パフォーマンス研究のダイアナ・テイラーは、〈知〉の伝達という文脈において、「アーカイヴ」を、「耐久性があると想定されている素材(たとえば、テクスト、文書、建物、骨)、また、その場で消失してしまう「レパートリー」とは、「身体化された実践/知、たとえば、話される言葉、ダンス、スポーツ、儀礼」だと定義している。「『アーカイヴ的』記憶は、文書、地図、文学テクスト、書簡、考古学的死骸、骨、ヴィデオ、フィルム、CDといった、変化に抵抗すると想定される諸アイテムとして存在する」。他方、「レパートリーは、身体化された記憶を行為化する。即ち、パフォーマンス、身ぶり、口伝え、動き、ダンス、再生産不能な知、要するに、消えてしまう再生産不能な知だと通常考えられる諸行為」である。

「アーカイヴ」と「レパートリー」という〈知〉の伝達のための形態的カテゴリーは、相互貫入的/侵犯的であり、その卑近な事例は、演劇的表象における「アーカイヴ」としての戯曲テクストと、「レパートリー」としてのパフォーマンス(演出と俳優の語りと身ぶり)である。

以上を参考にし、「動かないもの」(たとえばテクスト)としての「アーカイヴ」と、その場で消えてしまうが「動きつづける=可変的」なものとしての「レパートリー」(たとえばパフォーマンス)という記述概念を使い、芸術文化の諸領域における同時代的課題を、具体的な作家や作品、あるいは事象に必ず言及しつつ、批評的に論じてください。

<運営による追記:今回ゲスト講師から文字数制限はありませんので、批評再生塾の基準である「2000字~8000字」を選考対象とします。>

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