テーマ

「梗概を書こう」

  • 伊藤靖
  • 芦沢央
  • 大森望
  • 課題提示、梗概審査:円城塔
  • 梗概審査:伊藤靖(河出書房新社)
  • 実作審査:芦沢央
  • 実作審査:浅井愛(文藝春秋)
  • 梗概審査、実作審査:大森望

梗概提出締切| 2025年11月22日(土)

梗概講評会| 2025年11月29日(土)

実作提出締切| 2026年1月23日(金)

実作講評会| 2026年1月30日(金)

 そんなことはわかっている、と思われそうなテーマですが、この講座では繰り返し、梗概に頭をひねることになるわけです。
 結局のところ梗概とはなんなのかというのは実は、小説とはなんなのか、というのと同じくらい不思議な問題であり、特に定見はないようです。
 それでも、梗概と小説には大きく違うところがあって、梗概には「どんな大きさの話でもとりあえず入れることができ」ます。1200字の小説に大河ドラマを入れることはできませんが、梗概になら可能です。
 一般的には、梗概には段取りが入っているはずです。登場人物の具体的な造形や、固有名詞は二次的なものです(そこから発想を広げるのは無論、大切なことです)。
 何らかの段取りがあり、変換、変転があり、お話は終わる。その段階が書いてあるはずであり、特にこの頃のエンターテイメントにおいては、そうした作り込みが主流となりつつあります。
「どのようにして終わるのか」までを考えて効果的な配置を考えて下さい(続く、や、その謎とは……、にしない)。梗概の文章は小説の文章とは全く違ったものでありえます。

 とはいえ、小説はそういうものではない、という意見もあるかと思います。自分もそう思います。実際に書いていく中でわかっていくことがあり、そのようにしか書けない、という人もいるかと思います。
 しかし、(この講座において)実作の前にあるのが梗概の審査である以上、その場合でもなんらかの対策は必要でしょう。段取りを書けないのなら、段取りではないお話であることを提示する工夫をしてください。
 実作と、梗概で予定されていた段取りの齟齬は問題としません(そこを判定するのは次回の講師の方々ですが……)。

(円城塔)

 

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