梗 概
未来からの来訪者
ある朝、会社に行こうとした間垣俊介(独身男性サラリーマン35歳)のもとへ、未来人がやってくる。
自分で「私は西暦2415年の未来から来た」と言うこの男は、見るからに怪しい雰囲気を漂わせている。
間垣は、この男を無視して会社に行こうとするが、男はドアの前に立ちはだかり外に出ることができない。
「それなら未来から来た証拠を見せてくれ」
と言うと、その男は西暦2415年日付の新聞を見せてきた。
こんなものいくらでも作れるだろう、と言おうとする間垣だが、このままでは埒があきそうもないので、
一応その男の言うことを信じたように振る舞うことにする。
「で、いったい何しに来たの?俺に何の用?」と間垣は質問する。
未来人が言うには「未来ではあるゲームが流行っている。私はそのゲームに参加しているプレイヤーだ。
あなたは私の対戦相手として選ばれた。あなたはこのゲームに参加しなければならない。あなたに拒否権はない」
やっぱりコイツは頭がおかしい。間垣は携帯電話を手にして警察に通報しようとしながら、
「そのゲームってどんなゲームなの?」
と質問してみる。すると未来人は
「簡単なゲームだ。
今から私はあなたを殺さなければならない。もちろん、あなたは抵抗して逃げる権利を与えられている。 私があなたを殺せば私の勝ち。あなたが見事に逃げ切ればあなたの勝利だ。単純明快な誰にでもできる簡単なゲームだ。さぁ、ゲームを始めよう」
無茶苦茶な話である。やっぱりコイツは頭がおかしい危険な男だ。こんな奴、相手にしないで早く会社に行かなければと、間垣は警察に通報して家を出ようとする。しかし、躰が動かなかった。
「あなたの躰は動かないようにした。ゲームがスタートしたら、その束縛はとかれる」
「そんなのゲームじゃない!ゲームってのはあるルールに従って競い合うものだ!
早く躰を動かせるようにしてくれ!俺は忙しいんだ!頭のいかれてる奴の相手をしている暇はないんだよ!」
間垣は大声で怒鳴るように言う。しかし、未来から来た男は全く動じない。
この未来のゲームは、未来の人類を統括管理しているAIが指示している。
AIがプレイヤーと対戦相手を決める。
勝利者には死ぬまでの生活の保証と望むものを何でも手に入れることができる。
まだ勝利者はいない。
西暦2415年の地球は人類滅亡のカウントダウンが始まっている。
異常気象、謎の疫病、核戦争、隕石衝突など、様々なアクシデントにより人口が激減している。
人類滅亡を回避するにはどうすればいいのか?AIに対策案を訊いてみると、その鍵は21世紀初頭の日本にある、と回答してきた。
AIの回答『21世紀初頭の日本人30代男性を1人でも多く殺せ!』
理由は誰にも解らなかった。しかし、他に人類を救う術がない未来人たちはAIが出したこの回答に縋るしかなかった。幸い時間遡行技術は確立され実現化されていた。
最終的に間垣がゲームに勝利して未来の人類を救う。
文字数:1200
内容に関するアピール
冒頭の5枚で、ごく普通の会社員である間垣俊介が、
ある朝突然やってきた未来人だという男に振り回されることになる場面を描いて、
読者を引き込みたいと思います。
未来のAIがなぜ、人類滅亡を救うためにこのような回答を出したのか?
どのような理由があるのか?それとも、ただの暴走か?
間垣と未来人との対決を描くことによって、明らかにしたいと思います。
文字数:167