異星兌換

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梗 概

異星兌換

 友好的な者や、敵対的な者など、様々な異星人と接触するようになった未来が舞台。

 この時代、戦闘機は全て無人になっており、意識を直接戦闘機へと繋ぎ、操縦する『思念ワープ』と呼ばれる技術が確立している。

 主人公は元宇宙軍の無人戦闘機パイロットであり、退役後、思念ワープの腕を買われ、地球にいながら、異星にて働くことになった。

 その仕事とは、異星人の牡の体と意識を繋ぎ、異星人の牝を接待するホストのような職業であった。

 

 主人公は当初、戸惑うばかりであった。惑星ラカロでは、牝の方が体は強く、重労働を担っており、虚弱で滅多に外出しない牡のボディに入り、毎晩、仕事を終えた牝を接待するのである。

 文化や風習の違いもあるが、何とか仕事に慣れていく主人公

 

 仕事に慣れ始め、それどころか仕事が楽しくなり、没頭するようになる主人公。当然、妻と二人の子どもとの溝が深まり、家庭内で孤立する主人公であった。

 それにあてつけるように家事ロボットを妻が導入し、溝が深まるばかりであったが、ある時、自分と同じ生物としては見ていなかった異星人の牝との出来事をきっかけに、この仕事に対する意識が変わり、やめることを決意し、妻や子供たちとも関係を修復していく主人公であった。

 

 主人公はこの仕事から足を洗い、意識ワープを使用した運送業へ転職する。

 定時での仕事になり、必然的に家族との時間が増えるが、家族と打ち解ける日は中々来ない。

 家族で出かけるときはいつも妻と子供たちと家事ロボットであった。

 妻に「この家事ロボットは優秀すぎる。人の心が分かり、子供たちもなついている」と言うと、

「あら、異星人が意識ワープで繋いでいるからよ」と返され、礼儀正しく笑う家事ロボットに主人公は慄然とするのであった。

文字数:735

内容に関するアピール

 「自分と全く違う思想を持つ人間」と聞かれて思い浮かんだのは、「キャバ嬢」や「ホスト」のような人達でした。

 彼らは人からの恋愛感情や執着心をお金に換える人々ですが、自分のように人一人に振り回される人間からしたら何故そんなことが出来るのだろうかと考えました。

 暫定での結論は、「自分t同じ人間(自分と同じ種類の生命)とは思っていない」ということです。

 しかし、ホストクラブの話を書こうと思っても良く分からないし、SF的か?と思い至ったため、比較的心中が想像できるような元軍人を主人公にして、同じ生命体ではない(異星人)を相手にホストをさせる話を思いつきました。

 実作は自分でも主人公の心情に納得のいくような話に仕上げたいです。

文字数:312

課題提出者一覧