企画概要
健康寿命が伸び、300年も健康に生きられるスーパーセンチナリアンが多くいる世界になったら、改めて「自分の人生をどういうものにしたいのか」を考える機会が何度も来ると思うので、この小説を通して「どういう人生にしたいんだろう？」と考えたり、「過去にこういうことがあったから今の自分があるんだな」と、読者を励ます作品にしたい。

世界観
健康寿命が伸び、およそ300歳まで生きられるようになった世界
整形技術、化粧品の開発技術が発展し、若かった頃の肉体を維持できるようになっている。
タイムトラベルの研究が進んでいる。

何でも屋
電話、メール、SNS、サポートAIからの連絡を受けて、困っている問題を解決する何でも屋。

サイバーテクノロジー特別捜査隊
劇的に進歩していく科学技術を用いられた犯罪を専門に捜査する特別部署。
科捜研、科警研、ほかの部署と連携して活動している。

主要な登場人物

東 日々生（28）
何でも屋の社員として働きつつ、副業でサウンドクリエイターを営む。喫煙家。
幼い頃、父親（有名な作曲家）を事故で亡くしており、母と四つ下の妹を支えるため「父親代わり」を努める。
小林健は父の旧友で幼い頃から交流があり、東にとっての良き理解者であり、相談相手。

王子聖瑛（23）
サイバーテクノロジー特別捜査隊・隊員。階級は警部補。嫌煙家。
裕福な家庭に育つが、両親の過干渉、過保護に辟易し、高校卒業時に一人暮らしを始める。
警察官になったのは、両親への反抗心かつ近所の交番で働いていたおまわりさんに影響されて、選んだ。
小林健にピアノ、ヴァイオリンを習っていた経緯で交流が続き、王子にとっての良き理解者であり、「親代わり」のような存在。

小林健（138）
スーパーセンチナリアンのひとり。世界的に有名な指揮者。
観衆の心に幸福が届けるために音楽を演奏することをポリシーとしている。物腰が丁寧で紳士。楽団からも信頼が厚い。
綿貫透の実子だが、小林が18歳の時に離婚している。

綿貫透（203）
スーパーセンチナリアンのひとり。AIアンドロイドを開発した大企業の重鎮。
最愛の妻を事故で亡くし、そのあと再婚。息子・健が18歳の時に離婚。
再婚したあいだも妻との思い出、妻の人生をアーカイブ化することに注力していたが、もっと一緒に生きたかったという未練が強まっていくなかで、タイムトラベルの実現に向けた研究を聞きつけ、投資し、自ら過去へ飛び、妻の死亡を回避する。

綿貫冴子
故人。ピアニストで女性指揮者。
綿貫透の前妻。

あらすじ
相性最悪の男ふたり（キャリア警察官と何でも屋）東日々生、王子聖瑛にとっての恩人・小林健が消滅し、世界から彼の記憶、記録が一切消えてしまう。その原因は、綿貫透が過去に遡り、妻・冴子の死を回避したからだ。捜査の結果、小林は時間が停止した空間に取り残されていることが判明。東・王子のふたりは綿貫透と対決し、小林を取り戻す。