テーマ

「境界線上の美術1」

  • 講師:堀浩哉

作品プラン提出締切| 2016年5月26日(木)

展示・講評会| 2016年5月29日(日)

実作提出締切| 2016年6月1日(水)

ドローイングを100枚描いてください。

ドローイング(drawing)とは本来、紙にペンや鉛筆などの硬い筆記具でひっかく(draw)ように描いたものを意味しますが、ここではもっとゆるやかに、<作品>の手前にある発想の起源のようなものを素早く描き記したもの、というほどの意味です。

したがって素材も画材も問わない。紙でも紙以外でも、ひっかく線描でも筆で塗っても、写真でも、コラージュでも、立体物でも、CGでも、言葉でも何でもいい。大きさも自由です。

しかし、100枚はクリアしてください。なぜ100枚なのか。100枚そのものに根拠はないけれど、短期間に集中してできるだけ多く(だから200枚でも300枚でもいいけれど)という意味で、自分自身に負荷をかけるためです。

そして負荷をかけるのは手だけではだめです。制作しながら脳みそがしびれるほど考え続けてください。自分は何をどう描こうとしているのか。描きながら見つめ続けてください、これでいいのかどうか、眼が眩むほどに。

手と脳と眼を総動員して負荷をかけ続けても、たぶん答えらしきものは何も見つからないでしょう。でも、負荷をかけつづけていると、しだいに手と脳と眼が分離したそれぞれではなく、渾然とした内蔵感覚のようなものに変貌する一瞬が訪れる、かもしれない。

それが描くこと(制作すること)の最も根底を支えるフィジカルな力の端緒なのだと、ぼくは考えています。

 

最後に、自分の描いた100枚のドローイングをもう一度見直し、自分が結局は何を実現したのか、あるいは実現しようとしたのかということを、短いステートメントにして下さい。

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