あなたにとって『おもしろさ』とは何か。
人類が未だ見たことのない『変な世界』のヴィジョンを打ち出すことができるのは、SF作家としてはとても強い武器です。しかしSFは同時に、そのヴィジョンをエンターテインメントとして成立させて、読者=お客さんに響く物語であることを求められます。
次回の梗概では、自分にとって「これだ!」と思えるアイデアを、読者にとって効果的に響くエンタメSFとして提示できるように、物語の見せ場と見せ方を意識して組んでみてください。自分が書きたいものを、いかにドラマとして落とし込むか。伝えたい作品のテーマを最も強く届けるためには、どんな驚きや読者への揺さぶり、感動が求められるのか。困難な問いですが、それを探求してあなたにとっての『おもしろさ』を固めることができれば、物書きとしてのレベルが一段上がることは間違いありません。
一点突破のヴィジョンを、エンターテインメントの道具として機能させること。
『エンタメSF』の設計が次回の課題です。
(参考文献)
長谷敏司から参考文献
ジェイムズ・P・ホーガン『未来の二つの顔』
大森望から参考文献
宮澤伊織「神々の歩法」
塩澤快浩から参考文献
小川一水「漂った男」(『老ヴォールの惑星』収録)