印刷

電子音楽批評宣言

1.電子音楽 in the House And Flight.
ハウスミュージック、
シカゴのゲイクラブ「ウェハウス」を子宮に、
様々なDJプレイとヤクブツによる勢いで産声を上げて生まれた電子音楽。
主にリズムボックス、シンセサイザーによる再生された音楽への介入をすることにより、
曲のサイボーグ化(リミックス)をするスタイルが確立し、クラバーの耳から精神へ憑依してアッパーを強制する機械を食い込ませ大いに盛り上がりをみせた。

シカゴ・ハウス、アシッド・ハウス、イタロ・ハウス、ニュービート、デトロイトテクノ等々、
様々な種類が生まれ、様々な方向性で商業に貢献していき、その歴史はとても深いものになった。

歴史のつなぎ目として、
様々なDJが様々な電子音楽とそれとは別ジャンルの音楽をリミックスによる歴史構築の中で、
ヒット曲のリメイクをし、そのリメイク曲もまたヒットしてしまうサンプリングによる盛り上がりの連鎖が反復していくことにより生み出された、
電子音楽、多ジャンル音楽の交わりとヤクブツによる快楽で覆われたエクスタシーの宇宙により、
ハウスミュージックは輝きを増し、クラバーをエクスタシーにまみれたヴァーチャルファンタジーへ誘い、
絶え間ない人気を博してきたのであった。

そんなハウスミュージックの歴史に異物が混入する。
それは前衛音楽を供給してきたレーベルの主催者による発明である。

彼はある事故に遭い、入院中に友人からレコードをもらうが満足に動かない体を使い、
なんとかプレイヤーにかけることができはしたが、
アンプのボリュームは低く、ステレオの片方のスピーカーから音が出ていない状態になっていたが、
彼は元気が無いため、調整するのが面倒になりそのままの環境で音楽鑑賞することにした。
すると音楽と、その場の環境がまるで溶け込むような現象が起き、
彼、オブスキュアレーベル主催者ブライアン・イーノは新しい音楽の聴き方を発見した。

それにより生まれたのが、
ディスクリートミュージックである。
これは後にアンビエント・サウンドと呼ばれることになる。

このアンビエント・サウンドの根本にあるのは、
イーノが求めた音楽の不完全さという思想がベースとなっている。
これにより今までにない演出と音楽の交わりを実現することが可能になり、
クラブにはアンビエント・サウンド専用の部屋、
いわば瞑想用の部屋が取り付けられるほどの影響力があった。

私はこのハウスミュージックの流れを、
電子音楽が舞い踊り、そして飛んでいく、
電子音楽 in the House And Flight現象と名づけようと思う。

2.反復される電子音楽 in the House And Flight.
EDM、
現代の電子音楽として大いに盛り上がったジャンル、
ElectroDanceMusicの略称であるがその実態は単なる略称に留まるほどの物ではなくなったのである。
主にEDMを構成するジャンルはプログレッシブ・ハウス、エレクトロ・ハウス、ダブステップの3要素が交わっている。
そしてプラス要素としてヒップホップ、R&B等が交わりポップ性を深めていることにより、
電子音楽のコア性が薄まり、あまり電子音楽を聞かない人でも親しめ安い構成となっている。

このようなEDMの存在と最近話題になったピコ太郎との関係性を検証していき、
次章のこれからの電子音楽がどのような変異を遂げ、進化していくか論じていきたいと思う。

文字数:1388

課題提出者一覧