幸福論

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完成稿

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完成稿に関するアピール

ネームの講評では獣人がヒトの赤ん坊をペットとして育てるという設定が評価され、その上で連載の第一話目(の構想)としては読めるが読み切りとしては成立していないと言われました。

またヒトの赤ちゃんを今後どう取り扱うかによって人間が持つ醜悪さというものを表現することができると浅野先生がおっしゃっていて、私とは別の視点でこの作品を読んでくださいました。

しかしながら私はこのヒトの赤ちゃんを描くことで人間の悪を演出したいと考えていたわけではなく、意図しないところで評価を受けたことに正直なところ戸惑い、自分の視点では結局パッとしないのかなとも思いました。自分は何を伝えたかったかと改めてネームを見直しながら考えたところ、 人の持つ醜悪さよりも人が抱える寂しさを演出したいと思いました。今回はその伝えたいことを伝えられるように描く練習にしました。

絵柄はリアル寄りにするか迷いましたが、柔らかく優しくほのぼのとした絵柄で描いた方がそこからはみ出た寂しさを伝えられる気がしました。今回の絵は温かければ温かい方がいいと思っています。(そのためにいつも使用する丸ペンではなくざらつきペンにしました。)そういうわけで18pは春の陽だまりと赤ん坊の玩具を描き、情景としてはより幸せな風景にしました。

 

私はつらつらと思考するためにこの漫画を描いた気がします。今を描くという課題があって今とはなんなんだろうと頭の中を整理するために描きました。そのためどこに向けてのマンガであるかという意識をしていなかったので宙ぶらりんな作品になってしまったなと反省しました。あと短編としてきちんと成立させたかったけど難しかったです。完成後もっとヒトの赤ちゃんが獣人と対等ではなくペットであることを伝えられたらよかったのかと思いました。

私にとっての今とは (それが何であれ)自分が幸せと名付けて認めてしまうか、他者によって幸せと認められたものを受け入れることであり、後者ならば熊男のようにそれを育もうと決意しないと生きづらいのかなと思います。

そういう考えに至り名付けのシーンをネームと少し変更しております。

 

 

 

 

文字数:877

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ネーム

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ネームに関するアピール

喪失と再生をテーマにし、無意識下の希死念慮をどこかに入れたいと思い描きました。

元々は人間での話を考えていたのですが、仕上がりを想像すると課題4の体温のような感じになり講評も同じようになるかなと思ったので、設定を変えてキャラクターを動物(獣人)にしました。ヒトの赤ちゃんをペットとして描いているのは、最初考えていたお話(無職の中年が孤児と一緒に捨て猫を拾う)の動物と人間を反転させたせいもあるのですが、無職の主人公が養女を育てるよりペットを育てる方がリアリティーがあるなと思ったからです(これは剣と魔法の世界ではなく日本のどこかの地方都市を模して描いています)

キャラを動物にしたことで愛嬌が出るかなと思ったのですが、反面感情移入がしにくいかとも思い、凡庸でこれといった特徴のない弱いキャラを読者に印象付ける設定というのは難しいなと思いました。

一番悩んだのは主人公の性別で、中年女性だと描きたい要素が増えてページ内にうまくまとめられないと思ったのと、動物にした時クマがふっと頭に浮かんだので熊男にしました。赤ちゃんの大きさは猫の赤ちゃんくらいの大きさで描きたいと思います。

文字数:484

課題提出者一覧