ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 2015
新しい芸術のための、新しい学校
ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校は、新しい芸術のための、新しい学校として構想された。
新しい芸術はどこから生まれるだろうか。
ハイカルチャー/サブカルチャーをはじめとした、あらゆるヒエラルキーが溶解した現代日本社会においては、公的な教育機関が最先端の芸術の拠点になることはない。周知のように、日本の美術教育は、戦後の大学制度のなかですっかり形骸化してしまった。国内の美術大学の多くは、今や理念も目的も見失い、技術習得の場としても、知的鍛錬の場としても、その機能を著しく損なっている。
より深く私たちの現実に根ざし、市場の欲望に晒され、激しく交錯する諸領域の只中に、突如として事件のように現れるもの、それこそが新しい芸術の萌芽である。その萌芽を捉え、育み、かたちと言葉を与えるためには、自律分散する知のネットワークへ奥深く分け入り、自らがひとつの「ノード(結節点)」となるほかないだろう。おそらくそれは、これまで「在野の知」と呼ばれてきたものの今日的な状態であると同時に、いつの間にかノスタルジーの世界へ幽閉されつつある「前衛」の領域を再設定することにほかならない。
それぞれ強烈な個性を放つプレイヤーたちのつながりが形成する流動的なネットワーク、そのトラフィックが最も激しく熱を帯びた場所に、新しい芸術の学校、つまりゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校がある。
カリキュラムと講師陣を見れば明らかなように、ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校の「教育」は、現代アートに求められるアクチュアルな知と想像力を提供するだけでなく、日本美術史上に歴史的な「事件」を起こそうとしている。これまで「未遂」の状態であり続けた、本当の美術教育とアートシーンの構築を成し遂げる、という事件を。いかなる権威や既得権益にも安住することのない「在野の知」をもって、最も先鋭的な「前衛」の領域を確保すること。それは、ドイツのバウハウスやアメリカのブラック・マウンテン・カレッジ、岡倉天心の日本美術院といった美術史上の偉大な教育的実験の系譜に連なるプロジェクトなのである。
いま、アートを志す全ての人に、門戸は開かれている。
ここでは、どんな大学でも得ることのできない沸騰するような知的経験と、講師と受講生がともに未来のアートを描き出すという共同作業が行われるはずだ。私たちは、ともにこの歴史的プロジェクトを成し遂げ、アートの未来を担う意思を持った人材を心待ちにしている。
黒瀬陽平
プログラム
- 授業期間は1年間(2015年4月から2016年3月まで)で、春学期(4月−9月)と秋学期(10月−3月)に分かれます。
- 本校のプログラムは、通年で受講をすることを想定し設計されています。春学期か秋学期どちらかを単独で受講することも可能です。ただし秋学期は定員に空きのあった場合のみの募集となります。
- 本校のプログラムは、「レクチャー」「ワークショップ」「ツアー」を月ごとに繰り返すように組まれています。2016年2月の成果作品展および講評会にむけて作品の構想を練り、制作できるように手厚くサポートしていきます。
レクチャーの日
黒瀬陽平の講義に続き、ゲスト講師を招いての講義が行われます。その後、課題作品の発表およびミニ講評会を行います。講義題目と関わりのある課題を、事前にゲスト講師から提示していただきます。受講生はその課題内容に沿った作品を制作して持ち寄り、プレゼンテーションをしてゲスト講師の講評を受けることになります。
※レクチャー1は初回のため、課題作品の発表はありません。
※レクチャーの一部はネットで期間限定で有料中継されることがあります。受講者には、欠席時自習や復習のため、受講期間のあいだ有効な視聴権限を付与します。
ワークショップの日
同月のレクチャーを受けて、新たに設定されたテーマのもと、ゲスト講師とともに授業時間内で小作品を制作し、講評およびディスカッションを行います。
※ワークショップ1は初回のため、ゲスト講師はありません。
ツアーの日
アートの現場を見るプログラムです。注目の展覧会や見るべきイベントなどをピックアップし、黒瀬陽平あるいはカオス*ラウンジのメンバーとともに現地に行って学びます。講師と受講生がディスカッションしつつ、作品や展示について知識と理解を深めます。展覧会チケットなどは各自負担となります。
研修旅行春学期のみ
1泊2日の合宿で、制作とディスカッションの能力を養います。2015年度は、福島県の原発事故旧警戒区域からいわき市周辺までを視察、震災後を受けた美術表現を経験するプログラムを予定しています。ゲスト講師とともに被災地の現在を知り、いままさに生まれつつあるアートスポットを訪ねます。
成果作品展秋学期のみ
プログラムの締めくくりとなる卒業制作展です。2015年度は、ゲンロンカフェを会場としての3日間の開催を予定しています。オープニングでは、各界で活躍する第一線の表現者・審査員による講評会を予定しています。最優秀賞および審査員賞を選出し、デビューを強力にサポートします。最終講評会の様子はネットでも中継される予定です。春学期の締めくくりは講評会のみとなります。
春学期
日程 | 時間 | 科目 | 区分 | 講師 |
---|---|---|---|---|
4月12日(日) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(1) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-16:15 | レクチャー
ゲストレクチャー1
現代美術の再設定 ─アートはいまなぜ必要か |
講義 | 東浩紀・黒瀬陽平 | |
16:30-18:00 | ディスカッション | 演習 | 黒瀬陽平 | |
4月26日(日) | 10:30-14:30 | ワークショップ
ワークショップ1-1
アーティストのためのテクスト武装講座 |
演習 | 黒瀬陽平 |
14:45-18:00 | ワークショップ
ワークショップ1-2
新セルフプロデュース論 |
演習 | 黒瀬陽平 | |
4月後半 | 会田誠氏より課題が出る | |||
5月2日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(1) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
5月10日(日) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(2) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー2
日本で絵を描くということ |
講義 | 会田誠・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 会田誠・黒瀬陽平 | |
5月24日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ2
現代の「戦争画」を描く |
演習 | 土屋誠一・黒瀬陽平 |
5月30日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(2) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
5月後半 | 北川フラム氏より課題が出る | |||
6月14日(日) | 11:30-13:00 | 新現代美術概論(3) | 講義 | 黒瀬陽平 |
14:00-15:30 | レクチャー
ゲストレクチャー3
アートにおいて公共とはなにか |
講義 | 北川フラム・黒瀬陽平 | |
15:45-19:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 北川フラム・黒瀬陽平 | |
6月20日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(3) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
6月28日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ3
公共に介入する |
演習 | 高山明・黒瀬陽平 |
6月後半 | 堀浩哉氏より課題が出る | |||
7月12日(日) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(4) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー4
前衛と革命の現代美術 |
講義 | 堀浩哉・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 堀浩哉・黒瀬陽平 | |
7月18日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(4) | 実習 | 黒瀬陽平 |
7月26日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ4
循環史観で日本美術史を記述する |
演習 | 中ザワヒデキ・黒瀬陽平 |
春学期修了作品制作 | ||||
8月1日(土)- 2日(日) | ツアー[研修旅行] 福島からアートを考える | ツアー | 岸井大輔・黒瀬陽平 | |
個別制作面談会 | 面談 | 黒瀬陽平 | ||
9月5日(土) | 作品講評会設営 | 黒瀬陽平 | ||
9月6日(日) | 作品講評会 | 岩渕貞哉・堀浩哉・和多利浩一東浩紀・黒瀬陽平 |
秋学期
日程 | 時間 | 科目 | 区分 | 講師 |
---|---|---|---|---|
9月後半 | 椹木野衣氏より課題が出る | |||
10月11日(日) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(5) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー5
「悪い場所」を超えて |
講義 | 椹木野衣・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 椹木野衣・黒瀬陽平 | |
10月25日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ5
「メディア・アート」から遠く離れて |
演習 | 畠中実・黒瀬陽平 |
10月31日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(5) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
10月後半 | 錦織博氏より課題が出る | |||
11月8日(日) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(6) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー6
アニメーションのキセキとミライ |
講義 | 錦織博・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 錦織博・黒瀬陽平 | |
11月21日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(6) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
11月28日(土) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ6
「かわいい」は「自由」であること |
演習 | 増田セバスチャン・黒瀬陽平 |
11月後半 | 夏野剛氏より課題が出る | |||
12月5日(土) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(7) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー7
実験室としてのWebサービス |
講義 | 夏野剛・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 夏野剛・黒瀬陽平 | |
12月13日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ7
アーカイブとアート |
演習 | 渡邉英徳・黒瀬陽平 |
12月19日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(7) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
12月後半 | 宮台真司氏より課題が出る | |||
1月16日(土) | 10:30-12:00 | 新現代美術概論(8) | 講義 | 黒瀬陽平 |
13:00-14:30 | レクチャー
ゲストレクチャー8
アートで世界は変えられるのか |
講義 | 宮台真司・黒瀬陽平 | |
14:45-18:00 | 課題作品発表&講評会 | 演習 | 宮台真司・黒瀬陽平 | |
1月24日(日) | 10:30-18:00 | ワークショップ
ワークショップ8
「ヤバいアート」をつくる |
演習 | 卯城竜太・黒瀬陽平 |
1月30日(土) | 13:00-18:00 | ツアーアートの現場を見る(8) | 実習 | 黒瀬陽平 カオス*ラウンジ |
2月25日(木) | 修了作品展搬入 | |||
2月26日(金) | 修了作品展オープニング・最終講評会 | 浅田彰・岩渕貞哉・夏野剛 東浩紀・黒瀬陽平 |
||
2月26日(金)- 28日(日) | 修了作品展 | |||
3月1日(火) | 修了作品展撤収 |
新芸術校密着ドキュメント 動画一覧
動画は今後随時追加されていきます。
2015年4月
2015年5月
2015年6月
2015年7月
2015年8月・9月
2015年10月
2015年11月
2015年12月
2016年1月
2016年2月
講師
黒瀬陽平|くろせ・ようへい
1983年生まれ。美術家、美術評論家。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。梅沢和木、藤城嘘らとともにアーティストグループ「カオス*ラウンジ」を結成し、展覧会やイベントなどをキュレーションしている。主なキュレーション作品に『破滅*ラウンジ』(2010年)、『カオス*イグザイル』(F/T11主催作品、2011年)、『キャラクラッシュ!』(2014年)など。著書に『情報社会の情念』(NHK出版、2013年)。
春学期講師
会田誠|あいだ・まこと
美術家。1965年新潟県生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。
絵画、写真、映像、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画など表現領域は国内外多岐にわたる。
小説「青春と変態」(ABC出版、1996年/筑摩書房、2013年)、漫画「ミュータント花子」(ABC出版、1999年/ミヅマアートギャラリー、2012年)、エッセイ集「カリコリせんとや生まれけむ」(幻冬舎、2010年)、「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」(幻冬舎、2012年)など著作多数。
近年の主な個展に「天才でごめんなさい」(森美術館、東京、2012-13年)、「考えない人」(ブルターニュ公爵城、ナント、フランス、14年)、「世界遺産への道!!~会いにいけるアーティストAMK48歳」(霧島アートの森、鹿児島、14年)。本年9月に新潟県立近代美術館にて個展開催予定。
撮影:松蔭浩之 Courtesy Mizuma Art Gallery
土屋誠一|つちや・せいいち
1975年生まれ。美術批評家。沖縄県立芸術大学准教授。著書(共著)に、『実験場 1950s』(東京国立近代美術館)、『現代アートの巨匠』(美術出版社)、『現代アートの本当の見方』(フィルムアート社)など。
北川フラム|きたがわ・ふらむ
アートディレクター。1946年新潟県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。「アントニオ・ガウディ展」、「ファーレ立川アートプロジェクト」等をプロデュース。地域づくりの実践として、2000年にスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、「水都大阪」(2009)「瀬戸内国際芸術祭2010.2013」では総合ディレクターをつとめる。2006 年度芸術選奨文部科学大臣賞。2007 年度国際交流奨励賞・文化芸術交流賞。2012年オーストラリア名誉勲章・オフィサー受賞。
撮影:Junya Ikeda
高山明|たかやま・あきら
1969年生まれ。演出家。演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)主宰。『サンシャイン62』、『東京/オリンピック』(はとバスツアー)、『個室都市』シリーズ、『完全避難マニュアル』、『国民投票プロジェクト』、『光のないⅡ(福島-エピローグ?)』、『東京ヘテロトピア』、『横浜コミューン』など、ツアー・パフォーマンスや社会実験的なプロジェクトを現実の都市空間で展開している。2013年9月に「一般社団法人Port(ポルト)観光リサーチセンター」を設立し、観光事業にもその活動を広げつつある。対談集に『はじまりの対話– Port B国民投票プロジェクト』(現代詩手帖特集版/思潮社)がある。
堀浩哉|ほり・こうさい
1947年富山県生まれ。美術家。多摩美術大学美術学部絵画学科教授(2014年度まで)。1969年に「美共闘」(美術家共闘会議)を結成、議長を務める。2010年、東京・秋葉原のアーツ千代田3331内に多摩美術大学運営のオルタナティブ・スペース「アキバタマビ21」を開設し、プロデューサーを務める(2012年まで)。
第41回ヴェネツィアビエンナーレ、「ユーロパリア・ジャパン’89」(ゲント現代美術館)、「今日の日本」(ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回)、釜山国際アートフェスティバル、「センチュリー・シティー」(テート・モダン)、越後妻有アートトリエンナーレなど、国内外の展覧会に多数参加。近年の展覧会に「堀浩哉展─起源」(多摩美術大学美術館)、「ミニマル/ポストミニマル」(宇都宮美術館)など。
中ザワヒデキ|なかざわ・ひでき
1963年新潟生まれ。美術家。千葉大学医学部在学中の1983年よりアーティスト活動開始(第一期:アクリル画)。卒業後眼科医となるも1990年、絵筆をコンピューターのマウスに持ち替えイラストレーターに転身(第二期:バカCG)。1997年、CGの画素を文字等の記号に置き換え純粋美術家に転身(第三期:方法絵画)。2006年、方法主義では禁じていた色彩を再び使用(第四期:本格絵画、新・方法、第四表現主義)。宣言「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」。特許「三次元グラフィックス編集装置」「造形装置および方法」。著書『近代美術史テキスト』『西洋画人列伝』『現代美術史日本篇』。CD「中ザワヒデキ音楽作品集」。
岸井大輔|きしい・だいすけ
1970年生、劇作家。1995年より芸術諸ジャンルで遂行された創造過程の形式化による作品製作が演劇にも可能かを問う作品群を発表している。代表作『potalive』『劇を創る』『文(かきことば)』『東京の条件』。近年は人間集団に立ち会うことを観劇と捉え,様々な国内地域拠点の形成・交流・情報発信に取り組みつつ、その深層を明らかにし作品化している。
kishiidaisuke.com
東浩紀|あずま・ひろき
1971年生まれ。東京都出身。哲学者・作家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。株式会社ゲンロン代表、同社で批評誌『ゲンロン』を刊行。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『弱いつながり』(幻冬舎)など。
春学期講評会審査員
岩渕貞哉|いわぶち・ていや
『美術手帖』編集長。美術出版社取締役編集部長。1975年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。2002年から『美術手帖』編集部に在籍、2008年より編集長を務める。
和多利浩一|わたり・こういち
ワタリウム美術館キュレイター、オーナーの1人。1960年生まれ。早稲田大学卒業。大学一年生の時、姉・恵津子と共にミュージアムショップ「オン・サンデーズ」を創立。83年美術関係書籍・ビデオの出版社「イッシプレス」の代表取締役。90年「ワタリウム美術館」の取締役として参加。現代美術を中心に、建築、写真、彫刻と幅広い展示活動を行う。同時に教育プログラムを積極的に開催。また、92年国際展ドクメンタ9で初の日本人スタッフとして働く。95年第1回ヨハネスブルグ・ビエンナーレの日本代表コミッショナー。
岡本太郎現代芸術大賞の審査委員を1997年から現在まで継続。2013年村上隆主催の第18回GEISAI審査員。共著書に、『夢みる美術館計画』(日東書院)。
ワタリウム美術館 http://www.watarium.co.jp/
秋学期講師
椹木野衣|さわらぎ・のい
1962年、秩父市生まれ。同志社大学文学部文化学科を卒業後、東京を拠点に批評活動を始める。最初の評論集『シミュレーショニズム』(増補版、ちくま学芸文庫)は、90年代の文化動向を導くものとして広く論議を呼ぶ。また同時に村上隆やヤノベケンジ、飴屋法水らと挑発的な展覧会をキュレーション。
主著『日本・現代・美術』(新潮社)では日本の戦後を「悪い場所」と呼び、わが国の美術史・美術批評を根本から問い直してみせた。他に『戦争と万博』(美術出版社)、『後美術論』(美術出版社)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書)、『戦争画とニッポン』(会田誠氏との共著、講談社)など著書多数。
近年は岡本太郎の再評価や戦争記録画の再考にも力を注いでいる。2007年から08年に掛け、ロンドン芸術大学TrAIN客員研究員として英国に滞在。
畠中実|はたなか・みのる
1968年生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員。1996年の開館準備よりICCに携わる。主な企画には「サウンド・アート──音というメディア」(2000年)、「サウンディング・スペース」(2003年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「可能世界空間論」(2010年)、「みえないちから」(2010年)、「[インターネット アート これから]」(2012年)、「磯崎新──都市ソラリス」(2013年)など。ダムタイプ、明和電機、ローリー・アンダーソン、八谷和彦、ライゾマティクス、大友良英といった作家の個展企画も行なっている。
錦織博|にしきおり・ひろし
アニメーション監督。
1966年生まれ。(有)高橋プロダクション(撮影)、(株)日本アニメーション(演出)を経てフリーに。
TVアニメ監督作品に「天使になるもんっ!」(原案も)、「機動天使エンジェリックレイヤー」、「あずまんが大王」、「天保異聞 妖奇士」、「忘却の旋律」、「とある魔術の禁書目録」、「トリニティセブン」、「ミルキィホームズTD」など多数。
劇場アニメ監督作品に「ザ☆ドラえもんズ ドキドキ機関車大爆走!」、「ドラミ&ドラえもんズ 宇宙ランド危機一髪!」、「マジック・ツリーハウス」、劇場版「とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟」など。
増田セバスチャン|ますだ・せばすちゃん
アーティスト/アートディレクター
1970年生まれ。演劇・現代美術の世界で活動した後、1995年にショップ「6%DOKIDOKI」を原宿にオープン。
2011年きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術で世界的に注目され、2015年夏にコンセプト・美術・演出など全てをプロデュースした都内最大級面積のカフェ「KAWAII MONSTER CAFE」が原宿にオープン。
2014 年からニューヨークを拠点にアーティストとして活動を開始し、初個展「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」はマイアミ、ミラノに巡回。現在2020年に向けたアートプロジェクト「TIME AFTER TIME CAPSULE」を展開中。
夏野剛|なつの・たけし
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授
1988年早稲田大学卒。95年ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートンスクール)卒。ベンチャー企業副社長を経て、97年NTTドコモへ入社。99年に「iモード」、その後「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げた。2005年執行役員、08年にドコモ退社。現在は慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、グリー、DLEなど複数の取締役を兼任。著書に『ケータイの未来』『夏野流 脱ガラパゴスの思考法』『なぜ大企業が突然つぶれるのか』『ビジョンがあればプランはいらない』『「当たり前」の戦略思考』 等多数。
twitter.com/tnatsu
渡邉英徳|わたなべ・ひでのり
情報アーキテクト。専門分野はデジタルアーカイブ、データビジュアライゼーション。
東京理科大学理工学部建築学科卒業(卒業設計賞受賞)、筑波大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。2001年より株式会社フォトン代表取締役社長。2008年より首都大学東京准教授。京都大学客員准教授、佐賀大学医学部客員研究員などを兼務。2016年よりハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員を兼任予定。著書に「データを紡いで社会につなぐ」(講談社現代新書)など。
「ヒロシマ・アーカイブ」はアジアデジタルアート大賞2011・エンターテインメント部門大賞ほか複数の賞を受賞した。また、「東日本大震災アーカイブ」で2013年アルスエレクトロニカ栄誉賞、「台風リアルタイム・ウォッチャー」でジャーナリズム・イノベーション・アワード最優秀賞など、受賞歴多数。
宮台真司|みやだい・しんじ
1959年生まれ。社会学者。首都大学東京教授。専門は社会システム論。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。著書に『権力の予期理論』(勁草書房)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)、『日本の難点』(幻冬舎新書)など多数。
卯城竜太|うしろ・りゅうた
Chim↑Pomのリーダー。
Chim↑Pomは、卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀の当時20代の6名によって、2005年に結成されたアーティストコレクティブ。時代のリアルに反射神経で反応し、現代社会に全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々と発表。映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど、メディアを自在に横断しながら表現している。東京をベースに、海外でも多数のプロジェクトを展開。2015年、アジア若手現代アーティスト賞『Prudential Eye Awards for Contemporary Asian Art』で大賞およびデジタル・ビデオ部門最優秀賞に選出。
著作に『Chim↑Pomチンポム作品集』(河出書房新社)、『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(阿部謙一との共編著、無人島プロダクション)、『芸術実行犯』(朝日出版社)、『SUPER RAT』(パルコ)など。
修了作品展審査員
浅田彰|あさだ・あきら
京都大学経済学部卒業。京都大学経済研究所・准教授を経て、京都造形芸術大学大学院長就任。1983年、『構造と力』(勁草書房)を発表し、翌年の『逃走論』(筑摩書房)で提示した「スキゾ/パラノ」のパラダイムとともに、「浅田彰現象」とも呼ばれる「ニューアカデミズム・ブーム」を生んだ。その後、哲学・思想史のみならず、美術、建築、音楽、舞踊、映画、文学ほか多種多様な分野において批評活動を展開。著書に『構造と力』、『逃走論』のほか、『ヘルメスの音楽』(筑摩書房)、『映画の世紀末』(新潮社)、『20世紀文化の臨界』(青土社)など。
募集概要
募集人数
第1期生秋学期追加募集5名
※春学期の募集は終了しました。
募集期間
2015年8月4日(火)− 2015年9月11日(金)
受講料
秋学期受講料 | 238,000円(税別)展覧会出展料・審査料含む |
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※ゲンロン友の会会員は、各学期5,000円の割引になります。
お申込み
ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校の受講を希望される方は、受講規定をお読みになってから、下記フォームに必要事項を入力し送信してください。
銀行振込をご希望の方は、フォームを送信し、下記振込口座のいずれかに1週間以内に学費全額(消費税込)をご入金ください。申し込みパッケージによって割引の有無など値段が違います。申し込みされたパッケージの金額は、自動送信の受付確認メールに記載されております。入金が確認でき次第、手続き完了となります。振込手数料は申込者の負担とさせていただきます。
クレジットカードでの決済を希望する方は、フォーム送信後に現れる決済画面(EC-CUBE)の指示にしたがい、手続きを終えてください。決済終了が確認でき次第、手続き完了となります。申し込みパッケージによって割引の有無など値段が違います。ご自分の申し込みにあったパッケージが表示されているか必ずご確認ください。決済画面のURLは、自動送信の受付確認メールにも記載されております。
どちらの場合も、入金が確認されない場合は、申し込みはキャンセルとさせていただきます。
振込先
- 三菱東京UFJ銀行 中目黒支店 普通口座 0062050 カ)ゲンロン
- ゆうちょ銀行 〇一八店 普通口座 8907479 (記号番号:10190-89074791) カ)ゲンロン
受講までの流れ
秋学期の授業開始日は10月11日です。9月中にメールにて初回授業のご案内を差し上げます。
受講規定
受講資格 | ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校の受講資格に、年齢、性別、国籍、学歴、活動歴の制限はありません。 |
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使用言語 | 授業は日本語で行われます。 |
授業期間 | 春学期は4月から9月、秋学期は10月から3月です。
カリキュラムは春学期と秋学期の2学期からなる年間プログラムとして構成されています。各学期のみの受講も可能ですが、通年での受講が望まれます。 |
受講手続 | 所定の受講申込みフォームからの申込みと学費の納入が確認された時点で受講手続が完了するものとします。受講手続は申し込み順で行われます。また、受講の申し込みをもって本受講規定に同意したとみなされるものとします。受講手続完了時にはメールで連絡いたします。 |
定員 | 各学期の定員は30名です。ただし、応募数が最小人数に満たないときは開講しない場合があります。最小人数は別途告知いたします。 |
秋学期の募集 | 秋学期単独での受講は、7月初頭の時点で定員に空きがあった場合のみ、募集いたします。その場合の募集開始時期は8月の予定です(変更になる場合もございます)。 |
スケジュール | 授業日・授業時間はプログラムに明示いたします。プログラムは別途各学期開始前に公開いたします。 |
受講料 |
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在籍証明 | 教程の3分の1以上を欠席した場合は、在籍したと認められない場合があります。 |
注意事項 |
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申し込みフォーム
お問い合わせ
ゲンロン 担当 上田洋子
info[at]genron.co.jp