ハッピー遠藤

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梗 概

ハッピー遠藤

【本作のコンセプト】
 新海誠監督の初期作品『彼女と彼女の猫』+今、流行のループもの+プラトニックな恋愛もの(猫と人間なので、当然、結ばれない)。『七回死んだ男』の猫版?

【基本ストーリー】
 9つの命を持ち、自分の命を1回消費する毎に、一定程度の時間を巻き戻せる、特殊な能力を持つ猫・武丸(♂)。
 不幸を招き寄せる体質の持ち主で、しょっちゅう死んでしまう飼い主の女性・遠藤さんを助ける為、武丸は(文字通り)命を賭ける!
 だが武丸が助けても助けても、遠藤さんは、自転車でこけて打ち所が悪かったり、ストーカーに刺されたり、調理ミスのまま出荷されたフグに当たったりと、とにかく死にまくる。
 武丸の命の「残機数」が尽きるのが先か、遠藤さんの「不幸の連鎖」が止まるのが先か?
 果たして武丸は、遠藤さんをハッピーエンドに導くことが出来るのか?

【物語のトーン】 
 猫である武丸の視点で、基本、コミカルに描きたい。
 毎回の遠藤さんの死は、武丸にとっては、この上ない悲劇ではあるが、読者としては「えっ、この人、またこんなつまらない死に方をしたの?」という風に、途中までは、あまり深刻にならないように描写したい。
 とはいえ、武丸の命の残り数が少なくなるにつれ、段々と物語は悲壮感を帯びていくとは思うが……。
 ラストは遠藤さんがハッピーになるENDにしたいが、一方で武丸自身は命が尽きて、不幸になるラストかもしれない。それでも武丸の献身は報われるのだから、それはそれでハッピーエンドかも。

【登場人(猫)物】
武丸(♂):本作の語り手。滅多に生まれない、三毛猫の雄。元・捨て猫。遠藤さんに拾われたことに大変、恩義を感じている上に、種族を超えた恋愛感情まで抱いており、彼女に献身しまくる。自分の命と引き換えに、9回まで時間を巻き戻す能力を持つ。

遠藤さん(♀):本名・遠藤美緒。大学2年生。天涯孤独、児童養護施設出身。バイトを掛け持ちしながら、下宿暮らしの苦学生(一浪している)。
『リングワールド』に登場する『幸運の遺伝子』とは対極の『不幸な遺伝子』を持ち主。
「武丸」は好きなミステリ作家の名前から取った。猫の武丸は、美緒にとって、初めて出来た『家族』という存在。
 誰にでも優しく接するが、それ故に相手に勘違いされ易く、天然のストーカー製造機でもある。

色ガキ:本名・梶健太(♂)。遠藤さんの下宿の大家の孫。小学生4年生。遠藤さんに惚れている。武丸にとっては恋敵。何かと理由をつけては、遠藤さんの部屋に入り浸る。何故か、遠藤さんの死ぬ処に立ち会うことが多く、その度に一生もののトラウマを味わっている。

ユキト(♂):遠藤さんの近所で飼われている、雪のように白い老猫。武丸が時間を巻き戻しても、(何故か)影響を受けず、巻き戻し前の記憶を保持し続けている。武丸の度重なる『能力』の行使に苦言を呈す。

文字数:1213

内容に関するアピール

【どうしてこの小説が売れそうだと思ったか?】
1)(大抵の)日本人は猫が好きである。だから猫が語り手の小説なら、夏目漱石の頃から売れ(てい)る!
2)ループものが、今、人気である。だから売れる!
(ただし無限回、ループ可能な設定にすると、読者に焦燥感を与えられないし、話もダレるので、ループは9回までとし、延長戦はない!)
3)読者は頑張る主人公が好きである。だから売れる!
4)叶わぬ恋に、キュンキュンする読者は多い。本作は、武丸の遠藤さんへの叶わぬ恋と献身を描く。だから売れる!

※「猫ネタは封印する!」とか言ってといて、このザマですよ!(苦笑) 

文字数:270

課題提出者一覧