ABOUT

あなたのマンガに、必要なこと。

ひらめき☆マンガ教室は、今年で7年目を迎えました。今やこの教室には、マンガを、学ぶ・描く・読む・語る場が、大きく広がっています。その担い手となっているのは、課題でマンガを描き、その添削をしてもらえる「制作コース生」と、彼らの講義に耳を傾けつつ、自分自身もマンガを深く理解しようとする「聴講コース生」たちです。また、ここから巣立っていった卒業生たちも、雑誌や電子媒体で華々しく活躍するようになりました。このスクールのめざましい実績に、各方面から賞賛のお言葉をいただく機会が増えています。なぜ、たった1年間の講座で、そこまで受講生を成長させられるのかと、驚かれる方も多いです。その理由は、意外に単純です。ひらめき☆マンガ教室が、あらゆる意味で受講生を成長させることに特化したカリキュラムを組んでいるからなのです。

いま、「あらゆる意味で」受講生を成長させると書きました。これはつまり、ここで教えているのが単に作画技術や創作術にとどまるものではない、という意味です。たとえばこの教室では、自己プロデュースや編集者との付き合い方など、職業として「マンガ家」を目指す人に欠かせないノウハウも教えています。また、講師側から一方的にあれをせよ、これをせよと言うばかりでなく、活動方針の決め方や、目標に対してどう進めばいいかなどについて、自分自身で考えるヒントも教示します。ほか技術に関しても、「読みやすさ」「演出」「企画の立て方」など、通常のマンガ作法よりも本質的かつ実践的なテーマを扱います。これらは、一般的なマンガ教室や教本では、ほとんど教えてくれないことです。もしかしたらあなたは、「そんなことよりも、うまい絵の描き方や、物語の作り方についてのみ、学んだ方がいいのでは?」と思ったかもしれません。

しかし、ひらめき☆マンガ教室の考え方は違います。こうしたカリキュラムを含むからこそ、ひらめき☆マンガ教室の卒業生たちは、めざましい成果を挙げられたと言っても、全く言い過ぎではないのです。つまり、マンガが描きたい人や、マンガ家になりたい人や、マンガについて語りたい人。あらゆる「マンガのことを知りたい人」にとって、世間で教えられていることよりも、教えられていないことの方が、実は大切なことなのです。そして、そういうことをじっくり話せる環境作りこそが、マンガにとって必要なことなのです。そういう場所であろうとして、2017年から、ひらめき☆マンガ教室を続けてきました。このやり方が正しかったことは、結果を見れば明らかです。

そこで第6期となる今期、ひらめき☆マンガ教室は過去にない規模の大きなリニューアルを行い、これまで培ったカリキュラムをさらに洗練・充実させることにしました。この教室を、受講生の皆さんがマンガを学ぶ・描く・読む・語るコミュニティとして、マンガの世界を広げていくための拠点として、ますます活用できるようにしたい。その揺るぎない理想を、ここで実現します。

あなたの「マンガ」に必要なものが、すべてここにあります。よかったら、あなたも参加してみませんか。

主任講師 さやわか

PROGRAM

プログラム

    • ゲンロン ひらめき☆マンガ教室(以下、ひらめき☆マンガ教室)第6期は、2023年4月から2024年3月までの通年講座です。開講期間途中での受講申込や一部講義のみの受講は受け付けておりません。主任講師は、評論家・マンガ原作者のさやわか氏です。第6期の受講生には「ひらめき制作コース」「制作コース」「聴講コース」の区別があります。
    • 「ひらめき制作コース」では、本講座のすべての授業に参加し、各回の課題(同人誌制作、ワークショップ、修了課題を含む)を提出し講評とアドバイスを受けることができます。また「ひらめき」回の主任講師による個人面談で、商業活動を含むあらゆるマンガ制作・方針・活動のサポートを受けることができます。過去の経験の有無にかかわらず「マンガ」や「マンガ家」について総合的な力を身につけたいと望む、あらゆる人々に開かれたコースです。
    • 「制作コース」では、本講座のすべての授業に参加し、各回の課題(同人誌制作、ワークショップ、修了課題を含む)を提出し講評とアドバイスを受けることができます。 ただし「ひらめき」回における個人面談は受けることができません。既にマンガ家として明確な目標があるため面談は不要だという方、各回の課題制作に集中したい方、受講料をなるべく抑えたいという方などを対象としています。
    • 「聴講コース」では、本講座のすべての授業に参加し、各回の講義を聴講できます。課題を提出したり講評やアドバイスを受けたりすることはできません。ただし、運営側からアナウンスされる一部の課題やワークショップについては、マンガ制作以外の形で参加が可能です。これら及び、各回の聴講、そして作品鑑賞を通じて、マンガや創作についての知見を深めたいすべての人を対象としたコースです。
    • 第6期の受講生は各コースの内容に応じて、専用ウェブサイト(課題サイト)の機能を利用できます。課題サイトは第6期中に大幅リニューアルを予定しています。新たなサイトでは課題の投稿のほか、オリジナル作品の投稿、ブログ機能が利用できます(聴講コースはブログ機能のみ)。
    • 本講座の講義および講評会は月1回から2回、週末の午後よりゲンロンカフェにて行います(一部の授業やワークショップを除く)。また日程やカリキュラムは変更になる可能性があります。その場合はすみやかに運営からアナウンスをいたします。
    • テーマに沿って作品の制作と講評を行う「着想」「展開」「応用」および、受講生のマンガ制作をサポートする「ひらめき」を組み合わせた授業スケジュールが組まれています。講評の一部はデビューをサポートするためYouTubeで中継されます。また、ランダムにチーム分けをして、合同での同人誌の制作と販売を実施します。同人誌の制作と販売の関連費用は受講料に含まれます。
    • 「着想」「展開」「応用」の授業では、「ひらめき制作コース」「制作コース」の受講生は、下記の〈超・ひらめき☆マンガ家育成サイクル〉にもとづき、合計9編のネームとアピール文、完成稿を提出することが求められます。すべての提出物は課題サイトで公開されます。
ひらめきマンガ家育成サイクル図
事前に課題提示
講義の約1ヶ月前に、ゲスト講師あるいは主任講師から課題が提示されます。課題は「物語の魅力を伝える」「読者を作品に没入させる」「ネットで拡散される作品を作る」など、講師によりさまざまです。第5期の課題は、こちらからご覧いただけます。
Webにてネーム提出
「ひらめき制作コース」「制作コース」の受講生は、各回の7日前までに、課題に沿ったネーム(上限16ページ)と内容に関するアピール文(200字程度)を提出します。ネームとアピール文は、所定のフォームより、課題サイトにアップロードします(ネームのファイル形式については別途指示します)。提出されたイメージとテキストは、受講生以外でもアクセスできる状態で公開されます。一般読者の反応は以下の選考・講評で考慮されます。
授業にて5名赤入れ+上位3名選出
主任講師によって、事前に優秀なネームが5つ選出されます。事前に選出された作品はゲスト講師のもとに送られ、授業内で講師による赤入れが行われます。授業では、講師の協議にもとづいて優秀なネームが3つ選出されます。ネームが選出された受講生は、完成稿提出時に授業内で講評を受けます。惜しくも選外となった他の受講生も、授業内での講評は確約されませんが、自由に完成稿を提出することができます。
Webにて完成稿提出
授業内でネームが選出された3名は、次回授業の7日前までに、ネームにもとづいてペン入れした完成稿を執筆・提出します。この3名については、②のネーム提出と④の完成稿提出が同時並行の作業になります。
授業にて完成稿の講評、配点(通常点+ひらめき点)
前回の授業内で選出された3つのネームの完成稿は、授業内で講評が行われます。選外となったネームの完成稿が提出された場合についても、ゲスト講師の選出により、授業内で講評を受けられる場合があります。
講評ののち、講師の協議にもとづいて「通常点」が割り振られます。
「通常点」の点数は、1課題につき、基本点10点に加え、(ひらめき制作コースと制作コースの受講生総数ーその課題を提出した人数)の合計となり、配点されます。
さらに主任講師により、ひらめき制作コースと制作コースの全受講生を対象に「ひらめき点」が割り振られる場合があります。提出作の内容だけでなく、受講生それぞれの自己プロデュース性、活動の方向性、カリキュラム全体を通しての成長や課題への積極性も総合的に判断し、課題ごとに配分します。
通常点とひらめき点を合計した点数は、最終選考において考慮の対象となります。
授業のほかにも多彩なワークショップを開催
通常授業や講評以外にも、ゲンロンスクール「大森望 SF創作講座」との合同授業や、数多くのワークショップを行います。ワークショップではマンガ制作ソフトの使い方、企画の作り方といった実践的な取り組みをはじめ、マンガの読み方や評し方、WebtoonやAI作画といった業界動向など、さまざまな形でマンガを多角的に学べる機会を作り、創作への興味やヒントを引き出します。

以上のサイクルを繰り返すことで、受講生は「多様な市場の要請に応じてアイデアを生み出すプロット力」「アイデアを限られたページに配置するネーム力」「ネームを魅力的に提示するプレゼン力」「ネームを作品として完成させる画力」など、マンガ家としての基礎体力を確実に向上させることができます。

  • 講義・講評の模様は映像に記録し、後日、受講生向けの限定公開でウェブ上にアップします。本講座期間中はストリーミング配信で視聴し、復習することができます。やむを得ない事情で授業を欠席した場合にも、講義・講評の内容を確認することができます。
  • 「ひらめき」回は、主任講師による個人面談や数々のワークショップを通して、マンガ家になるための多面的なサポートが行われる授業です。「ひらめき制作コース」の受講生は、個人面談を通して「どうすればマンガを描き続けられるのか」「編集者とどのようにコミュニケーションすればいいのか」「商業誌に持ち込むにはどうしたらいいのか」など、多くのマンガ家志望者が抱える悩みや疑問に対してアドバイスを受けることができます。
  • 最終講評会では「第6回 ゲンロンひらめき☆マンガ大賞」と題し、ひらめき☆マンガ教室第6期における最優秀賞作品を選考します。また審査には、多数の現役のマンガ編集者に配点に加わっていただきます。
  • 新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される状況など、対面での授業が難しい場合、オンラインの講義・講評に切りかえることがあります。その場合には、すみやかに受講生のみなさんにお知らせをします。

 


2022年7月9日。第5期「キャラクターを作る」。講師・鶴谷香央理(右)が受講生のネームに丁寧に赤を入れて指導。

LECTURERS

講師

さやわか

さやわか

1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。〈ゲンロン ひらめき☆マンガ教室〉主任講師。著書に『世界を物語として生きるために』(青土社)、『僕たちのゲーム史』『文学の読み方』(いずれも星海社新書)、『名探偵コナンと平成』(コア新書)、編著に『マンガ家になる!』(ゲンロン、西島大介との共編)など。『スター・ウォーズ:ビジョンズ のらうさロップと緋桜お蝶』で脚本、『キューティーミューティー』『永守くんが一途すぎて困る。』(いずれも作画:ふみふみこ)でマンガ原作を手がける。
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センパイ・ゲスト講師

大井昌和|おおい・まさかず

第三回電撃ゲームコミック大賞銀賞
月刊電撃コミックガオ!にて『ひまわり幼稚園物語あいこでしょ』でデビュー。
主な作品は『ちぃちゃんのおしながき』『おくさん』『明日葉さんちのムコ暮らし』『ヒメコウカン』など。
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ゲスト講師

伊藤剛|いとう・ごう

1967年名古屋市生まれ。名古屋大学理学部卒。マンガ評論家。東京工芸大学マンガ学科教授、武蔵野美術大学非常勤講師。著書に『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』(星海社新書)、『マンガは変わる』(青土社)など。共著書に『マンガを「見る」という体験―フレーム、キャラクター、モダン・アート』『マンガ研究13講』『マンガ視覚文化論』(いずれも水声社)などがある。2019年大英博物館マンガ展「The Citi exhibition Manga」学術協力。
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大童澄瞳|おおわら・すみと

1993年生まれ、神奈川県出身。高校では映画部に所属。その後、漫画を描き始め2015年コミティア111に出品。2016年『映像研には手を出すな!』にて連載デビュー。現在も「月刊!スピリッツ」(小学館)で連載中、単行本は7集まで発売され120万部(2022年11月現在)を突破している。同作は、アニメ化、実写ドラマ化・映画化されており、アニメ版ではED映像を手掛けたことで、アニメーターとしてもデビューしている。
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椎名うみ|しいな・うみ

『アフタヌーン四季賞 2013年冬』佳作を受賞し、翌年『アフタヌーン四季賞 2014年秋』にて四季賞を受賞。
現在『月刊アフタヌーン』にて『青野くんに触りたいから死にたい』を連載中。
その他、四季賞受賞作『ボインちゃん』を含む『セーラー服を燃やして』『崖際のワルツ』などの読み切り作品が収録された『崖際のワルツ 椎名うみ作品集』を刊行。
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師走の翁

師走の翁|しわすのおきな

成年向けのエロ漫画を描いて20数年。代表作は『シャイニング娘。』『ピスはめ!』『ヌーディストビーチに修学旅行で!』
最新作は『円光おじさん』その他各種イラストレーターとしても活躍、趣味のDJ活動で出演することもある。
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武富健治|たけとみ・けんじ

1970年生まれ。代表作『鈴木先生』『掃除当番(短編集)』『惨殺半島赤目村』「火花」(原作:又吉直樹)。最新作『古代戦士ハニワット』を漫画アクションにて連載中。
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鶴谷香央理|つるたに・かおり

1982年富山県生まれ。2007年『おおきな台所』でデビュー、同作品で第52回ちばてつや賞・準大賞を獲得する。初めてのコミックス『メタモルフォーゼの縁側』で、宝島社 「このマンガがすごい!2019」オンナ編1位、「第22回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞などを受賞。2022年には実写映画化。
初連載作品の『don’t like this』もコミックス発売中。
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ばったん

2018年「ハツキス」にて、女の子同士の恋愛を描く群像劇『かけおちガール』の電子連載が話題となり書籍化。
現在は『Kiss』にて『けむたい姉とずるい妹』を連載中。
その他の作品に『姉の友人』『いてもたってもいられないの』『まばたき』など多数発表。
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水上悟志|みずかみ・さとし

マンガ家。大阪府出身、1980年生まれ。
2002年、ヤングキングアワーズ増刊号(少年画報社)掲載「弥一郎」でデビュー。
同年ヤングキングアワーズ(少年画報社)にて初連載作「散人左道」を発表、以後同誌を中心に活躍する。
代表作に2022年にアニメ化された「惑星(ほし)のさみだれ」、「スピリットサークル」、月刊コミックブレイド(マッグガーデン)等で連載された「戦国妖狐」など。
2018年に放送されたTVアニメ「プラネット・ウィズ」でシリーズ構成・ネーム・キャラクター原案を務め、マンガ版ではアニメ版に無い描写を多数追加して完結させた。
画業20周年を迎えた2022年、アワーズ持ち込み募集ページに10年かけて連載してた回顧録&マンガ家志望者へ向けた指南書「水上悟志のまんが左道」を刊行。
現在マッグガーデンのMAGCOMIで「最果てのソルテ」を不定期連載中。twitter

山崎紗也夏|やまざき・さやか

1974年生まれ、栃木県出身。93年「ヤングマガジン増刊ダッシュ」にて『群青』でデビュー。代表作品に、『シマシマ』、『サイレーン』、『レンアイ漫画家』、『はるか17』(山崎さやか名義)、『マイナス』(沖さやか名義)などがある。最新作は『アンダーズ』(鈴木大介原作)。
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由田果|ゆたか

神奈川県出身。2020年、ひらめき☆マンガ教室在籍中に第86回小学館新人コミック大賞入選。
第3回 ゲンロンひらめき☆マンガ大賞にてひらめき☆特別賞受賞。同年、少年サンデーS増刊で読切デビュー。
読切、短期集中連載を経て、現在『君と悪いことがしたい』を「週刊少年サンデー」で連載中。
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米代恭|よねしろ・きょう

1991年生まれ、東京都出身。美大在学中に描いた漫画がアフタヌーン四季賞で佳作受賞。大学を中退し、2012年に受賞作『いつかのあの子』で短編デビュー。
同年、『おとこのことおんなのこ』で長編デビュー。2015年から2018年4月まで、SFと不倫をテーマにした『あげくの果てのカノン』を「月刊!スピリッツ」で連載。
現在『往生際の意味を知れ!』を「週刊スピリッツ」で連載中。
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吉田屋敷|よしだ・やしき

美大卒業後、アニメ業界を経てひらめき☆マンガ教室を受講し、漫画を描きはじめる。漫画アシスタントをしながら連載デビューを目指す。
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ブルボン小林|ぶるぼん・こばやし

1972年生まれ。「なるべく取材せず、洞察を頼りに」がモットーのコラムニスト。
2000年「めるまがWebつくろー」の「ブルボン小林の末端通信」でデビュー。現在は「朝日新聞」夕刊(関東、九州、北海道)、「女性自身」などで連載。小学館漫画賞選考委員。著書に『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』(ちくま文庫)、『増補版ぐっとくる題名』(中公文庫)、『ゲームホニャララ』(エンターブレイン)、『マンガホニャララ』(文春文庫)、『マンガホニャララ ロワイヤル』(文藝春秋)など。【画:藤子不二雄Ⓐ】
ブルボン小林公式サイト
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神成明音|かんなり・あかね

漫画編集者。1986年生まれ。2012年にマンガ制作会社・株式会社シュークリーム入社。『FEEL YOUNG』担当デスクを務める他、『on BLUE』でも担当を持つ。
主な担当作に、「このマンガがすごい!2021」オンナ編第1位や第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門ソーシャル・インパクト賞に選出された『女の園の星』(和山やま)、「このマンガがすごい!2023」オンナ編第2位『ジーンブライド』(高野ひと深)、TVドラマ化作品『ジェンダーレス男子に愛されています。』(ためこう)、『こっち向いてよ向井くん』(ねむようこ)、『ブランチライン』(池辺葵)、『吉祥寺少年歌劇』『発達障害なわたしたち』(町田粥)、『ビューティフル・エブリデイ』(志村貴子)など。【画:町田粥】
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ひらめき☆マンガ教室とは

ひらめき☆マンガ学校ひらめき☆マンガ教室は、「ひらめき☆マンガ学校」の後継講座です。後者は、「誰でもマンガ家になれる」「マンガを描くのではない。そこにある何かを、そっとマンガと呼んであげればいい」をテーマに2009年より講談社BOXでスタートした実践的・実験的なマンガ創作講座でした。講師はマンガ家の西島大介および批評家のさやわか。ふみふみこ(『ぼくらのへんたい』)、谷川イッコ(『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』)、しまどりる(『レッドドラゴン』)、米代恭(『あげくの果てのカノン』)など多彩な才能を輩出し、また初期には今日マチ子や大谷能生も受講していました。2010年以降は独自の創作理論を擁するプロジェクトとして東京工芸大学やDOMMUNE、2.5D、日本SF大会など場所を問わず出張講義を開催。2009年から2010年の1学期、2学期に相当する講義内容は2冊の書籍としてまとめられています(講談社BOX刊)。

ゲンロンスクールの「ひらめき☆マンガ教室」は、ひらめき☆マンガ学校のこれまでの活動をリニューアルしつつ継続するものです。ネットを活用しつつ、多彩なゲスト講師による講義と講評をへて、新しいマンガ家を育成する講座を目指しています。

 

さやわか+西島大介編
「マンガ家になる! ゲンロン ひらめき☆マンガ教室 第1期講義録」

絵がうまいだけじゃダメ、マンガが描けるだけでもダメ、
マンガ家として本当に成功するための12人の人気作家が語るひらめき☆の技法。

マンガ原作者・批評家のさやわか、マンガ家の西島大介が主任講師をつとめ、ゲスト講師に、横槍メンゴ、TAGRO、こうの史代、武富健治、コヤマシゲト、江口寿史、田亀源五郎、師走の翁、今井哲也、横山了一、ヤマシタトモコ、伊藤剛、江上英樹、大井昌和が参加した「ひらめき☆マンガ教室」の模様を完全収録。業界騒然のマンガ家育成講義録!
ゲンロン 2018年11月25日刊行
試し読みはこちらから!

 

 


2022年11月27日。第5期「同人誌講評会」。左から、さやわか、武富健治、米代恭、大井昌和。
受講生が3チームに分かれて同人誌を制作。講評動画も無料公開中。詳しくはこちら

受講生の声

静脈(第2,3,5期受講生・少年ジャンプ+「マリッジトキシン」連載中)

少年ジャンプ+で連載中「マリッジトキシン」のキッカケは、ひらめき☆マンガ教室のワークショップで提出した「毒使いが婚活する話」という企画を、さやわか先生と大井昌和先生に評価していただいたことでした。
当時、自分の漫画がハマれる媒体があると全く思ってもみなかったので、お二人のお声がなければ今の状況はなかったと感謝しております。
また、それ以外にも、漫画を描く上で重要な姿勢・考え方をゲスト講師の先生方や、受講生・聴講生の方々に伝授していただきました。

由田果(第3期受講生・週刊少年サンデー「君と悪いことがしたい」連載中)

週刊少年サンデーで連載が始まった「君と悪いことがしたい」は、受講中に行った持ち込みで担当してくれた編集者さんと共に作っています。
受講前に行った持ち込みで挫折し、漫画を人に見せる勇気を失っていた私が、失敗を恐れず「連載」という大きな挑戦ができるようになったのはひらめき☆マンガ教室のおかげです。
主任講師のさやわか先生をはじめ大井昌和先生、ゲスト講師の先生方、受講生・聴講生、ゲンロンスタッフの皆さんの支えに何度も勇気づけられました。感謝してもしきれません。

コバヤシ(第4期受講生・優秀賞受賞)

僕がひらマンに入ったのは、素直にいえば読者が欲しかったからです。ひとりで漫画を描いて発表したとして、誰にも読んでもらえなかったらどうしようという不安がありました。
ひらマンでは主任講師のさやわかさんはもちろん、ゲスト講師の方、同期や聴講生、外部の方まで、いろんな方が自分の漫画の読者になって講評や感想をくださいます。
褒めていただけると自信がつくし、想定外の観点からの意見をいただくことも多く、視野を大きく広げるきっかけにもなりました。
学生時代帰宅部だった自分にとっては、10年遅れで部活をやっているような気分でした。きついときもあったけど、楽しかったです。
1年間本当にありがとうございました!

motoko(第4期受講生・選考委員特別賞 武賞(武富健治賞)受賞)

私は受講前は、漫画を人に見せられませんでした。
最初に見せた人に否定されたら、もう二度と漫画を描けなくなるだろうなと思ったからです。
過去のひら☆マンの動画を見て、ここは誰かの好き嫌いで評価される場所じゃない。自分がやりたいことを尊重して導いてくれようとしているのかも。と思って、えいやと受講を決めました。
受講して徐々に、さやわか先生だけでなく他の先生や受講生を信頼できるようになり、視野が広がってきて、人に見てもらうことが怖くなくなってきました。絶望する度に希望をもらい、描き続けることができました。
漫画を見てもらう最初の場所をここにして本当によかったと思っています。

こぐま あや(第4期受講生・選考委員特別賞 さやわか賞受賞)

漫画を描こう!と筆をとっても「こんな拙い絵で読む人がいるか?そもそもこの話は面白いのか?」と様々な疑問が浮かび、最後まで描くことが出来ずにいました。
ひらめき☆マンガ教室では初回から漫画を1本完成させることが課題です。こんな漫画教室はあまりないと思いますが、スタートしてたった1ヶ月で長年達成できなかった目標がクリアできました。『漫画は完成させて初めて上手くなる』、これはこの教室で学べる最も基本の部分です。他に教わることも全て理に適った教えばかりです。
私は自分の様に『描かないための言い訳が上手な人』にほどひらマンをオススメします。あなたの「でも・だって」に必ず理論的な答えが返ってくるので、あとは描くしかなくなるからです。
この教室で過ごした1年は人生で最も濃く有意義な1年だったと感じています。

SCHEDULE

スケジュール

 

日程 テーマ 1限目 2限目 3限目 講師
3月 さやわかより課題の提示
4月8日(土) ひらめき1
導入
13:00-14:00
ガイダンス
14:15-17:00
イントロダクション
さやわか
4月9日(日) ひらめき2
ひらめきとは
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題1・ネーム講評
16:00-17:00
課題1・ネーム講評
武富健治・さやわか
5月14日(日) 着想1
マンガで伝える
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題2・ネーム講評
16:00-17:00
課題1・完成稿講評
鶴谷香央理・さやわか
6月10日(土) 着想2
画面を作る
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題3・ネーム講評
16:00-17:00
課題2・完成稿講評
師走の翁・さやわか
6月11日(日) ワークショップ
デジタルマンガ基礎
15:00-18:30
制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」の使い方
吉田屋敷・さやわか
7月8日(土) 着想3
感情
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題4・ネーム講評
16:00-17:00
課題3・完成稿講評
椎名うみ・さやわか
7月9日(日) ひらめき3
振り返り①
15:00-16:00
講義
16:15-18:30
個別指導
さやわか
8月5日(土) 展開1
キャラクターを作る
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題5・ネーム講評
16:00-17:00
課題4・完成稿講評
ばったん・さやわか
8月6日(日) ワークショップ
企画の作り方
15:00-18:30
講義・ワークショップ
大井昌和・さやわか
8月19日(土) ワークショップ
マンガの読み方&評し方
13:00-18:00
講義・ワークショップ
さやわか
9月2日(土) 展開2
演出
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題6・ネーム講評
16:00-17:00
課題5・完成稿講評
水上悟志・さやわか
9月16日(土) 合同授業
大森望 SF創作講座×
ひらめき☆マンガ教室
13:00-18:00
講義・ワークショップ
池澤春菜・大井昌和・
大森望・さやわか
9月30日(土) 展開3
共感
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題7・ネーム講評
16:00-17:00
課題6・完成稿講評
米代恭・さやわか
10月21日(土) ひらめき4
振り返り②
13:00-14:00
講義
14:15-17:00
個別指導
さやわか
10月22日(日) 応用1
ブラッシュアップ
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
過去課題の改稿講評(課題8)
16:00-17:00
課題7・完成稿講評
伊藤剛・さやわか
11月26日(日) ワークショップ
マンガ業界の最前線
13:00-17:00
電子の活況、Webtoon、そしてAI絵師まで
大井昌和・さやわか
12月3日(日) 中間課題
同人誌の制作・販売
同人誌の制作・販売(課題9) 由田果・武富健治・
大井昌和・さやわか
12月9日(土) ひらめき5
振り返り③
13:00-14:00
講義
14:15-17:00
個別指導
さやわか
12月10日(日) 応用2
マンガ家
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
課題10・ネーム講評
16:00-17:00
課題10・ネーム講評
大童澄瞳・さやわか
1月13日(土) 応用3
総合性
13:00-14:00
講義
14:15-15:45
最終課題・ネーム講評
16:00-17:00
課題10・完成稿講評
山崎紗也夏・さやわか
2月10日(土) ひらめき6
振り返り④
15:00-16:00
講義
16:15-18:30
個別指導
さやわか
3月9日(土) 第6回 ゲンロン ひらめき☆マンガ大賞選考会(最終講評会) 武富健治・ブルボン小林・
神成明音・さやわか

感染症の流行などやむを得ない事情により、日程やカリキュラムは変更になる可能性があります。

WORKS

卒業生の主な活躍

 

氏名 賞・活動 Twiter
富田童子 第5期 Cannaより単行本が発売(『BOYS OF THE DEAD』)、「週刊漫画ゴラク」にて作画担当で連載(原作:都伊カオル『戸村助教授のアソビ』) @TomitaDouji
小林煌 第5期 「となりのヤングジャンプ」にて作画担当で連載(原作:日之影ソラ『十三番目の転生者』) @kr_kob
清水しの 第4期 新潮社より単行本が発売(『オオカミ部下くんとヒツジ上司さん』) @doro10mizu
片橋真名 第4期 第24回ウィングス・マンガ大賞で「奨励賞」受賞(『僕だけのひみつ』) @manakataha
静脈 第3期 「少年ジャンプ+」に原作担当で連載(作画:依田瑞稀『マリッジトキシン』) @joumyakun
由田果 第3期 「週刊少年サンデー」にて連載(『君と悪いことがしたい』)
@ytkcchi
景山五月 第3期 「ねこぱんち」にて連載(『黒猫の○○ごっこ』)
@unyamho
ハミ山クリニカ 第3期 ぶんか社より単行本が発売(『汚部屋そだちの東大生』) @kllinika
kubota 第3期 「good! アフタヌーン」にて連載(久保田之都『週末芸人』) @kubota0612
やまだ亜麻 第2期 スリーズロゼコミックスより単行本が発売(『天使と悪魔と床と壁』) @ama_yamada
辻恵 第2期 「COMICリュウ」にて連載(『難しいほうのサイトーくん』) @_slice007_9


2022年9月17日。第5期「大森望 SF創作講座 第6期」との合同授業。SF創作講座の小説作品をもとにイラストを作成。

APPLICATION

募集概要

定員

ひらめき制作コース・制作コース 35名
聴講コース 25名
※募集期間中、先着順での受付となり、定員に達し次第受付を締め切らせていただきます。
※応募状況により、定員は若干名増えることがあります。

募集期間

2023年1月16日(月)− 2023年3月3日(金)

ひらめき制作コース 受講料

350,000円(税込385,000円)※同人誌制作費・同人誌販売経費・修了作品選考料を含む

制作コース 受講料

320,000円(税込352,000円)※同人誌制作費・同人誌販売経費・修了作品選考料を含む

聴講コース 受講料

175,000円(税込192,500円)

※全てのコースにゲンロン友の会第13期会員および、過去にひらめき☆マンガ教室を受講された方は割引が適用されます。割引金額は5,000円です。割引の併用はできません。

お申込み

ゲンロン ひらめき☆マンガ教室の受講を希望される方は、受講規定をお読みになってから、下記リンクよりゲンロンショップの申込み商品をご購入ください。
銀行振込をご希望の方は、商品を注文後、1週間以内に受講料全額(消費税込)をご入金ください。入金が確認でき次第、手続き完了となります。振込手数料は申込み者の負担とさせていただきます。
クレジットカードでの決済を希望する方は、ゲンロンショップの指示にしたがい、手続きを終えてください。決済終了が確認でき次第、手続き完了となります。どちらの場合も、入金が確認されない場合は、申込みはキャンセルとさせていただきます。定員に達し次第、募集は締め切らせていただきます。

開講までの流れ

授業開始日は4月8日(土)です。事前にメールにて初回授業のご案内を差し上げます。

受講規定

受講資格 ゲンロン ひらめき☆マンガ教室の受講資格に、年齢、性別、国籍、学歴、活動歴の制限はありません。ただし、未成年のかたは保護者の方の同意書の提出が必要となり、一部の授業への参加をご遠慮いただく場合がございます。
使用言語 授業は日本語で行われます。
授業期間 授業期間は2023年4月から2024年3月の1年間です。
受講手続 ゲンロンショップより申込みを行ったのち、受講料の納入が確認された時点で受講手続きが完了するものとします。受講手続は申込み順で行われます。また、受講の申込みをもって本受講規定に同意したとみなされるものとします。受講手続き完了時にはメールで連絡いたします。
定員 定員はひらめき制作コース・制作コースあわせて35名、聴講コース25名です。ただし、応募数が最小人数に満たないときは開講しない場合があります。応募状況により、定員は若干名増えることがあります。
スケジュール 授業日・授業時間は別途ウェブサイトに明示いたします。日程やカリキュラムは変更になる可能性があります。
撮影・放送 授業の一部はネットで中継されることがあります。受講者には、欠席時自習や復習のため、受講期間のあいだ有効な視聴権限を付与します。ゲンロンは記録および広報のため、授業風景を予告なく静止画あるいは動画で撮影することがあります。撮影を希望しない受講生はその場で、あるいは事前に必ず申し出てください。
メーリングリスト 授業についての連絡は、公式メーリングリストを用いて行います。公式メーリングリストのアドレスについては別途アンケートでお伺いいたします。
受講料
    • 金額
      受講料は別途ウェブサイトに明示いたします。ひらめき制作コース・制作コースの受講料には、同人誌即売会参加費・同人誌制作費・修了作品選考料が含まれます。
    • 納入方法
      受講料は、現金、銀行振込、所定のクレジットカードのいずれかにて、全額を一括でお支払いください。
    • 割引
      申込み時点でゲンロン友の会会員の方、もしくは過去にひらめき☆マンガ教室を受講された方は、受講料の割引が適用されます。割引額は5,000円になります。割引の併用はできません。
    • 返金
      納入された受講料はいかなる事情があっても返金いたしません。ただし、主催者・講師の事情で授業が中止になった場合はそのかぎりではありません。
    • 分納
      分納は受け付けておりません。ただし、クレジットカード利用の場合は、クレジットカード会社の規約にしたがった分割払い等が可能な場合があります。詳細はクレジットカード会社にお問い合わせください。
在籍証明 教程の3分の1以上を欠席した場合は、在籍したと認められない場合があります。
誓約書 初回授業までに、受講規定を遵守する誓約書をご提出いただきます。誓約書をご提出いただけない場合、授業に参加することができません。
バリアフリー 障がいのある方の受講については事務局にお問い合わせください。
注意事項
  • ゲンロン ひらめき☆マンガ教室は学校教育法が定める学校や各種学校ではありません。
  • 自己の受講資格および在籍資格を第三者に譲ることは、いかなる場合も認められません。
  • 設備・機材を破損する、授業を妨害する、講師・スタッフの中傷を行う、営業を妨害する、受講期間中に知り得た個人情報や機密情報を開示・漏洩するなど、当社に不利を及ぼす行為をした受講生は、当社の判断により除籍・退学となる場合があります。その場合も受講料の返金は行いません。
  • 授業中および、授業場所での違法行為はいかなる場合も認められません。違法行為を行った受講生は然るべき処置を受けるとともに、当社の判断により除籍・退学となる場合があります。

申し込みフォーム

受講受付は終了いたしました。

お問い合わせ

ゲンロン 担当 堀内・伊勢
info[at]genron.co.jp