梗 概
SF長編小説企画「千の昨日と万の明日」
- タイトル
「千の昨日と万の明日」 - キャッチコピー
「何者かになりたかった君へ」「30代男性が今読むべき小説」 - 企画概要
誰もが希望だけでは人生を語れなくなる年頃で、かつSF小説のヘビーユーザーが多い男性30代を主たるターゲットとする。パラレルワールドへ誘われる物語でIFの人生をエンタメとして楽しませつつ同時に孤独な人生は決して劣るものでないなどの価値観の拡張を行いカタルシスを与える。物語後半、主人公は自分の凡庸な人生が絶望的な世界線の自分が切望した安寧の人生であることを知り、残りの人生では覚悟を持って決断することを決意する。さらに終幕、読者自身がこの主人公の一つの世界線の姿であることが明かされ、主人公の葛藤や決断が自分事として感じられる仕掛けを施すことで斬新でおもしろく売れるSF小説を作る。 - 梗概
主人公は30代既婚男性。一人称は僕。SF小説が好きだが最近は読む頻度が減った。何者かになれそうにない自分に焦りつつも家庭を築いた安心感も感じている。第1章 昨日の猫
以下の書き出しから始まる。
“僕は「千の昨日と万の明日」という小説を手に取った。読むつもりなんてなかったのだけど、たまたま時間ができて偶然目についた本だった。”
小説には人を別の世界線の自分に誘う不思議な白猫が登場する。翌日、小説の猫と似たような猫に出くわした主人公に猫は人語で話しかける。猫の力で1日だけ別の世界線の自分と入れ替わることができるという。
気づくと「結婚はしなかったがSF小説家として成功した自分」と入れ替わる。名声や承認欲求を十分に得る一方で孤独を感じ心身ともに疲弊する自分に羨望だけではない感慨を抱く。
第2章 他者の世界
「商社に就職して公私ともに充実した自分」と入れ替わる。仲間と仕事も遊びも全力で楽しむことに満たされる。
第3章 陽光の下
「中学を卒業して漁師になった自分」と入れ替わる。波しぶきを浴びながら日焼けしてたくましくなった自分に驚き、誇らしくなる。
第4章 敷かれたレール
「大学受験に失敗しアルバイトになった自分」と入れ替わる。定職に就かず収入が少ない自分を憐れむ主人公だがそこには社会から必要とされ仲間と心を通わせる自分がいた。
第5章 崩壊の明日
「キューバ危機で核戦争が起きた世界の荒廃の中で生きる自分」と入れ替わる。主人公は選択肢が全くない人生に驚愕する。白猫はこの世界で突然変異で生まれた存在だった。
最終章 今日という日
自分の凡庸な人生は核戦争世界の自分が熱望した安寧の人生であることを知る。自分の世界線に戻り残りの人生では覚悟を持って決断していくことを決意する。
その時、別の自分に覗かれていると白猫に教えられる。それは読者自身であり、一つの世界線の主人公自身でもあった。主人公は読者に「君も入れ替わってみるか」と尋ねる。人を別の世界線に誘う不思議な白猫がいるから探してみるといいと主人公が言って小説は終わる。
文字数:1200
内容に関するアピール
今回「売れそうなSF長編の企画」のために一般人1200人を対象としたアンケート調査を実施しました(結果レポートは上記リンク参照)。その結果を元に「売れそうな」ターゲット層に「売れそうな」内容・テーマを真正面からぶつけるという企画としました。
まずメインターゲット層はSF小説のヘビーユーザー(SF小説を月1冊以上読むと定義)としました。ヘビーユーザーは「エンタメにお金を使う」割合が高い傾向にあり、男女ともに30代に多く(図3)、孤独で利己的な傾向がある一方で「いまより社会はよくなる」と思っています。今回は販売戦略として「あなたの物語である」設定をし、想定読者をヘビーユーザーが多い男性30代に絞り込みます。男性30代のうちヘビーユーザーは15%、この1割、1.5%に訴求する物語を目指します。日本人男性30代の人口は約640万人ですので9.6万人+αに届けます(αは男性30代以外への波及を狙います)。
内容は「楽しく」「知的好奇心を刺激される」ものとし、テーマは一般人にもSF読者にも最も好まれている「パラレルワールド」(図8)を主軸に、孤独だが社会に希望を持っている男性30代に届く物語とします。なお「パラレルワールド」は「タイムトラベル」や「異世界」「歴史改変」などのテーマと共通の因子(世界操作因子と名付けました)を持つことが今回わかりました(図10)。是非レポートもご覧ください。
文字数:620