音楽を捨てよ、そして音楽へ」
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