スボラースの冒険

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梗 概

スボラースの冒険

旅行好きの宇宙人スボラースは旅行へ出発するが、怪盗星人スキーとそれを追うパトロール隊に遭遇する。スキーは転移ゲートを展開して逃亡し、近くにいたスボラースの宇宙船も巻き込まれてしまう。スボラースを救うため、パトロール隊員のケルタスも転移ゲートに飛び込む。

次に目を覚ましたスボラースとケルタスがいたのは、星間同盟によって渡航禁止エリアに指定されている地球だった。なぜなら、地球は同盟が設定している文明度に至ってないと判断されているからだ。

ふたりは青ざめ、騒動を避けるため、自分たちと宇宙船を小型化して身を隠す。しかし、地球人の女子大生高畠夏純たかはたかすみに発見され、雨の中、彼女に抱え上げられてどこかへ連れて行かれる。

到着したのは夏純の自宅だった。部屋は散らかっていたが、デスクの上だけは綺麗に整頓され、そこにはスボラースに似た模型がいくつも飾られていた。夏純はスボラースたちをデスクの上で丁寧に清掃し、傷を修復してくれる。その後、スボラースたちを棚に飾り、誰かと通話を始めた。話の内容から、夏純はスボラースたちを「落とし物」と認識し、持ち主を探していることが分かる。

そのとき、スボラースたちは床に落ちているカードを発見する。それは怪盗星人スキーの予告状だった。スキーが地球でも盗みを働いており、夏純が作ったフィギュアも盗んでいたことが判明する。スボラースたちは夏純のフィギュアを取り戻し、スキーを捕まえるため協力することを決意する。

ケルタスの調査によれば、スキーが盗む対象は「手作り」のものだという。スボラースは自分を囮にしてスキーをおびき寄せる作戦を提案する。そのためには、スボラースが「手作り」であるとスキーに認識させる必要がある。ケルタスはスボラースの持ち主を装い、SNSで「手作りフィギュアを探している」と投稿する。これを見た夏純がケルタスに連絡を取り、その後、夏純のもとにスキーから新たな予告状が届く。

スボラースは独断で夏純に正体を明かし、スキーを捕まえる作戦への協力を依頼する。突然の告白に驚く夏純だったが、自分のフィギュアを取り戻したい、そして大好きな怪獣と似ているスボラースが夏純の力になりたいと言ってくれたことが後押しとなり、協力を受け入れる。ケルタスも、今は黙認することにした。

その夜、夏純の部屋にスキーが現れる。四角い箱のような姿をしたスキーはスボラースを掴み、箱の中に入れようとする。その瞬間、ケルタスがスキーを捕まえ、夏純はスキーの中に、ケルタスが改造した掃除機を突っ込む。掃除機がスキーの中にある盗品をすべて吸い出すと、スキーは活動を停止した。

夏純の手元に盗まれたフィギュアが無事戻り、スボラースたちはその様子を見届けると地球を後にするのだった。

文字数:1140

内容に関するアピール

課題である「シーンを切り替える」は、話を進行するつなぎを違和感なく結びつけるということだと思います。今回の作品では、無意識に行っていたシーンの切り替えを意識しながら考えてみましたが、まだ自分のなかでしっかりと言語化できていないと気がつきました。

今回の講義を受けて、自分のなかで具体化できるように学びたいです。

また、作品については、これまで長編を書き続けていたこともあり、短編としてのプロットの立て方がまだ出来てないなあと反省しています。これは、次回に活かしていきたいと思います。

文字数:239

課題提出者一覧