漁師 VS スペースオクトパス!

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梗 概

漁師 VS スペースオクトパス!

蛸漁を生業とする浜岡太郎はまおかたろう網藤治生あみとうおさむが漁をしている最中、突如すべての蛸が消失する。船上の蛸も、冷凍保存していた蛸も、一瞬で消え去った。

犯人は空中に浮かぶ巨大な円盤——小型漁船ほどの大きさを持つUFOだった。底部から光が発せられ、次々と蛸を吸い込んでいく。網藤はまだ無事な蛸壺を抱き込み抵抗するが、そのままUFOに吸い込まれてしまう。

浜岡は無線で救援を要請しつつ、UFOを捕まえようとヤスを投擲する。しかし、UFOは瞬間移動で網を回避し、網藤を吐き出して飛び去った。浜岡は近くの漁師たちと協力し、海に落下した網藤を救助する。

UFOを追跡するため、浜岡たちは船を走らせる。
UFOから白い煙が吐き出され、ふらふらと陸地へと向かっていく。浜岡たちは車で追跡を続ける。網藤によると、UFO内部には幼児ほどの大きさをした蛸が多数おり、奪われた蛸は卵型の容器に保存されていたという。

やがてUFOは浜岡の息子・すばるや網藤の孫・流星りゅうせいが通う学校の上空に現れる。この学校は浜岡たちの漁業組合と提携しており、漁獲した蛸や魚を給食の材料として提供している。

UFOは、学校のグラウンドに不時着し、蛸型宇宙人たちが姿を現した。彼らは追ってきた浜岡たちから逃げようと、校舎内へと侵入していく。学校内は大騒ぎとなり、浜岡たちは教職員に事情を説明し、宇宙人を捕獲するため協力を求める。

授業どころではなくなった学校内では、浜岡たちと教職員、生徒たちが宇宙人を捜索する。浜岡たちは宇宙人も蛸の形態をしているので、蛸と同じ習性を持っていると推測し、蛸が隠れていそうなロッカーや跳び箱の中などの狭く安全な場所を重点的に探索。見つけ次第ヤスで捕らえ、弱体化した宇宙人たちを車に積んでいた保冷バッグに収容していく。

そして最後の一体と対峙する浜岡たち。宇宙人は墨のような粘着質の液体を吐き出し、浜岡たちを拘束する。その液体は異常な重さを持ち、彼らは身動きが取れなくなる。そこへUFOが再び現れ、浜岡たちを吸い込んでしまう。
昴と流星は、浜岡たちを助けようと、文化祭で作った蛸のかぶり物を使って仲間に扮し、UFOのなかへ入ることに成功する。そして、浜岡たちを見つけ出し、ふたりの体に付着した液体を調理実習で使っていた包丁で削り取り、彼らを解放する。

浜岡たちの拘束を解かれたことを察知した宇宙人が襲ってくる。浜岡たちは、ヤスで宇宙人を倒し、卵型の容器に保存されていた蛸を全て取り戻す。
そして、UFOから脱出するため、操縦室へと向かう。
操縦していた宇宙人にヤスを突きつける浜岡と網藤。宇宙人は脱出ポッドの中に入り、逃走する。
操縦者を失ったUFOは制御を失い、落下し始める。浜岡たちは未知の操作盤に戸惑いながらも、無我夢中でレバーを操作し、どうにか海面への着水に成功する。
浜岡たちは、今日の獲物を記念に記念撮影を撮るのだった。

文字数:1213

内容に関するアピール

使い古されているアイディアと新奇なストーリーということで、使い古されているSFのアイディアで「宇宙からの侵略者」と、新奇なストーリーとして宇宙人と戦うのが専門機関の隊員ではなく、蛸漁を生業とする漁師、そして蛸を食べている消費者(学生)が協力して蛸型宇宙人を捕まえるというお話にしました。
蛸にしたのは、私が蛸のお刺身が大好きというのと、小さいころに蛸釣りを経験していたこともあり選びました。
ヤスというのは、昔に蛸漁で用いられた道具のことで、蛸の弱点である目と目の間を突いて、捕っていたそうです。

文字数:246

課題提出者一覧