ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 2018
募集概要
定員
25名
※通年での募集となります。
※先着順での受付となります。定員に達し次第、受付を締め切らせていただきます。
募集期間
2018年1月20日(土)− 2018年3月12日(月)
受講料
275,000円(税別)
※ゲンロン友の会第8期会員、2017年度新芸術校(第3期)受講生、批評再生塾(第3期)正規受講生・聴講生、SF創作講座(第2期)正規受講生・聴講生、ひらめき☆マンガ教室(第1期)受講生は割引が適用されます。いずれも5000円の割引となりますが、割引は併用できません。
お申込み
ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校の受講を希望される方は、受講規定をお読みになってから、下記リンクよりゲンロンショップの申込み商品をご購入ください。
銀行振込をご希望の方は、商品を注文後、1週間以内に受講料全額(消費税込)をご入金ください。入金が確認でき次第、手続き完了となります。振込手数料は申込み者の負担とさせていただきます。
クレジットカードでの決済を希望する方は、ゲンロンショップの指示にしたがい、手続きを終えてください。決済終了が確認でき次第、手続き完了となります。
どちらの場合も、入金が確認されない場合は、申込みはキャンセルとさせていただきます。
定員に達し次第、募集は締め切らせていただきます。
受講までの流れ
授業開始日は4月14日(土)です。3月中にメールにて初回授業のご案内を差し上げます。
受講規定
受講資格 | ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校の受講資格に、年齢、性別、国籍、学歴、活動歴の制限はありません。 |
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使用言語 | 授業は日本語で行われます。 |
授業期間 | 授業期間は2018年4月から2019年3月です。展示指導、ツアー、講評会の3つの授業を、定められた日に行います。9月から12月には毎月1回、受講生によるグループ展を実施します。受講生は4つのグループに分かれ、いずれかひとつのグループ展に参加することができます。これらの展示を通して上位の成績の受講生4〜5名が選抜され、3月に最終選抜展を実施します。選抜成果展では審査員を招いて最終講評会を行います。また、選抜に漏れた受講生にも同時期に展示の機会を設けます。 なお、講座の途中から受講することはできません。 |
受講手続 | ゲンロンショップより申込みを行ったのち、受講料の納入が確認された時点で受講手続きが完了するものとします。受講手続は申込み順で行われます。また、受講の申込みをもって本受講規定に同意したとみなされるものとします。受講手続完了時にはメールで連絡いたします。 |
定員 | 定員は25名です。ただし、応募数が最小人数に満たないときは開講しない場合があります。応募状況により、定員は若干名増えることがあります。最小人数は別途告知いたします。 |
スケジュール | 授業日・授業時間は別途ウェブサイトに明示いたします。 |
撮影・放送 | 授業の一部はネットで中継されることがあります。受講者には、欠席時自習や復習のため、受講期間のあいだ有効な視聴権限を付与します。ゲンロンは記録および広報のため、授業風景を予告なく静止画あるいは動画で撮影することがあります。撮影を希望しない受講生はその場で必ず申し出てください。 |
メーリングリスト | 授業についての連絡は、公式メーリングリストを用いて行います。公式メーリングリストには、特にお申し出のない限り、お申し込み時のメールアドレスを登録いたします。お申し込み時のメールアドレスとは別のアドレスの登録を希望される場合は、その旨あらかじめご連絡ください。 |
受講料 |
|
在籍証明 | 教程の3分の1以上を欠席した場合は、在籍したと認められない場合があります。 |
注意事項 | 自己の受講資格および在籍資格を第三者に譲ることは、いかなる場合も認められません。設備・機材を破損する、授業を妨害する、講師陣の中傷を行う、営業を妨害するなど、当社に不利を及ぼす行為をした生徒は、当社の判断により除籍・退学となる場合があります。その場合も受講料の返金は行いません。 ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校は学校教育法が定める学校や各種学校ではありません。 |
お問い合わせ
ゲンロン 担当 神野鷹彦
info[at]genron.co.jp
「未来」を、「過去」を、取り戻せ
いま、この国の現代美術は、「未来」と「過去」を失っている。
たとえば、いまや粗製乱造の様相を呈しはじめた「地域アート」や「芸術祭」の多くが、2020年開催予定の東京オリンピックに向けた文化振興政策の枠組みに取り込まれ、行政の文化予算への依存度をますます高めている。それはつまるところ、あらかじめ2020年以降の「未来」が消失しているということであり、未来への投資ではなく、未来の喰い潰しである。
あるいは、「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」や「ネオ・コンセプチュアリズム」、「ポスト・インターネット」といった、ここ数年注目されている輸入言説や流行は、しきりにその新しさ、つまり未来を語っている。しかしそれらは、日本でそれをいかに受容するべきかの議論と、先行する歴史についての考察を欠いている。つまり、それらは「過去」を失っている。
「未来」と「過去」が、あらかじめ失われたところから、ぼくたちはあらためて、現代美術を立ち上げなければならない。
思えば、「学校」とは本来、「過去」を管理する記憶装置であり、「未来」を描くスタジオであった。新芸術校は、そのような学校というプログラムを再起動し、新しく走らせる試みとして継続してきた。今年で第4期をむかえることになり、少しずつであるが、確実に学校としての輪郭を持ちはじめている。
プログラムは、昨年度から導入した「生き残り」をかけたグループ展システムを継続しつつ、講師数を増やし、より内容を強化している。受講生間の競争、過酷なサバイバルは、孤立ではなく、お互いへの理解を促すだろう。繰り返されるグループ展と講評会のなかで、それぞれが自分のやるべきことを自覚できるよう、昨年にも増して充実したプログラムを組んでいるつもりだ。
門は開かれている。第4期も、志を持った人材が集まってくれることを期待している。
黒瀬陽平
プログラム
- ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校(以下、新芸術校)第4期の開講期間は、2018年4月から2019年3月までの12ヶ月間です。主任講師は、カオス*ラウンジ代表の黒瀬陽平です。開講期間途中での受講申込みや、一部講義のみの受講は受け付けておりません。
- 新芸術校の開催場所はゲンロンカフェ、およびゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ(以下、五反田アトリエ)です。
- 本講座では、「展示指導」を軸に、現代美術の現場を見学する「ツアー」、実践となる「展覧会」「講評会」を組み合わせた授業スケジュールが組まれています。前期の間に美術展やそのキュレーションに関する知識を徹底的に身につけ、後期には五反田アトリエを会場として4回のグループ展を開催し、展示の実践の場とします。最後に、4回の展覧会を通してもっとも力を発揮した5名が選ばれ、最終選抜展を行います。また、ツアー以外のすべての授業で制作指導の機会を持ち、ていねいに制作をフォローします。
- 本講座は、美術教育や制作経験の有無にかかわらず、「アーティストとしての総合力」を身につけたいと望むあらゆる人々に開かれています。
展示指導
展覧会を作るにあたり必要な力をつけるための授業です。作家や作品を客観的に説明するスキルや、空間の使い方、テーマの設定や物語の作り方など、キュレーターに不可欠な技術を身につけ、展示のプランを組み立てていきます。また、現代美術の最前線で活躍するアーティスト、プロの学芸員・キュレーターをゲスト講師にお招きし、展示を念頭においた制作指導を行います。
ツアー
現代美術の現場を見学し、作品や展示について理解を深める授業です。注目の展覧会や見るべきイベントなどをピックアップし、黒瀬主任講師あるいはカオス*ラウンジのメンバーとともに現地に行き、講義を受けます。展覧会チケット、展覧会場への交通費などは各自負担となります。
展覧会+講評会
9月から12月にかけて、五反田アトリエにて合計4回のグループ展を開催します。受講生は9月(3名)、10月(5名)、11月(7名)、12月(10名)の4グループに分かれ、作品を展示します(カッコ内は想定される展示参加人数)。準備期間の短いグループは、展示する人数が少なく、一人ひとりがより多くのスペースを使って自由な展示をすることができます。月を重ねるごとに展示参加人数が増え、準備が充分にできる一方で、個々の参加者のスペースは少なくなります。この展覧会では、受講生は作品を展示するだけでなく、黒瀬主任講師のサポートのもと、キュレーションも基本的に自分たちで行います。展示は一般公開します。会期はそれぞれ2回の土日を含む9日間を予定しています。
展覧会の終盤には、ゲスト講師を迎えて講評会の機会を持ちます。講評会には当該の展示に出品している受講生だけではなく、すべての受講生が参加します。講評会の際には、当該の展示に参加していない受講生の作品や今後の展示についても指導を受けることができます。
最終選抜展+講評会
4つの展覧会を通してもっとも力を発揮した5名の受講生および、敗者復活戦にて勝ち上がった若干名の受講生は、2019年3月に開催される最終選抜展に参加する権利が得られます。キュレーターには、これまでの展覧会のキュレーションでもっとも力を発揮した受講生1名あるいは数名が受講生から選抜され、黒瀬主任講師のサポートのもと展示を構成します。また、最終成果展から外れた受講生による裏成果展も同時に開催されます。最終選抜展は外部の会場で一週間程度、裏成果展はゲンロンカフェにて2日間を予定しています。いずれの展示も一般に公開されます。展示初日に、美術界を代表する第一線の審査員を迎えて最終講評会を行います。最終講評会では最優秀賞および各審査員賞を選出します。
スケジュール
日程 | テーマ | 時間 | 科目 | 講師 |
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2018年 | ||||
4月14日(土) | 展示指導1 導入 |
13:00-14:00 | イントロダクション | 黒瀬陽平 |
14:15-16:45 | 受講生による自己紹介プレゼン | |||
17:00-18:00 | 制作指導 | |||
4月22日(日) | ツアー1 アートの現場を見る1 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
4月29日(日) | 展示指導2 セルフプロデュース |
13:00-14:30 | ワークショップ | 黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | ワークショップ | |||
16:30-18:00 | 講評・制作指導 | |||
5月13日(日) | 展示指導3 展示を企画する1 |
13:00-14:30 | レクチャー | 黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | レクチャー | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
5月20日(日) | 展示指導4 作品を作る1 |
13:00-14:30 | レクチャー | 堀浩哉・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 講評・制作指導 | |||
16:30-18:00 | 講評・制作指導 | |||
5月27日(日) | ツアー2 アートの現場を見る2 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
6月10日(日) | 展示指導5 作品を作る2 |
13:00-14:30 | レクチャー | 黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 講評・制作指導 | |||
16:30-18:00 | 講評・制作指導 | |||
6月17日(日) | 展示指導6 展示を企画する2 |
13:00-14:30 | レクチャー | 八谷和彦・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 講評・制作指導 | |||
16:30-18:00 | 講評・制作指導 | |||
6月24日(日) | ツアー3 アートの現場を見る3 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
7月8日(日) | 展示指導7 展示を企画する3 |
13:00-14:30 | 講評・制作指導 | 黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 講評・制作指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
7月14日(土) | 展示指導8 展示を企画する4 |
13:00-14:30 | レクチャー | 西澤徹夫・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 講評・制作指導 | |||
16:30-18:00 | 講評・制作指導 | |||
7月22日(日) | ツアー4 アートの現場を見る4 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
8月5日(日) | 個別指導1 | 13:00-18:00 | 個人面談 | 黒瀬陽平 |
8月19日(日) | 合同授業 新芸術校× ひらめき☆マンガ教室 |
レクチャー | さやわか・黒瀬陽平 ※ひらめき☆マンガ教室との合同授業を予定 |
|
9月2日(日) | ツアー5 アートの現場を見る5 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
9月14日(金) | 設営1 | 15:00-21:00 | ||
9月15日(土) ~23日(日) |
展覧会1 グループ展A(4名) |
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9月22日(土) | 講評会1 | 13:00-14:30 | 対談 | 鴻池朋子・黒瀬陽平 |
14:45-16:30 | 展示プレゼン・質疑応答 | |||
16:45-17:30 | 制作指導 | |||
10月7日(日) | ツアー6 アートの現場を見る6 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
10月8日(月) | 展示指導9 展示を批評する1 |
13:00-18:00 | レクチャー | 黒瀬陽平 |
10月10日(水) | 合同授業 新芸術校×批評再生塾 |
19:30-21:00 | 講義 | 佐々木敦・黒瀬陽平 ※批評再生塾との合同授業を予定 |
21:30-23:00 | 講評・ワークショップ | |||
10月12日(金) | 設営2 | 15:00-21:00 | ||
10月13日(土) ~21日(日) |
展覧会2 グループ展B(7名) |
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10月20日(土) | 講評会2 | 13:00-14:00 | レクチャー | 飴屋法水・黒瀬陽平 |
14:15-16:15 | 講評会 | |||
16:30-17:30 | 講評会 | |||
10月28日(日) | 展示指導10 展示を批評する2 |
13:00-14:30 | 展示指導 | 新藤淳・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 展示指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
11月4日(日) | ツアー7 アートの現場を見る7 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
11月9日(金) | 設営3 | 15:00-21:00 | ||
11月10日(土) ~18日(日) |
展覧会3 グループ展C(10名) |
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11月11日(日) | 講評会3 | 12:00-13:00 | レクチャー | 高山明・黒瀬陽平 |
13:15-15:15 | 講評会 | |||
15:30-16:30 | 講評会 | |||
11月25日(日) | 展示指導11 展示を批評する3 |
13:00-14:30 | 展示指導 | 梅津庸一・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 展示指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
11月30日(金) | 設営4 | 15:00-21:00 | ||
12月1日(土) ~9日(日) |
展覧会4 グループ展D(14名) |
|||
12月2日(日) | ツアー8 アートの現場を見る8 |
13:00-17:00 | 黒瀬陽平・カオス*ラウンジ | |
12月8日(土) | 講評会4 | 13:00-14:00 | レクチャー | 宇川直宏・黒瀬陽平 |
14:15-16:15 | 講評会 | |||
16:30-17:30 | 講評会 | |||
2019年 | ||||
1月12日(土) | 展示指導12 展示を批評する4 |
13:00-14:30 | 展示指導 | 椹木野衣・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 展示指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
1月20日(日) | 個別指導2 | 13:00-18:00 | 個人面談 | 黒瀬陽平 |
1月27日(日) | 展示指導13 作品を作る3 |
13:00-14:30 | 展示指導 | 田中功起・黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 展示指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
2月3日(日) | 展示指導14 作品を作る4 |
13:00-14:30 | 展示指導 | 黒瀬陽平 |
14:45-16:15 | 展示指導 | |||
16:30-18:00 | 制作指導 | |||
3月1日(金) | 設営5 | 15:00-21:00 | ||
3月2日(土) ~3日(日) |
最終選抜展 選抜者5名による展覧会 |
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3月2日(土) | 最終講評会 | 14:00-15:00 | 審査会 | 岩渕貞哉・津田大介・和多利浩一・黒瀬陽平 |
15:30-17:30 | 最終講評会 |
講師
黒瀬陽平|くろせ・ようへい
1983年生まれ。美術家、美術評論家。ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校主任講師。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。2010年から梅沢和木、藤城噓らとともにアーティストグループ「カオス*ラウンジ」を結成し、展覧会やイベントなどをキュレーションしている。主なキュレーション作品に「破滅*ラウンジ」(2010年)、「キャラクラッシュ!」(2014年)、瀬戸内国際芸術祭2016「鬼の家」、「カオス*ラウンジ新芸術祭2017 市街劇『百五〇年の孤独』」(2017-18年)など。著書に『情報社会の情念』(NHK出版)。
講師
堀浩哉|ほり・こうさい
1947年富山県生まれ。美術家。多摩美術大学美術学部絵画学科教授(2014年度まで)。1969年に「美共闘」(美術家共闘会議)を結成、議長を務める。2010年、東京・秋葉原のアーツ千代田3331内に多摩美術大学運営のオルタナティブ・スペース「アキバタマビ21」を開設し、プロデューサーを務める(2012年まで)。
第41回ヴェネツィア・ビエンナーレ、「ユーロパリア・ジャパン’89」(ゲント現代美術館)、「今日の日本」(ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回)、釜山国際アートフェスティバル、「センチュリー・シティー」(テート・モダン)、越後妻有アートトリエンナーレなど、国内外の展覧会に多数参加。近年の展覧会に「堀浩哉展─起源」(多摩美術大学美術館)、「ミニマル/ポストミニマル」(宇都宮美術館)など。
八谷和彦|はちや・かずひこ
メディア・アーティスト
1966年4月18日(発明の日)生まれの発明系アーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業、コンサルティング会社勤務。その後(株)PetWORKsを設立。現在にいたる。
作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》やメーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。
2010年10月より東京芸術大学先端芸術表現科 准教授。
撮影=米倉裕貴
西澤徹夫|にしざわ・てつお
1974年生まれ。建築家。西澤徹夫建築事務所主宰。作品=《東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーリニューアル》(2012)、「映画をめぐる美術──マルセル・ブロータースから始める」展会場構成(2014)、「Re: play 1972/2015―「映像表現 ’72」展、再演」会場構成、《西宮の場合》(2016)、「京都市美術館再整備事業基本設計・実施設計監修」(共同設計=青木淳建築計画事務所)、「八戸市新美術館設計案」(共同設計=浅子佳英)ほか。
鴻池朋子|こうのいけ・ともこ
1960年秋田市生まれ。玩具デザインの後、絵画、映像、彫刻、絵本など様々なメディアで現代の神話を発表。近年は2016年個展「根源的暴力」新潟県立万代島美術館巡回、「Temporal Turn」スペンサー美術館(米国)、2017年 「Japan Spirits of Nature」ノルデスカアクヴァラル美術館(スウェーデン)、2018年「ECHOES FROM THE PAST」カレヴァ美術館(フィンランド)、個展「A fairy tale passing through the fur」リーズ美術大学(英国)、個展「ハンターギャザラー」秋田県立近代美術館。
佐々木敦|ささき・あつし
1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉主任講師。『即興の解体/懐胎』(青土社)、『ex-music(L)』『同(R)』(アルテス・パブリッシング)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン)、『シチュエーションズ』(文藝春秋)、『批評時空間』(新潮社)、『未知との遭遇』(筑摩書房)、『ニッポンの思想』、『ニッポンの音楽』(講談社現代新書)、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(慶應義塾大学出版会)、『ゴダール原論』(新潮社)、『例外小説論』(朝日新聞出版)、『ニッポンの文学』(講談社現代新書)、など著書多数。近著に『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『筒井康隆入門』(星海社新書)、『新しい小説のために』(講談社)がある。
撮影=新津保建秀
さやわか
1974年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。ゲンロン ひらめき☆マンガ教室主任講師。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。「LINEマンガ」に連載中の『キューティー・ミューティー』の原作を担当。著書に『僕たちのゲーム史』、『一〇年代文化論』(星海社新書)、『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)、『キャラの思考法』(青土社)がある。近著に『文学の読み方』(星海社新書)、『文学としてのドラゴンクエスト』(コア新書)など。
飴屋法水|あめや・のりみず
79年、17才で唐十郎の「状況劇場」に参加。83年「東京グランギニョル」結成、演出家として独立。90年からレントゲン藝術研究所など美術の場に発表を移す。95年より「動物堂」で動物の飼育と販売に従事しながら、99年「日本ゼロ年」展、05年「バ ング ント」展など。07年、平田オリザ作「転校生」の演出で演劇に復帰。以後、FT、吾妻橋ダンスクロッシング、ポ・ナイトなどに連続参加。小説家朝吹真理子、山下澄人との共同制作や、大友良英、テニスコーツなど音楽家とのライブ共演も多数。
新藤淳|しんふじ・あつし
1982年生まれ。美術史。国立西洋美術館研究員。2007年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程芸術学専攻修了(西洋美術史)。同年より現職。共著に『版画の写像学』(ありな書房)、『キュレーションの現在』(フィルムアート社)など。展覧会企画に「かたちは、うつる」(2009年)、「フェルディナント・ホドラー展」(2014-15年)、「No Museum, No Life?-これからの美術館事典」(2015年)など(共同キュレーションを含む)。
高山明|たかやま・あきら
1969年生まれ。演出家。演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)主宰。『サンシャイン62』、『東京/オリンピック』(はとバスツアー)、『個室都市』シリーズ、『完全避難マニュアル』、『国民投票プロジェクト』、『光のないⅡ(福島-エピローグ?)』、『東京ヘテロトピア』、『横浜コミューン』など、ツアー・パフォーマンスや社会実験的なプロジェクトを現実の都市空間で展開している。2013年9月に「一般社団法人Port(ポルト)観光リサーチセンター」を設立し、観光事業にもその活動を広げつつある。対談集に『はじまりの対話– Port B国民投票プロジェクト』(現代詩手帖特集版/思潮社)がある。
梅津庸一|うめつ・よういち
1982年山形生まれ。美術家、パープルーム主宰。美術、絵画が生起する地点に常に関心を抱く。日本の近代洋画の黎明期の作品を自らに憑依させた自画像、自身のパフォーマンスを記録した映像作品、自宅で20歳前後の生徒5名と共に制作/共同生活を営む私塾「パープルーム予備校」の運営、展覧会の企画、テキストの執筆など活動は多岐にわたる。主な展覧会に『未遂の花粉』(2017年、愛知県美術館)、『恋せよ乙女!パープルーム大学と梅津庸一の構想画』(2017年、ワタリウム美術館)。作品集に『ラムからマトン』(アートダイバー)。
ツイッター:@parplume
宇川直宏|うかわ・なおひろ
DOMMUNE/現在美術家。1968年生まれ。香川県/高松市出身。京都造形芸術大学情報デザイン学科教授。映像作家/グラフィックデザイナー/VJ/文筆家/そして現“在”美術家など、幅広く極めて多岐に渡る活動を行う全方位的アーティスト。既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、現在の日本にあって最も自由な表現活動を行っている”MEDIA THERAPIST”。日本に於けるVJのオリジネイター。2001年のニューヨークPS1 MOMA「BUZZ CLUB」、ロンドン・バービカン・アートギャラリーでの「JAM展」での展示から、国内外の数多くの展覧会で作品を発表。2013~2015年度文化庁メディア芸術祭審査委員。2015年度アルスエレクトロニカ(リンツ・オーストリア)審査委員。また、1980年代末「ヤバイ」という日本語スラングを初めて肯定的な意味に変転させて使用し、著述を通じて世間一般にまで広めた人物でもある。また90年代初頭より文中においてエクスクラメーションマークの連打「!!!!!!!」を多用し、現代の日本語における「感嘆」や「強調」の表現を、SNS以前から独自的に拡張した。2010年3月、突如個人で立ち上げたライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」は、開局と同時に記録的なビューアー数を叩き出し、国内外で話題を呼び続けている。現在、宇川の職業欄は「DOMMUNE」。著書として『@DOMMUNE-FINAL MEDIAが伝授するライブストリーミングの超魔術!!!!!!!!』(河出書房新社)他。DVDに「MAD HAT LAUGHS!!!!!」(Ki/oon / SONY)他。ミュージシャンとしてはUKAWANIMATION! 名義で「ZOUNDTRACK」(avex trax)他。また、最近は国内外の現代美術の展覧会で精力的に作品を発表している。高松メディアアート祭では、ディレクター/キュレーター/審査委員長のなんと三役を担当。www.dommune.com/
椹木野衣|さわらぎ・のい
1962年埼玉県秩父市生まれ。1990年代初頭から東京を拠点に批評活動を始める。最初の評論集『シミュレーショニズム』(増補版、ちくま学芸文庫)は、90年代の文化動向を導くものとして広く論議を呼ぶ。また「アノーマリー」展(村上隆、ヤノベケンジほか参加、1992年、レントゲン藝術研究所)、「日本ゼロ年」展(岡本太郎、成田亨、横尾忠則ほか参加、水戸芸術館)ではゲスト・キュレーターを務めた。主著となる『日本・現代・美術』(新潮社)では日本の戦後を「悪い場所」と呼び、わが国の美術史・美術批評を根本から問い直してみせた。ほかに著書多数。2015年刊行の最新刊に『後美術論』(第25回吉田秀和賞、美術出版社)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書)、『戦争画とニッポン』(会田誠との共著、講談社)、『日本美術全集 第19巻 拡張する戦後美術』(責任編集、小学館)、『Don’t Follow the Wind 公式カタログ2015』(Chim↑Pomとの共著、河出書房新社)がある。また2014年に演出家の飴屋法水と「グランギニョル未来」を結成、日航機123便事故、東京電力福島第一原発事故を主題とする活動も行っている。
田中功起|たなか・こおき
1975年生まれ。アーティスト、ARTISTS’ GUILD、基礎芸術。主に参加した展覧会にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプール・ビエンナーレ(2016)など。2015年ドイツ銀行によるアーティスト・オブ・ザ・イヤー、2013年ヴェネチア・ビエンナーレでは参加した日本館が特別表彰を受ける。近年は、一時的な人びとの集まりを組織し、集団の行為を記録するという方法論を用いたプロジェクトを行う。主な著作、作品集に『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)、『共にいることの可能性、その試み、その記録-田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス)など。
撮影=題府基之
審査員
岩渕貞哉|いわぶち・ていや
1975年生まれ。『美術手帖』編集長。美術出版社取締役編集部長。慶応義塾大学経済学部卒業。2002年から『美術手帖』編集部に在籍、2008年より編集長を務める。
津田大介|つだ・だいすけ
1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。 大阪経済大学客員教授。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース非常勤講師。東京工業大学リベラルアーツセンター非常勤講師。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。ポップカルチャーのニュースサイト「ナタリー」の創業・運営にも携わる。 世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2013」選出。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。
和多利浩一|わたり・こういち
1960年生まれ。ワタリウム美術館キュレーター、オーナーの1人。早稲田大学卒業。大学1年生の時、姉・恵津子と共にミュージアムショップ「オン・サンデーズ」を創立。83年美術関係書籍・ビデオの出版社「イッシプレス」の代表取締役。90年「ワタリウム美術館」の取締役として参加。現代美術を中心に、建築、写真、彫刻と幅広い展示活動を行う。同時に教育プログラムを積極的に開催。また、92年国際展ドクメンタ9で初の日本人スタッフとして働く。95年第1回ヨハネスブルグ・ビエンナーレの日本代表コミッショナー。
岡本太郎現代芸術大賞の審査委員を1997年から現在まで継続。2013年村上隆主催の第18回GEISAI審査員。共著書に、『夢みる美術館計画』(日東書院)。
ワタリウム美術館 http://www.watarium.co.jp/