主人公が「うれしさ」と「さびしさ」を同時に感じている場面をひとつ以上含むマンガを描いてください。
「うれしさ」「さびしさ」を同時に感じている……という書き方をしましたが、「うれしさ」を前に出して「さびしさ」を隠し味にするのでも、逆でも、どちらでも構いません。読者に伝わる感情は、前面に出ている「主感情」と、そういえばそちらの感情もあると気づく程度の「副感情」とに分かれるからです。
また、ほとんどの読者がはっきりこれらの感情が描かれていると指摘できるような明快さは求めません。主人公の感情をみなさんが作り上げ、繊細に、深く観察したとき、はじめて「うれしさ」と「さびしさ」がセットになっているのだ……とわかるという程で十分です。
(伊藤剛)