完成稿
俺とナオ
完成稿に関するアピール
6社に持込みを行いましたが、この作品は、いずれの編集部にも、「自分が一番やりたいと思ったことができたものです」ということで提示したもので、既にこれに対して色々なアドバイスをいただいています。
タイムスケジュールの関係で、ネームから直した点は一番最初の1コマだけですが、もっと時間的な余裕があったら直したいと思った箇所は色々とあります。究極的に言えば、登場させるキャラや、物語の構造から考える余地があろうかと思っています。
しかし、この作品が、客観的な評価はさておくとしても、自分が今後マンガスキルの熟達を図るにあたって、重要なキーポイントになっているのは明確な事実です。ここをここまでの足がかり、ダンジョン途中のセーブポイントのような位置付けとして、ここから更に、もっと強力にエピソードを整理する、テーマを練る、キャラに落とす、などといった「この先の行為」を進めていけたらと思っています。
今回の作品における、実質的な成長を上げるのであれば、やはり絵でしょうか。
少し前に「目が変わる」出来事を体験し、絵が1段階上手くなりました。画面内のホワイトバランスがよりマンガっぽくなり、線の弱さが解消され、トーンを使っても違和感が出ないようになったのではないかと思います。
持ち込みをしたところ、「絵はうまい」と言われたこともありましたが、プロのマンガを見たときに、自分の可能性として全然まだまだ先があるな、と感じているので、こちらも継続して進めていきたいと思います。
いわゆるちょっと萌え系の色を強めにした配分と、リアル寄りにした配分、両方伸ばすのが、自分が作りたい話を表現する上で都合がいいのかなと思っています。それができたら、その2つを割合で混ぜることで、より器用に使い分けできるように、将来的になれたらいいなと思います。そこまで行くと軽く10年くらい消費してそうですが…。
あとは、キャラがいる空間の明暗をもっときっちり表現できるようになりたいですね。
そんなところでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
文字数:847
ネーム
俺とナオ
ネームに関するアピール
1.ネーム全体について
今回の課題は、自分の中で、とりあえずこの約半年の集大成・総決算的な意味付けになるだろうと思っていました。
ひらマンの講義内で示されたこと「ストーリー」「ネーム」「キャラ」について、自分なりの解釈がある程度できた状態になったと感じているからです。
何回か、試験的なマンガや、色々と絵を試験的にいじっていく工程を経て、恐らく自分がメインに据えるべきだと感じたスタイルで描きました。
格ゲーで言うと使用キャラが決まった感じ、アクションゲームで言うと、メインでやってく武器を決めた段階でしょうか…。
今後例えば持ち込みなどに行く場合、掲載先を想定する場合、このスタイルを伸ばしてくれる編集さんを探し、このスタイルが載る掲載先を探そうと思います。
自分の今までのゲーム経験の中で、ひいては絵を描いてきた中で、悪いクセだったな、と思うところは、なんのためらいもなくある日突然メイン(キャラ・ビルド・絵柄)を完全に変えてしまっていたことで、当然そうなると(ある程度の踏み台があるにせよ)またゼロからのスタートになってしまうので、非常に効率が悪く、モチベも維持しにくくなるやり方だったなと感じています。
ただ一時期(今はちょっとやめてます)格闘ゲームをプレイしていたとき、キャラで浮気をすると、メインに戻ってきたときに、浮気をしたキャラの経験や考え方がそのまま活き、メインの強化になることが結構多かったので、自分の浮気グセについては、ある意味メインを伸ばす上では長所になるのかなと思っています。しかしその長所は、明確に、メインはこれ!ということを宣言し、また証跡としてどこかに残しておくことで発揮されるものなのかなと思っているところです。
そういう意味も含めて、自分はこのマンガが、当面の間自分のメインのスタイルであることを、アピールも兼ね、ここに残しておきたいと思います。
2.キャラについて
もちろん課題に対しての創作は前提になりますが、今回は、「キャラ」というものに対して、自分なりの咀嚼の結果を見せる場だと考えていました。
いわば自分で課した副題でしょうか。
また、「猫」というキャラをしっかり作ることで、自然と可愛くも見え、課題のアンサーにもなり得るだろう、という計算もありました。
キャラについては、自分は作り方は主に下記2通りであると理解しました。
- 簡単にリアクションが予想できない状況を作り出し、そのリアクションによってキャラが際立つ。
(ex.デスノート など) - とある、定形のリアクションがあると思われる状況に対して、突飛なリアクションを行わせ、後でその間をロジックで(半ば強引でもいいので)埋める。
(パッと例が思いつかないが、大抵のマンガはこれを実行していると思われる)
あとキャラクターデザインについては、
- 普通は交わらない2要素を組み合わせて、その間を強引にロジックで埋める。これが強引であればあるほど難しく、成功したときに面白い。
と考えました。
なんですが、多分上記の色々なことは、いわゆる「ガワ」を作るためのロジックであって、これではキャラが勝手に動き出すところまでは行かないと思いました。昔好きだったローゼンメイデンの設定に例えるなら、人形の体は作ったが、ローザミスティカを入れていないので動かない状態でしょうか・・・。
この「差」がもしかしたら、大井先生が仰っていた「佇まい」なのではないかと考え、
これを自分の感覚で解釈するなら、それは「血」だと考えました。
以前に5作品を完成させましたが、これらには、自分では意識していないにも関わらず、大なり小なり自分の中のひっ迫した部分・性格的な部分・内面的な部分(以降、これを「血」と定義します)が現れているなと、薄々感じていました。これは自分しか気づかないことだと思いますが、第4回課題のエロ漫画でさえそういう部分がほんの少しだけあったので、マンガを完成させると、そういう部分は大なり小なり出てしまうんだな、ということに気づいていました。
(ちなみに、最も出ていたのは第2回課題で、これは「面白かった」と言ってくださった方が多かったです)
また、「そういう部分」を描いていたときのことを思い出すと、決まって一定の身体的な感覚があったように感じました。恐らくこれが「血が流れ出している」ときの感覚であると自覚し、私はだいたい、マンガを描く上での「血」の部分が体のどこに溜まっているのかを知ることができました。
今までの制作で共通している事項として、「別に血をつける気はなかったが、原稿を描きあげたときに気づいたら紙に一定量にじみ出ていた」ということでした。なので、
今回は、「猫」というテーマに対して、腹の下あたりに溜まった「血」をすくって、直接垂らしました。
そうして生まれてきたもの、動いたものを、これまでの制作の経験を用いて、ネームという形に整理したものが今作になります。
今後しばらく、突然スタイルを見直そうと私自身が思わない限りは、同様のやり方でマンガを作っていこうと思っています。
3.制作の経緯
自分は猫派なので、「動物」というワードから即、猫をイメージしました。
「猫がかわいい」という概念に、前述2.で示したアクションをしたところ、「猫に面と向かって「死ね」と怒鳴る」もしくは「ゴミ箱に入れて死ぬまで何度も蹴る」という2つのビジョンがパッと浮かび、ある程度この行為を合法的に行えるロジックを組めそうだなと思ったのが前者だったので、そこを山場として話を作っていきました。
4.時系列について
この話では時系列がめちゃくちゃに飛んでいます。
これは良くないことと教わったことと思いますが、ある程度年齢が行った人を対象とするのであれば、(映画や海外ドラマのような感覚で)自然に読み飛ばしてもらえるのではないかと思い、あえて採用しました。
さらに、例えばこれを持ち込みなどで編集者に見せた場合、例えば現在1ページで表現しているエピソードを数話使って丁寧に表現することでよりキャラが立ち、例えば主人公が持っている優しさ・プライドの高さ・自分の悪い部分を受け入れきれない若さなどをよりリアルに表現でき、ラストの盛り上がりをより強く印象付けられると考えています、その提案としての意味もあります、という説明を補足として行うことで、この部分についてはフォローとアピール、両方の材料にしたいと思っています。
5.こだわった場所
「俺は人の気持ちがわかる! 優しい人間なんだ!」というセリフと「お前なんて死ねばよかったんだ」というセリフは、必ず同じ画面に同居させたかったので、見開きで配置しました(本当は同じページ内になんとかおさめようとしましたが、色々な都合により断念せざるを得ませんでした)。
このある意味二律背反的なセリフと、それに対しての猫の対応は、このマンガの最大のポイントだと思っているので、コマ割り・セリフのポイント数なども、他のページと明確に差別化できるように何度か書き直しています。
6.その他
ドラゴンボールにあるような「!!!!!!!」を横並びで印字する方法?フォント?を探してます。
ご存知の方おられましたら是非教えてください。
以上です。
よろしくお願いいたします。
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