完成稿
異性恐怖症の先輩の婚活をプロディースした件
完成稿に関するアピール
ネームから大きな改変はしていませんが、講評で「ページがきたから終わったという風に見える」とのご指摘をいただき、ラストのコマのちく夫の表情を変えました。けい太は、もうちく夫のとの日々はおしまいになるという気持ちでいるところに、ちく夫から頼られ、二人の信頼関係は続いていく、という予感を少しだけ感じてもらえればと思います。
絵柄がシンプルなので、アナログ感の強い線にしたり、感情演出(集中線など)で画面がスカスカにならないようにしたつもりですが、絵のバランスなどみていただけたらありがたいです。
文字数:244
ネーム
異性恐怖症の先輩の婚活をプロディースした件
ネームに関するアピール
主人公が「うれしさ」と「さびしさ」を同時に感じている場面をひとつ以上含むマンガとは…。思いを巡らせたところ、“卒業”の場面なのではないかと考えました。
修行を通して師匠と弟子の間に生まれていく強い繋がり。弟子が成長した喜びと同時に訪れる別れ(卒業)。これを描こうと思いました。佐々木が師匠、ちく夫が弟子の役割です。
構成で気をつけたのは、
1ページ目はセリフを少なく大ゴマを使いめくりを喚起すること。
2ページ目で、「35歳までに婚約者を見つけなければならない」という課題、
3ページ目で、乗り越えなければいけない壁が「異性恐怖症」であるということを明確にしました。
卒業を描くには、それまでの積みあげがとても大事だと思ったので、その過程を描き切れるように意識しました。
ちく夫の異性恐怖症をギャグで表現することで漫画の推進力とし、読み進めるうちに、佐々木とちく夫の間に生まれるバディ感が強まる展開をベースにしました。
後半8ページ目からは、より具体的な課題「みよ子を落とす」を明示して物語のゴールをわかりやすくしています。
16ページで物語を転がしていく際に、キャラがストーリーに沿って都合よく動いてしまうという危険性を感じたので、主要キャラ3名の「身上調査書」を書いてそれを防ごうとしました。(ここからお読みいただけますhttps://note.com/noriomanga/n/n7105fd3add3a)
身上調査書とは:身長・体重・出身・幼少期の体験・好きなもの・嫌いなもの・その他諸々の項目を書くもの。「荒木飛呂彦の漫画術」を参照。
本編では触れていませんが、ちく夫の「異性恐怖症」は“大学時代、束縛の強い彼女と付き合いトラウマになっている”という人物像から生まれました。調査書から作るのは時間を要しましたが、フィクション作りが苦手だったので、やってよかったと感じています。
主に15ページ最終コマで、主人公の佐々木が感じている『卒業』=「婚活を手伝うことで充実感や楽しさを感じていたので、ちく夫さんの婚活がうまくいくことは嬉しいけれど、自分の役目が終わりを迎えて寂しい」この感情が読者の方に伝わっていたら嬉しいです。
文字数:903