《垢ともども》ステートメント

作品プラン

《垢ともども》ステートメント

現在、ステートメント締切まであと24時間ほど、講評まで84時間ほどとなった、25日水曜日の深夜である。

このステートメントでは、描き終わった100枚から得られたことについて考察するということであったが残念ながらまだ100枚描けていない。

当初の予定では、本業である風俗嬢として、お客さん100人についての記録を詳細に描こうと思っていた。しかしながら、日頃の不摂生がたたり、陰部に大きな粉瘤とついでにカンジダを発症している。前回の出勤でとりあえず描いた12枚分しかない。残り数日で驚異の客入りと自分の体力があれば続行するのだが、もしかしたらこの方向は断念するかもしれない。

26日までに体調が戻らなかった場合は「身近であったはずのもの」について描く。

この1年間、「自宅」と呼べる場所が安定せず、最低限のものだけ持ち歩き日々違う場所で睡眠を取っていた。一番多くの荷物が置いてある場所には、下着や歯ブラシなどとりあえず必要だったもの以外の全てがある。先3日間そこに滞在し「とりあえず必要だったもの以外」を取り上げる。

余暇の内容が人間性を示すとして、これらは生活必需品でないのだからつまり私の構成要素を表すのだとは思わない。それらは昨年までの私の生活必需品であったものだからだ。新陳代謝、ただの垢である。こんび太郎である。おじいさんとおばあさんが久しぶりの銭湯で落とした垢を丸めて息子にしてしまうあれは、おじいさんとおばあさんの分身ではない。理想でもない。自分たちが落とした穢れを愛でていたら思ってもみない働きをしてしまっただけである。

湿っぽく、光も入らず、虫が大量発生したこの部屋は、もう私のことを愛してはくれないという気がして眠れず、物で溢れているのにガランドウである。この自堕落の吹き溜まりが勝手に鬼を倒して嫁をもらってくれるならばいいのだけども。

文字数:770

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