完成稿
トマト・アンチモラル
完成稿に関するアピール
ネームでは大きく下記の2点の問題点がありました。
1:ナナちゃんが一歩踏み出す動機が受動的で理解しづらい。
2:突然、不条理な破綻(巨大トマト化)が起きるが、そうなってしまうとこれまでの話の必然性がなくなってしまう。そこまでがどんな話運びであってもこの展開が可能になってしまう。
以上を受け、完成稿では以下のように修正しました。
1:コウくんの存在は動機付けのための装置にとどめ、主人公をナナちゃんにして感情の変化が理解しやすいように。
2:宗教、親との関係といったナナちゃんの葛藤の要素を踏まえた行動(トマトを食べ、親の宗教に自分は巻き込まれないと示す)にする。コウくんが巨大化する必然性がないので不条理展開はなし。
最初、ネームでは「好きな子のために食べ物になって食べられる」という愛情を描こうとして迷走してしまったのですが、その展開はまた、その要素が必然となるストーリーが出来上がった時に描きたいと思います。
今回、ナナちゃん一家のいでたちが真っ白なので背景を描きこまないと画面が真っ白になってしまうことにペン入れで気がつき、市川春子先生の塗り(線がスッキリ少なめなのに豊かに見える)を参考に陰をつけてみました。課題1のペン入れ(ちょっとガロを意識したガリガリ系描き込み)よりもかなりの時短になったので、絵柄に応じて今後も模索していきたいです。
文字数:568
ネーム
あの子がトマトを食べたなら
ネームに関するアピール
クライマックスは13〜15ページ目に持ってきました。
4ページ目と8ページ目にイベントの反復(親襲来)
→4ページ目の過去には不発だった主人公の感情が8ページ目の現在では発露
→そこから高まっていき13ページ目に爆発
→その高まりに合わせて現在のヒロインも、14ページ目で初めてセリフを発し、15ページ目で満面の笑みになる(爆発)というイメージです。
音楽は、基本線→小さい高まり①→基本線→小さい高まり②→大きい高まり→爆発→拡散(または収束)で小さくなっていく、で成り立っていることが多い気がしますが、今回はラスト遠くへ旅立って行くかたちにしたくこのようにしました(拡散)。
MuseのTake a Bowを延々聴きながら作業しました。
文字数:312