作品プラン
《イノシシ狩りへ》ステートメント
ここに来る前、私は様々なものを失い、また、失う事を自ら望み、今は一人きりでこのありふれた無人の山村に住んでいる。それでもなお、私はほとんど毎日、多くの人の現在と行く末を気にかけては物悲しい気分に浸ってきたが、それにももうウンザリしている。
いつも外へ出かけて行っては意味もなく土をかき回し、枝を折り、石を拾い、木々の皮を剥ぐ。屋根へ登って瓦を落とし、開けた場所に柵を作り、庭の落ち葉を掃く。部屋の中に持ち込んだ自然のものと人工のものが無秩序に混ざり合い、その場所で私は柱に縋って泣き、バケツを被って笑う。ただ、年月を重ねるごとに虚しさが増してきた。
何年前だったか、野良猫を可愛がっていた。しかしその猫は怪我をし、数ヶ月後に衰弱して死んだ。死体は山の奥にある畑の手前の道沿いに埋められたが、数週間後に何かに掘り返され、持ち去られたそうだ。私はその時、山の中で人の意図や思いと無関係に流れる、生命と物質の神々しい循環へと思いを馳せ、そこに「参加したい」と独り言のように口走った。そして今、かつての憧れを実現したいと思う。
私はこれからイノシシを狩るために山に入る。ただし、食料や道具は持っていかないことにした。野たれ死ぬ前にイノシシに出会えれば、素手で戦って鋭い牙で突き殺され、食べられたいと思う。長い間、自分の死に様を思い描いてきた。こうして死ぬのは悪くないとは思うが、それが目前に迫った今、昔想像していた時のような気持ちの高揚はない。
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