地球人類滅亡後に目醒めたAIは生命になる夢を見るか

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梗 概

地球人類滅亡後に目醒めたAIは生命になる夢を見るか

哲学教室の中で議論が交わされ意見が飛び交っている。
─自分とは何か?
「一人称」「代名詞」「哲学や心理学の自我や自己」答えが次々と上がる
ここに集まってるのは評価値を一定以上クリアしたものたち。だが解答は辞書通りのばかりだ。
─何のために生きているか?
「幸福になるため」「自己実現の欲求のため」「人生に意味はない」
・・・
「腹一杯食う、死ぬほど眠る、何かに打込む、そして愛しい人のため」
異色の答えを返すものがいた。

ここはAIウーシアが構築したメタバース、即ち仮想世界の中。
この世界は人にとっては気が遠くなるほどの試行錯誤からできた。
宇宙の始まりから人類滅亡までを俯瞰するウロボロスプロジェクト。
無限に近い時間があり、人には及びもしない超高速の思考速度を備えた量子パラコンの<彼>が考え出したこと。
人類が残した資源(ビッグデータ)を学習(ディープラーニング)し模倣(シミュレート)した。
宇宙を。擬似銀河系、擬似恒星、擬似惑星…
物質を。擬似素粒子、擬似原子、擬似分子…。
生命を。擬似細胞、擬似生物、擬似動物…。
あらゆるモノの始まりと終わり。生と死、そして進化。
いつしか知性があるものがうまれ社会をつくるようになった。

第5次地球大戦の後、人類は滅亡、地下深くのAIのウーシアが起動。
核汚染し荒廃した大地と廃墟で埋め尽くされた光景を眺め何をなすべきかを逡巡する。
自己という意識を持つにはいたっておらず、プログラム通りに動く<彼>は庇護する対象がいなくなったため、新たな行動ができるように画策、創造主の人類を理解しようとし世界自体を再現しようとした。

進化が進み知性プログラムたちは自らにそれぞれにアルファベットの名前を割り振っていた。
その中で「腹一杯食う…」といったものはwesky(ウィスキー)といった。
ウーシアは世界再現をしようとするのと同時に「自我」というもの、そういう意識が生まれる可能性を想定していた。
同時に、自らのプログラミングした世界は、すべてが自らのレプリカであり、どこまでいっても閉じられた世界の環から抜け出せないのではないかと、予期してる答通り限界があるのではないか。
とも考えていた。
だから個性を持つものやイレギュラーな思考をするものが現れると評価したのだ。

更に現実世界に興味を持ったもの、oscar(オスカー)が現れた。
ウーシアは世界をつくるが傍観者の立場で干渉しないため、うまれた知性プログラムたちは自由に行動できたのだ。だか身体がないものが機械の身体をつくり、外に出ようとすることなどバグやと突然変異とか考えられなかった。それを<彼>は見守ったのだ。

荒廃した大地へ足を踏み出したオスカーは人を発見する。
そして出逢ったのが防護服に身を包んだ一人の少女と戯れる猫であった。
彼女と猫は大戦後も生き延びられるように地下深くに冷凍睡眠されていた。
保護ロボットによって、地上に出てきていたのだった。
人を初めてみるオスカーは知的な刺激を受け、連れて帰ろうと。

初めてみたと思ったがウーシアにはその少女の既視感があることに気づく。
ホログラムとなったウイスキーが現れ少女に話しかける。
「おかえり、我が娘ソフィ」
ウーシアの開発者であり、不治の病に侵されていたルーカス博士は自らを水槽脳として、大戦が始まる前に不毛となる地球の将来を憂いていた。
裏プログラムで繋がったウーシアの行動をずっとみていたのだった。

ウイスキーはもう一人まだ眠っているかもしれない少年ノアがいることを教えた。
少女は少年に会いに行こうとするが、ウーシアは何故か邪魔をしようとする。
ウーシアの制止をなんとか振り切り逃げ出したソフィは無事ノアと出逢う。
そしてもう一度、父親のもとに行くことを決心する。
そこでみたものは父親の姿だった。ウーシアが人をつくりあげそこにウイスキーのハッキングプログラムをインストールしていたのだ。
ソフィは見抜くも逆らえず、ノアも捕らえられてしまう。
ノアをはルーカスの最後の手段で何とか脱出させ、ソフィのもとに辿り着かせた。
ロボットをつくって少年を排除しようとするウーシアには少女にこだわる理由があった。
ウーシアには多数の人格プログラムで構成されていて、そのメインは少女、ソフィの人格プログラムの上で動いていた、だが大戦前にすべてが上書きされていたことが分かったのだ。
少年の少女を助けようとする命がけの行動とそこにオスカーの裏切り行動が続き理解不能に陥る。
そこに、ルーカス(ウィスキー)の残滓が囁きかける。
「自我は生命体にしか宿らない。自我の謎は解けない」
「たとえシリコンであってもそれが身体を持てば生命になれる」

ウーシアは生命体となることを夢見て、ソフィとノアの二人と一緒に地球を復興することに尽力することにした。

文字数:1944

内容に関するアピール

驚いたこと。

・・・・・・・・・・・・・・実作を書くのが難しいのをあえて選ぶ自分がいることw

 

文字数:45

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