梗 概
薄明を編む魔女たちへ
●ログライン
実在の社会問題が先鋭化した架空世界で、未来から過去に送り込まれた三魔女が世界改変能力を行使し、人類を救済したり、破滅させたりする物語
●物語の概略
魔女達は三体の姉妹で、人類の破滅を防ぐ目的で未来から2027年に送り込まれる。彼女らは世界改変(精密で膨大な計算の上、特定のミクロな事象に干渉して人工的なバタフライエフェクトを起こす“魔術”)と不老長寿、人間の精神と肉体を模擬する能力を有す。全員が人間社会に潜り、二十年の間、社会や環境を観察。世界改変に必要な演算を蓄積する
二十年毎に一度、薄明の時と場で姉妹は世界を改変するが、最終的な世界改変の決断を姉妹で合意のうえで下す必要がある。合意に至る過程で、毎回、考え方や優先順位が対立し、諍いが起きる。一章ごとに世界は姉妹の干渉を受けるが世界は必ずしも理想郷に近づかず、姉妹が目指す未来に到達し、自分達を設計したのが自分達であると気付くまで、人類社会は次々に重大な社会問題に直面していく
●メインテーマ
人間の対立する主張の双方に絶対の正解はなく、社会の理想像創出と現実の乖離が繰り返し起こる様を浮き彫りにすることがメインテーマ
現実世界で存在する見かけ上の対立概念や矛盾に折り合いをつけた社会の姿を創出する試みを、世界改変を巡る長女と三女の諍いを次女が収めるという騒動の中で描写してテーマを浮き彫りにする
●サブテーマ
社会の危機を衝突しながら克服することでの三姉妹の成長がサブテーマ
魔女の三姉妹は人間を超えた情報処理と意思伝達の能力を持つが、知性と精神は人間に近く、二十年に一度、通常の人間と同じような喧嘩と和解を繰り返し、成長する
●魔女達
・長女:知性と支配の夜 。才色兼備で理知的。冷笑的なバリキャリ
・次女:自由と混乱の陽 。純真無垢で野性的。活動的なギャル
・三女:調和と怠慢の夕 。温和で平和主義。優柔不断な陰キャオタク
●物語の展開
・一章 黎明:姉妹の最初の干渉で戦争は回避され、知の外部化技術が肥大化。人間の知能は低下。太陽フレアで全電子機器が文明ごと崩壊。姉妹は戦争遺物のシェルターで反省会
・二章 狂乱:急激な復興で、精神主義と物質主義、運命論と自由意志など多様な主義・思想が乱立。姉妹は各々が気に入った陣営の代理戦争に没頭し疲弊
・三章 絢爛:自然・芸術・科学等を再興する集団が対立。社会は高度化し不安定に。姉妹は人類の育成方針で喧嘩
・四章 公正:主義の壁で区分けされ安定した世界の境界を、夕を追って彼女の元彼が破壊したため姉妹で粛清
・五章 決裂:姉妹が仲違い。各自で国家を樹立するが、悉く崩壊して仲直り
・六章 無形:姉妹は思想や主義を捨て人類に正体を明かすが、反逆されて能力を喪失
・七章 薄明:姉妹が目指す未来“薄明”に到達。自身を設計して過去へ送り、能力を継ぐ娘達を創り、共に世界を編み始める
以上
文字数:1200
内容に関するアピール
この小説が売れる(だろうと見せるために設計した)点は以下です。
・普遍性と特異性を両立するテーマ
実在の社会課題を先鋭化した内容で、読み手の理解と感情移入を促し、メッセージのエッジを立たせる
・流行をおさえた舞台
主要トレンドであるディストピア、歴史改変、時空超越、ポストアポカリプス、滅びと希望等を物語に盛り込む
・明快で魅力的なキャラ
あえて極端なステレオタイプ女性を、人間ではない魔女達に演じさせることで、社会における「あるある」な状況や感情への共感と、それを一歩引いたメタ視点から見た際のアハ体験を入れ込む
最後に、売れる十分条件を満たすための設計として「映像化に適した舞台とキャラ、演出の盛り込みやすさ(魔女、魔術、姉妹……等)」を重視しました。
メディア展開やキャッチーなイラスト前提の小説の方が明らかに売れそう、という計算に基づいてのことです。
よろしくお願いいたします。
文字数:387