C.L.P

印刷

梗 概

C.L.P

大学の地下にある保管室。いたずらで侵入した複数人の学生たち。うっかり触ってしまった記憶端末が起動し、VR空間が展開される。目の前に現れたマイクを前に、女の子は囁く。何コレ? するとどこからともなく女の声が聞こえてきた。

「マイクを手にしてみれば、きっとわかるわ」

Civil Courtにて第1回審議が行われた。先の大戦で民衆を扇動し、民意を撹乱させたとしてネットアイドル・C.L.Pに対して過去作の検閲・活動停止が要求された。判決は有罪。即日、処分が実行される予定だった。

直後、解散ライブと称するC.L.Pの電脳ライブが開始される。初期動員はファンおよそ1億人。依然参加者は増え続けていた。さらにこれは曲のストックが無くなってくれば、その都度新作をリリースするという永遠に終わらない解散ライブだった。ファン全員を盾にC.L.Pは判決の撤回を要求した。

事態を重く見たC.L.Pの元プロデューサー兼コーディネーター・藍堂流は事態の解決を画策する。彼はC.L.Pこと相沢千穂の妹、相沢里穂を呼び出す。

ライブを中止させる為、サイコダイブを仕掛けサーバーに侵入した里穂。そこで浮かび上がったのは嘗て自分と姉が過ごした実家の離れだった。そこには大戦後病死したはずの姉が、一人楽しそうに歌に耳を傾けていた。そして昔里穂がアイドルになりきって立っていた場所にはC.L.Pがいた。

「C.L.Pは止められないわ。ファンのみんなの心の中にいるのだから。私はその想いに応えて歌うの。ファンの存在がアイドルの強さなの! 全員が終わったと思わない限り、C.L.Pのライブは終わらないし、終わらせないわ!」

C.L.Pは千穂が創作したアイドルAIだった。病弱だった千穂のために、歌って踊って楽しませようとしてくれた里穂。そんな妹の姿を重ねて千穂が創作したものだった。そんな姉の忘れ形見の歌う姿に、里穂はC.L.Pの味方をすることを決意する。

各々の電脳の中で展開されていたライブ会場に雪崩れ込む、Civil Courtが放ったバスタープログラム。ライブを楽しむ全ファンの電脳に強制介入を仕掛けC.L.Pのデータを消去していく。そんな中、里穂だけはC.L.Pの願いに応え、こっそりとAIのプログラムを保管した。ただ楽しませたかったという、姉=C.L.Pの思いを守るために。

 

 

文字数:963

内容に関するアピール

Civil Court:裁判所。最終的な判決を下す議長以外はすべてAI。集合知による適切かつ倫理的な判決を下すことが可能。すごく大袈裟な裁判員裁判のようなもの?

C.L.P:ネットアイドル。略なしの芸名はキューティー・ラブ・ポップ。あなたに1番近いアイドル!を売りにしている。各ファンがC.L.Pアカウントを取得し、カスタマイズしていくシステム。ソーシャル版初音ミク? AIアイドルらしからぬポンコツ性能&熱血属性が話題と支持を集めた。

 

アイドルがあなたの頭をハックする!という設定一点張りで考えてみました。アイドルに夢中になるのってなんだかウィルス感染に似てるなぁと。

実作では未来の里穂が過去の出来事をもとに作成した資料VR作品という形で書いてみたいと思います。実はそのVR作品自体が布教用映像で…..という構成を考えてますが、どうでしょうか。話の広がりを想像させる話を作ることができればなと思います。

よろしくお願いします。

文字数:408

課題提出者一覧