「時をかける僧侶」なんてふざけんじゃねえよ、1984年夏

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梗 概

「時をかける僧侶」なんてふざけんじゃねえよ、1984年夏

乾洋一郎には、幼い頃の記憶はあまりない。けれど、物心ついたときには、母親はいなかった。実家は古いだけが取り得の山寺。住職を務める父親はおだやかな人物で、どんなにやんちゃをしても笑って許す人だ。時々「ボランティアに行ってくる」といって留守にするこがあるが、特に洋一郎に何かを言いつけることもなく、自由にさせてくれた。

そんなわけで、洋一郎は、幼なじみで鍵っ子のタケやんの家にいりびたり、その隣の電気屋の娘・朝子と一緒に過ごすことが多かった。面倒見の良い朝子をタケやんと洋一郎は「姐御」と呼び、金魚のフンさながらついて回った。中学の頃、洋一郎はタケやんの兄が持っていたビートルズのCDを聞いて、衝撃を受ける。ロックという音楽に一気にのめりこんだ。洋一郎は、高校を中退し、家を飛び出した。ミュージシャンになるためだ。父親は、「やりたいことをやればいい」と放置。貧しくもロックな日々を満喫していた洋一郎の元へ、タケやんがやってくる。「姐御が消えた」とタケやん。姐御は強い。そう簡単に拉致誘拐されるわけがない。姐御に何が起きたのか? 洋一郎はタケやんと共に朝子を探す。朝子が何者かに狙われていたという痕跡はない。しかし、タケやんによると最近の朝子は様子がおかしかったという。。探しながら感じる違和感。やがて洋一郎は「時の分岐点」に立ち会う。そして、眠っていた「五次元」の力が覚醒する。

洋一郎の、散々でうんざりな1987年の夏が始まった!

文字数:612

内容に関するアピール

SFっぽいのはすきだけれど、ガチのSFファンではない私が、SF小説を書こうと思うなんて正気の沙汰とは思えない、と自分で自分に突っ込んだ2024年の夏。背伸びしたって仕方がないと開き直り、ひたすらSFを自分に寄せて書いていこうと決意しました。そこで思いついたタイトルが『時をかける僧侶』。夫からは「ふざけてんのか?」と呆れられ、タイトルがイマイチという評価を受け続け、だったらそれをそのまま題名にしてやろうじゃん2025年夏、ということでこんなタイトルになりましたが、ふざけてません。

今のところ第4課題の実作の続きから最後まで完成させるつもりですが、もしかすると、全く違うものを提出するかもしれないです。

間に合うのか、私。

文字数:310

課題提出者一覧