梗 概
エクイソイド
◾️テーマ
大テーマ(抽象的なテーマ):目的は手段より大切なのか?
小テーマ(具体的なテーマ):競馬なぜ速さを求めるのか?
◾️時代背景
未来の地球、競走馬に人工的な骨・腱・内臓器官などを移植して競走馬としての長寿命化とレースの高速化を図る技術が発達した。未来の競馬は技術と生命が融合した新スポーツとして観客を熱狂させている。
◾️技術
・エクイソイド(Equusoid)
人工的に強化された競走馬。ウマの属名(equus)+〜のようなもの(oid)
エクイソイドは生命倫理の遵守により強い技術規制が存在する
→具体案:馬体重を基準に一定割合の重量以上をエクイソイド化させないとする?人工器官の材料の規制?
◾️主な登場人物
人物1.平松佑磨(ひらまつゆうま):トレーニングセンター所属するエクイソイド技術者の青年。未来の競馬におけるエクイソイド技術者は、調教師と連携を行い技術規制や競走馬自身に適したガジェットの作成、メンテナンスに従事する。技術の進歩に迎合する一方、「馬が機械化(=肉体スポーツ一種の否定)」には疑問を持っている。
→本物語における主人公
人物2.下園若菜(しもぞのわかな):機械動物学の若手研究者。エクイソイド開発に関わる研究機関に務める。競走馬の機械化には急進的な立場をとっている。エクイソイドを「純粋に速くすること」を追求した秘密のプロジェクトに参画する。人物1とは大学の同期。
→主人公に対立する人物
◾️あらすじ
競馬は、競走馬が人工的に強化されたエクイソイドが人々は、生命とテクノロジーが融合した姿に熱狂していた。そんな中ある日開催されたレースでエクイソイドが入着後、突然暴走しそれを抑えようとした騎手、スタッフが犠牲になる事故が発生した。警察や倫理委員会が動き出す中、トレーニングセンターで「登場人物1」は重大な技術改竄の痕跡を目撃する。それは許可された改造限度を超えた使用されていた証拠だった。その真実を追求すると、そこにはあるプロジェクトの存在があった。
◾️エクイソイドを「純粋に速くすることだけ」を追求するプロジェクトとは?
・「エクリプス・プロジェクト(仮称)」
「登場人物2」が所属するプロジェクト。技術・肉体の限界を超え、エクイソイドをさらに速くすることを目的として立ち上げられた計画。各企業・研究機関がJV(ジョイントベンチャー)を組んで進められている。実験では、おしなべて規制から大きく外れる改造を施すためあるため、ほとんど秘密裏で行われている。
プロジェクトの参画メンバーたちは「人間の根源的な美の追求」、「知性・理性で実現できる力への求心」が信念として現れている。
◾️想定している結末
物語の終盤で主人公は「競馬とは何か?」、「速さとは何か」を自分なりに再定義する。つまり、速さそのものよりもそれを求めるプロセスに価値があると認識する。
文字数:1284
内容に関するアピール
売れそうかはともかく競馬好きでSF好きなので、それを絡めた作品を書いてみたいのが、素直なところです。
とはいえ、売れるものってなんぞやと考えたところ、単純に市場に強い訴求力を出しているものだな、と認識しているので、そこを意識して企画書を作りました。帯に「競馬×SF」というワードがあったら思わず手にしちゃいそうです(自分は)。作品自体は陰謀うず巻くミステリーを交差させて面白さを補強しつつ、幅広い年代の読者に読書体験を与えることができれば、と期待してます……。批評的要素には生命倫理や技術哲学を想定しているので、できるだけ入り組まないように作ります。もちろん、権利関係も細心の注意を払います。
先行作品を調べると、競馬SFの作品は「競馬の終わり(杉山俊彦 著)」という小説が出版されていますが、その他は自分の観測した範囲では見つけることはできませんでした。参考文献がありましたらご教示ください。
文字数:398