梗 概
銀河最初のオリンピック
遠未来。人類は銀河系の適当な惑星に国家単位で移住済み。数万年も国交は断絶。資源枯渇した地球は主要な街並みや文化財が自動ロボで保存されるのみ。なお地球に留まった人々も少数存在。
ここ数十年、隕石群が次々と地球の北半球に衝突。米露中欧の四か国は久々に交信し、地球の人々へ脱出ロケットと移住先のテラフォーミング装置を宇宙艦隊(ほぼ自動運転)で送る。併せて地球への追悼とし、各国代表を派遣し地球最後のオリンピック聖火リレーを開催する。
ジジ:レポーター。米国のアジア系低所得層。実はテロで聖火を消して格差抗議を放送したい
ボス:宇宙艦隊船長。ジジのテロ仲間
各国代表:密かに人類の分断を嘆いてる
〇〇民:地球の各地域に残った人達
1幕
・リレーはNY発でNYがゴール。スタート!と同時に、米国代表が身勝手に時速80kmで疾走。ジジは必死に走りながらインタビュー
・デトロイトでキャンプ中、近くに隕石が落ちると予報。ジジは現場中継を命じられ危機に陥るが、お節介な米国代表が助ける。米国代表はかつて米国がお節介をやめたことで世界が分断されたとぼやく
・機材が壊れるも米国民が勝手に直す。走りながら筋トレできるよう魔改造されてる。彼らはリレーに付いてきて、走る一団が誕生。ジジはテロの決心が揺らぐ
2幕
・中国を横断。中国民からの差し入れで一団は太る
・アクシデントで聖火が消えるが中国代表は即座に再点火し、偽物だろうが本物だろうが希望には変わりないと熱弁
・中国代表と中国民が野菜の炒め方で乱闘し政治討論に発展。聖火が消えても気づかない。一団はこの地では有無言わさず黙らせる権力者が必要だったと悟る
・ロシアを横断。ロシア代表は無愛想だが毎朝夜に酒を手渡し肩を叩いてくれる。大寒波をウォッカでしのぎつつ、ジジは自分はまだ恵まれてたと気づく
・マフィア襲撃で聖火が危険に晒されるが、ロシア民が先陣を切り戦い、一団全員で協力し乗り切る
・一団はこの地にはマフィアが恐れをなす程の権力者が必要だったと悟る
・欧州を横断。欧州民が走りつつ演奏し、一団はクラシックを背景に食い飲み走りながら筋トレして笑い合う
・欧州代表から独仏の戦争史や和解経緯を聞きながら、ジジは聖火を見つめ内省する
・ジジとボスがテロをめぐり口論
3幕
・ゴールのNYを前に、巨大隕石がNYに落下すると予報
・ボスは脱出ロケットの投下を放棄し逃げようとするも、ロシア代表がハッキングで阻止
・ただ地球からの脱出は困難となる。しかし宇宙艦隊の観測より、度重なる北半球への隕石衝突で新たな地下資源採掘が可能と判明。一団はテラフォーミング装置を南米に降ろし、まず南米で居住地開拓することにする
・南米に着くが、数万年放置されていた間に恐竜の様な生物が跋扈している。しかし気づくと中国民がそれらを料理している。一団はその地で生きる決意を固め、徐々に地球を繁栄させ、いつか『銀河横断聖火リレー』の開催を目指す
文字数:1200
内容に関するアピール
大森SF講座で小説を書き始めてから、自分にどんな引き出しがあるのかなと、課題ごとに違う作風に挑戦しています。自分の中の世界への疑問を、執筆を通して考えてます。毎回、実作を3割ほど書くと結末が白紙になり、7割あたりで着地点が見える感じです。そのせいか、いつもぼやっとした梗概ですみません。
今回はバカSFの土台で、政治風刺をしつつ世界平和を考えたいです。僕は、アメリカの大学で国際関係学を専攻し、大学院は日本の某研究所で、スラブ圏や中華圏から招聘される研究者達とひたすら飲み会をしてました。思うに、どの世界にも確かな言い分があります。ただそういうのを直接的に論じると説教臭いので、皆で地球を一緒に走る物語に乗せて、彼らが何をやりだし喋るのか観察しようと思います。
聖火リレーの一団が徐々に大きくなる着想はフォレストガンプです。暗に南北問題も風刺します。結末は、もっとSF的な飛距離を出せないかと悩んでます。
文字数:400