梗 概
不老不死の君が好きーーAIミーツHM
オレの名はレム。悪人。人を殺すのが当たり前。
ボクの名はヒロ。不老不死。死ぬことはできず永遠に生きる。
ワタシの名はトア。脳はAIで体は人間。ヒトを守るためにつくられた。
数百年後の未来、同じ日に生まれた3人。奇縁がそれぞれの人生を結びつける。
資本主義が崩壊、貨幣も国家も消失、最小限の統治機構が旧世界の主拠点に置かれ、超高度AIの【テミス】が管理する世界政府が人類のサポートをする時代。
人々は生活を自身で賄えるライフメイカー等いくつかのツールを所有し、他人に頼らずともよくなった。あらゆる行動がデジタル化ほぼオープン化し、あらゆるネットワークに繋がりプライバシーの概念も変化、犯罪や争いのない社会が実現した。数百年生きれる寿命技術の進歩や気象天候管理も可能となり、あらゆる災いから免れるようになった人類は、緩やかな文明停滞を迎え、仮想空間への多くのものが没入している。
そこで停滞打破の動機付けで、政府の研究所に属する天才たちがつくりあげたのが 超光速と不老不死の実現プロジェクトだ。超光速の研究が難航する中、不老不死の研究は思った以上に進み、実現した。その副産として、3人の天才(ロワ、メル、カグ)が生み出したのが惑星行動体としての3人(レム、ヒロ、トア)だがそれは偶然でありは決して意図された訳ではなかった。幼児期を3人は一緒に過ごす、そして10年近くの月日が流れた。
14歳になった彼ら。レムは悪人として人を殺し始め、トアは(アイスル)ヒロを守る為、再び出会うことになる。まずレムが起こしたのは、脳を選別するため物理的にサイバー的に破壊する行為であり、大量殺人へとつながっていった。更にトアにヒロの不死性を奪うと宣告し、3人の関係が崩れた。レムの破壊行為は超光速を可能とする脳の潜在可能性探索の為であり、トアとヒロは、メルとロワたちとともにレムを捕まえる画策する。
目当てが見つからず苛立つレムは、研究所に格納されていた惑星開拓用のパワードスーツを起動させ、ニホン住民へ宣戦布告する。争いを忘れ、犯罪もない世界で生きてきた人々は、海外へ脱出するか、厳重な仮想空間に立篭るか、中には命を絶つものもあった。
トアは、超高度AIに依頼し超光速を実現する見せかけの(自らを使った)偽装脳でレムに接触、最後の物理戦闘にも勝利したかにみえた、が罠にあい逆に脳を乗取られ壊される。
レムは乗取った脳でヒロに近づき、不死性を奪おうと開発中だった処置を施すが、ヒロは幼児の精神肉体となり退行してしまう。永遠の赤ん坊になった彼を修復できるテクノロジーはなく、産みのオヤでもあるメルは、自らのテロ行為でレムを再起不能まで追込んだ。見かねたロワはレムを「善人」の脳に、トアのも同じく新たに入替えた。そうして父親のレム、母親のトア、赤ん坊のヒロの3人で生活を送ることになり、いつか赤ん坊が成長できることを願い過ごした。
文字数:1191
内容に関するアピール
伊藤計劃さんに触発され!!でも我乍ら実作みたいと思ったw
設定
・超高度AI【テミス】
シンギュラリティの産物。秩序の女神の意。統治者で7つ複製が各大陸拠点にある。量子ニュートリノ通信と空間ナノグリッド網により地球上では遮蔽されず、何事にも即時対応可能とする。自我なく人類サポートに徹する。
・超光速と不老不死のプロジェクト
コンセプトはスタージプシー等。宇宙開発は火星移住事故で意欲を失い息をひそめた。
・ライフメイカー
3系統の全人類への付与物。
物質機は、クリエイターと呼ぶアイデア創出者たちのアップデータ抽出、食物や生活用品等を人工素材からつくり、不要になれば戻す。
医療機は、人々の体内のナノマシン管理から疾病怪我を治療するが再生できない。
拡張機は、身体頭脳へのインストールで旧人類を超える能力をもたらす。
・交通機関キューブ
電磁気浮上の乗物、変形可能。ジオインフラと呼ぶ地面から動力を得る。ニホン内の移動はほぼこれと長距離のチューブになった。
・レムが悪人
古今東西から収集した悪人遺伝子を制御する研究の産物。
・レムとトア再会の台詞
「久しいな。相変わらず死なない坊ちゃんの世話か。クソッタレなこの世界は支配するにあたらねえ。だから自分か以外のどっちかが消えなきゃいけねえ。博士によろしく。因みカグはオレが殺った」
「…よく喋るようになったね、まだ不死の体が欲しいの?」
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