作品プラン
《お誕生日会》ステートメント
お誕生日会のお知らせ
拝啓 日々の生活が目にしみる今日この頃、ご学友の皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
さて、来る○月○日に、私のお誕生日会を開きます。
つきましては、日頃から仲良くさせて頂いている皆々々々様に、ご一緒にお祝いをして頂けたら嬉しく思い、お招き申し上げます。
誕生日会は、小宅にて、○月○日(○曜日)の○時から○時までの予定でおります。大きなケーキと温かい炬燵とささやかな余興を用意しております。ご都合がつきましたら、是非お越しください。
私の誕生日は先々月でしたが、心よりお待ちいたしております。
敬具
平成○年○月吉日
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血まみれの力士、花道を去る。
土俵の上は掃いて清められて、湯加減が調整された。
拍子木を打って呼出が名前を呼ぶ。
ひが〜し〜、にんぷ〜さ〜ん〜、にんぷ〜さ〜ん〜。
に〜し〜、さんば〜さ〜ん〜、さんば〜さ〜ん〜。
この時の私には未だ名前が無い。
制限時間いっぱいになっても私は準備をしていなかった。
「はっけよい、のこった!」
取組が始まった。
いよいよだ。
だが何も準備をしていない。
出来るだけゆっくりと産道を歩いた。
避難訓練みたいなものだ。
毎日欠かさず避難訓練を実施していればゆっくりと日常になる。
この先の風景も平凡なデジャヴュ。
ああ、あなたがお母さんなのね。
それから、そちらは、お父さんでしょ。
だと思った。
想像通り。
無計画な計画だった。
そうやって、
貧しい者が、
裕福な事を、
しようとしました。
血まみれの力士、花道を去る。
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