事故物件でグッモーニン

印刷

完成稿

事故物件でグッモーニン

完成稿に関するアピール

掲載想定:「モーニング」青年誌連載企画

ターゲット:子供の頃テレビで心霊特集を楽しみに見ていたが大人になり、ヤラセくさい番組が楽しめなくなった層が適度に怖がったりしんみり出来る。男女バディの軽妙な会話で社会批評も盛り込み、手練れの社会人の読者も満足できるものにします。エピソードごと完結連作形式。

企画意図:「事故物件」という言葉がポピュラーになって久しい。事故物件サイトも人気だ。都会の「地縛霊」はおどろおどろしい場所ではなく、とても身近で匿名的な場所に出る。たまたま引越ししたなんの変哲もない部屋、あるいは隣の部屋が事故物件かもしれない。今、新型コロナの流行で私たち自身がまるで「地縛霊」のように家の中に縛り付けられる存在になってしまった。霊は他者に認知され、他者からの「供物」がなければ、存在し続けることができない。にも関わらず禁じられた交流。途方に暮れる私たち。疫病にかかった者は親しいものにも会えず、看取られず死んでゆくことになるかもしれない。生者にとっての、他者の病、死はますます実感実態のないものとなっていく。他者の幽霊性は加速する。そんな時代に、私たちを縛る「場」とは何か?執着となった愛や憎しみ、責任感、思い込み、血縁、地縁、社会のルール、叶わぬ願い。

設定:厄介な心霊系事故物件を引き受ける弱小不動産屋。その無霊感ぶりを不動産屋女社長にみこまれたド天然女、照屋キコと神経質な社員、戸田岳人とのデコボココンビの活躍。コメディタッチで、恐怖のエッセンスをまじえながら最後はほろりとなる。現代社会でもがく人々を描く。

集合住宅だけでなく、戸建、ホテル旅館、飲食店、商店、オフィス、工場なども舞台に。

キャラクター:

照屋キコ24才 霊や不可視の恐怖など感じないサバサバした性格。母は沖縄のユタの子孫で早くに亡くなり大阪市大正区の親戚の家で育つ。高卒上京してコールセンターに就職するがリストラ。

戸田岳人23才 新卒で大手チェーン不動産に入社後、初めて賃貸成約取った上京女子大生に紹介物件で自殺された(事件後、女子大生親にも家主にも理不尽に罵倒された)のがトラウマ。ケチケチした生活を送っているのは、その部屋を新たに誰かに借りられないよう無人のまま維持するため家賃を払い続けている為の金欠。大手退社後、四九不動産に拾われたので西大寺社長には恩を感じている。クールを気取りたいが、根が真面目で優しい。

西大寺美穂65才 謎の威圧感のある街場の小さな不動産屋社長。霊が見えるだけで祓う力は全く無い。子供の頃は犬のチロが守ってくれていたが、チロの死後、除霊をうたう宗教団体に家族がつけ込まれ家庭崩壊したため、霊媒師を毛嫌いしている。夫は道楽者。息子は貿易商社勤務。孫の小3男子には甘甘。

吉村英二27才 2話より登場四九不動産社員。ガチムチの健康オタク。恋人が出来ないのと犬を異常に怖がるのは女狐(と自分で思い込んでいる霊)が憑いてるためだが、本人は気づいていない。社長は気づいているが黙っている。吉村はキコに好意を抱くが、女狐が嫉妬してキコに意地悪しようとするが酷い目にあうのはいつも戸田。

物件を持ち込んでくる大手不動産屋の横柄なやつも登場。

今後の展開予定

第二話

朝、田崎宏樹課長はオフィスに出社。がそこには誰もいなかった。誰にも連絡がつかず待っても待っても電話も鳴らない。PCもサーバーダウン。いきなり開いたメールにオンライン会議の招待が。

キコは四九不動産で働き始めるが、PCを触るとPCがおかしくなることが判明。同僚社員の筋トレオタク吉村は、初めての女子社員入社に「お茶汲みと雑用でいいよ」とはしゃぐが「昭和の職場は嫌だ」と嘆く戸田。そこに田崎の勤務するオフィスビルの管理会社から電話が。

第三話

敷地内に何棟もある古い団地で、夜中に帰ると自分の部屋に帰ったはずが、朝になるとある特定の空き部屋で目覚める、という事例が多発する。確かに団地の部屋はどれも同じようだが、住んでいる棟も階も違うのにおかしすぎる。キコがその空き部屋で寝てみることになるが。

第四話

戸田の事故物件をめぐる悲しい過去。大手チェーンの不動産屋に入社した戸田は、田舎から出てくる予定の女子大生に部屋を紹介するが、彼女は自殺してしまう。その部屋が事故物件だったことを戸田は知らなかった。

第五話

窓を開けると目の前に鉄塔がそびえたっている戸建。蛍光灯が空にかざしただけで点くのだがこれは科学で説明可能。戸田は「これは問題がはっきりしてるだろ」というがキコが異様に怖がり始める。ついにキコは霊が見えるようになってしまったのか?

以降、吉村に憑いている女狐キャラ登場、西大寺社長の過去、キコの母のエピソードなど明らかになっていきます。

文字数:1938

印刷

ネーム

事故物件でグッモーニン

ネームに関するアピール

連載企画意図:

疫病によって私たちは、不接触を強いられ部屋に閉じ込められた「地縛霊」となってしまった。

霊は他者に認知され、他者からの「供物」がなければ、存在し続けることができない。

にも関わらず禁じられた交流。途方に暮れる私たち。

疫病にかかった者は親しいものにも会えず、治らなければ看取られず死んでゆくしかなくなった。

生者にとっての、他者の病、死はますます実感実態のないものとなっていく。他者の幽霊性は加速する。

そんな時代に、私たちを縛る「場」とは何か?執着となった愛や憎しみ、責任感、思い込み、血縁、地縁、社会のルール、叶わぬ願い。

(裏テーマとしてはスピリチュアルの持つ選民意識、大きな物語の喪失と宗教の儀式性の形骸化以降、陳腐国家擬似宗教の跋扈で、どうやって魔を祓うのか問題)

連載第一話ではキャラクター紹介のため、霊のエピソードはあっさりですが、1話完結形式で、霊側の心情メインで描きます。

集合住宅だけでなく、戸建、ホテル旅館、飲食店、商店、工場なども舞台に。

掲載想定:「モーニング」青年誌

文字数:445

課題提出者一覧