地獄寺とその後

作品プラン

地獄寺とその後

(140字ステートメント)

仏教美術史上、平面でのみ表されてきた地獄は1970年代頃からアジアの寺で同時多発的に立体として表現されるようになる。あらゆる境界が無くなろうとした時代に罪や罰の概念は尚も共有されることはなく、地獄との境界を越えてきた亡者の彫刻達はプロテスター、そのカウンター、あるいは難民としてこの世に現れた。

(補足ステートメント)

私は2013年〜2016年の間にアジアを度々訪れ、とりわけタイ各地にある地獄寺と呼ばれる仏教寺院への訪問と接触を繰り返してきた。今回の課題では地獄寺に存在する餓鬼の彫像群をモデルに制作されたセメント彫刻とそれらの写真を扱ったインスタレーションを提出する。

仏教において地獄というのは地獄絵図として壁画や巻物のような平面に表されることはあっても仏像のように立体として表現されることはなかった。約40年前に初めて地獄が立体的、空間的に表現されることとなったがそれも仏像のように専門の職人によって制作されるのではなく、寺に預けられた孤児等の素人によって造られた限界芸術的なものになっている。本作ではそれら地獄寺や餓鬼彫刻を同時代的な人や物の運動、境界の消失を表す寓意性を持ちうるメディウムとして扱っている。cre40sivmaedqqs

 

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グローバリズムの概念と時代を同じくして発生した地獄寺であるが、ポスト•グローバリズムの現代において地獄や餓鬼達は如何なる景色を見せるだろうか。

 

 

 

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