ゲンロンSF創作講座2018へようこそ

 2016年4月にスタートした「ゲンロン 大森望 SF創作講座」は、3年目を迎え、このほど、第3期を開講する運びとなりました。

 実際にどんな講義が行われているかについては、第1期の内容をコンパクトにまとめた『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』(早川書房)をぜひ読んでみてください。ゲスト講師陣の講義と講評、受講生が提出した梗概(+アピール)および実作例を収録し、編者の手前味噌ながら、1年間の講座の成果を1冊に凝縮した、たいへん中身の濃い本になったと自負しています。

 この第1期の成果を受けて2017年に開講した第2期は、最初からハイレベルな作品が提出されました。2018年には、その中でも高い評価を得た講座提出作を改稿した「Final Anchors」と「天駆せよ法勝寺」で、八島游舷氏が、第5回日経「星新一賞」グランプリと、第9回創元SF短編賞をそれぞれ受賞。また、同じく第2期受講生の神津キリカ氏は、「水靴と少年」で、第1回宮古島文学賞の一席を受賞。さらに、第1期の受講生である名倉編氏は、『異セカイ系』で第58回メフィスト賞を受賞し、今夏にも講談社から書籍化される予定とのこと。

 ……などと書いていると、合格実績をアピールする予備校の宣伝みたいですが、こうした成果はそれぞれの書き手の努力の賜物。ゲンロンSF創作講座は、べつだん「新人賞を獲らせること」を第一の目的にしているわけではありませんし、受講生も、作家デビューを目指す人ばかりではありません。「ゲストの話を聞きたい」とか、「小説を書いている人たちと交流してみたい」とか、「本物の編集者と話がしてみたい」とか、そういうカジュアルな参加も歓迎します。また、作品を書くつもりはまったくないが講義は聞きたいという人には、聴講生システムも用意しています。受講生全員(聴講生含む)には、講義および講評すべてを収録した動画アーカイブが公開されるので、講義を欠席しても、自宅で視聴できます。

 逆に、石にかじりついてでも職業作家になりたい人にとっては、実力を試す最高の場になるはず。書きたい作品のあらすじとポイントをアピールする力は、プロになったとき、必ず役に立つでしょう。

 小説の書き方は、かならずしも教えられて身につくものではありません。とはいえ、ジャンルのさまざまなテーマに応じた作法や心構え、やってはいけないことなど、学べることもたくさんあります。これまで、公募新人賞への投稿と落選を漫然とくりかえしてきた人は、自分が考えたプロット、書き上げた作品をプロの講師に見てもらい、意見や評価を聞くだけで、よほど効率的に小説のスキルが磨けるはず。ファンタジーやホラー、ミステリ、純文学など、SF以外の分野で作家になる道を模索している人にとっても、小説を書く基本は同じですし、SFの書き方を身につければ、それが強力な武器となるでしょう。

 第三期のゲンロンSF創作講座で新たな個性に出会えるのを楽しみにしています。

主任講師 大森望

プログラム

    

  •  「SF創作講座」第3期(2018年度)の開講期間は、2018年6月から2019年5月までの12ヶ月間です。主任講師は書評家・SF翻訳家の大森望です。期間途中での入講、一部講義のみの受講は受け付けておりません。
  • 本講座の講義および講評会は、月1回、原則として第3木曜日の夜に、ゲンロンカフェで行います。
  • 各回は3コマからなります(例外あり)。1限(19:00-20:00)はゲスト講師の創作環境やテクニックに迫る講義。2限(20:15-21:45)は、課題に沿って受講生が執筆した梗概を講評し、3編の優秀作を選出します。選ばれた受講生は、次回までに梗概を元にした短篇を執筆・提出します。3限(22:00-23:00)は、前月選ばれた梗概優秀作を発展させた短篇の講評を行います。
  • 本講座では、すべての受講生は、下記の<超SF作家育成サイクル>に基づいた10回の梗概+アピール文を提出することが求められます。また、成績に応じて、梗概を元にした短篇小説を提出していただきます。すべての提出物は専用サイトで公開されます。
    1講義にて課題提示
    各回講義のおおよそ1ヶ月前までに、ゲスト講師から課題が提示されます。課題は「タイムマシン」など道具立てに関するもの、「火星」など舞台に関するもの、あるいは表現手法に関する具体的な指定など、講師によりさまざまです。前期の課題は、こちらでご覧いただけます。
    2webにて梗概提出
    受講生は、各回講義の7日前までに、課題に沿った梗概(1200字程度)と内容に関するアピール(400字程度)を提出することが求められます。受講生は、所定のフォームより、梗概とアピールを指定のウェブサイトにアップロードします。提出されたテキストは、受講生以外でもアクセスできる状態で公開されます。一般読者の反応は以下の選考・講評で考慮されます。
    3講義にて上位3名選出
    講師によって、優秀な梗概が3本(回により異同あり)選ばれます。選出された3名は④に進み、惜しくも選外となった他の受講生は、その日提示された新しい課題に基づいて、次回提出する梗概の準備を始めます。
    4webにて小説提出
    梗概が選ばれた3名は、次回講義の7日前までに、梗概に基づく短篇小説(原稿用紙50枚程度)を執筆・提出します。この3名については、②の梗概提出と④の小説提出が同時並行の作業になります。
    5講義にて優秀作選出
    提出された短篇には、講師の協議に基づいて点数が割り振られます。点数は3人を合計したものが、10点+(受講生総数-その課題で梗概を提出した人数)になるように配分します。点数の推移は特設サイトで公開されるとともに、最終講評において考慮の対象となります。

    以上のサイクルを繰り返すことで、受講生は「課題に沿った小説を組み立てるプロット力」「分量に見合ったアイデアを生み出す発想力」「作品を魅力的に提示するプレゼン力」「発想を作品に落とし込む筆力」など、SF作家としての基礎体力を確実に向上させることになります。

  •  全10回の講義を終えたのち、1ヶ月の準備期間をおいて、2019年5月に修了作品を対象とした最終講評会を行います。修了作品の課題、分量など規定はのちに公開します。
  • 最終講評会では最優秀作を1つ、優秀作を若干選出します。最優秀作を提出した受講生は『ゲンロン』ほか商業媒体に提出作品を掲載し、デビューする権利を得ます。最終講評会の詳細については、のち公開いたします(最優秀作以外についても、商業デビューにつながるような仕掛けを準備中です)。

 

実績紹介

※名前をクリックすると各受講生の作品ページをご覧いただけます。

 


名倉編
(第1期受講生)

『異セカイ系』で第58回メフィスト賞を受賞

 
豪華な講師陣と「競う場」に魅かれ。成長を求めてSF創作講座の受講を決めました。結果。期待どおりの手ごたえを感じています。
けれど得たものはそれだけではありませんでした。競いつつともに創作する仲間。そのなかに自分を置いてみて。自分の得意なもの。苦手なもの。書きたいものが見えてきた気がします。
1ヶ月に1回。短編小説を書く。それを10回くり返す。落としてしまうこともありましたが。それだけでちょっとした自信になります。そしてなにかを書くと。そのたびに発見がありました。SF創作講座で書いた作品のうえにいま自分は立って。景色が変わった。気がしています。

 


山田しいた
(第1期受講生)

6月13日より講談社「コミックDAYS」にてマンガ「乙女文藝ハッカソン」を連載

 
私はそもそも小説を書いたことがなかったし、読書量も少ない方で、当然の帰結であまり成績の良い受講生ではありませんでした。
しかし受講により仕事につながる企画発想の基礎体力をつけることができた気がします。梗概は再利用して漫画賞の投稿につながり、「同輩と小説執筆」という稀有な経験を戯画化して漫画連載企画の着想を得ることができました。
そしてなによりかけがえのない創作仲間を得ることができました。今でも同期の受講生とは会うことがあります。
なんかパワーストーンの推薦文みたいな意識の高い文章になってしまいましたが、私からは以上です。
あ、私の提出課題は悔しさなどで消してしまいました。すいません。

 


八島游舷
(第2期受講生)

「天駆せよ法勝寺」で第9回創元SF短編賞受賞

「Final Anchors」で第5回「星新一賞」グランプリ、「蓮食い人」で同優秀賞をダブル受賞

 


神津キリカ
(第2期受講生)

「水靴と少年」で第1回宮古島文学賞一席獲得

 

 

 

ほか、「創元SF短編賞」最終候補などノミネートも続々!

第49回星雲賞 参考候補作にノミネート中!!

SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

日本SFはいま、第2の黄金期を迎えようとしている――大森望(主任講師)
 
2016年4月、書評家・翻訳家・SFアンソロジストの大森望を主任講師にむかえて開講した「ゲンロン 大森望 SF創作講座」。東浩紀、長谷敏司、冲方丁、藤井太洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀という第一線の作家陣が、SFとは何か、小説とはいかに書くかを語る豪華講義を採録。各回で実際に与えられた課題と受講生たちの梗概・実作例、大森氏による付録エッセイ「SF作家になる方法」も収録の、超実践的ガイドブック!
早川書房 2017年4月20日刊行

スケジュール

 

日程 1限目 2限目 3限目 講師
5月下旬 東浩紀より課題の提示
第1回 6月21日(木) 19:00-20:00
導入
20:15-21:45
講義
22:00-23:00
梗概講評会
東浩紀+小浜徹也(東京創元社)+大森望
第2回 7月19日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
藤井太洋+河北壮平(講談社)+大森望
第3回 8月16日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
新井素子+井手聡司(早川書房)+大森望
第4回 9月20日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
円城塔+伊藤靖(河出書房新社)+大森望
第5回 10月18日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
法月綸太郎+都丸尚史(講談社)+大森望
第6回 11月15日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
長谷敏司+溝口力丸(早川書房)+大森望
第7回 12月14日(金) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
飛浩隆+塩澤快浩(早川書房)+大森望
第8回 2019年1月17日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
小川哲+奥村勝也(早川書房)+大森望
第9回 2月21日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
森岡浩之+小浜徹也(東京創元社)+大森望
第10回 3月21日(木) 19:00-20:00
講義
20:15-21:45
梗概講評会
22:00-23:00
実作講評会
山田正紀+大森望+ゲスト編集者
5月17日(金) 第3回 ゲンロンSF新人賞選考会(最終講評会) 審査員:飛浩隆・大森望・東浩紀+第3期ゲスト講師(任意参加)

やむを得ない事情により、日程を変更する場合がございます。その際はあらかじめ、メール等でご連絡を差し上げます。

募集概要

定員

正規受講生 40名
聴講生 15名
※通年での募集となります。

募集期間

2018年4月23日− 2018年5月18日

正規受講料

180,000円(税別)修了作品審査料を含む
※ゲンロン友の会第8期会員、批評再生塾(第3期)受講生、新芸術校(第3期)受講生、SF創作講座(第2期)受講生、ひらめき☆マンガ教室(第1期)受講生の方は割引が適用されます。いずれも5000円の割引となります。

聴講料

110,000円(税別)
※聴講生は、各回の講義を会場で聴講することができますが、課題を提出したり、講評を受けたりすることはできません。最終講評会についても同様です。
※ゲンロン友の会第8期会員、批評再生塾(第3期)受講生、新芸術校(第3期)受講生、SF創作講座(第2期)受講生、ひらめき☆マンガ教室(第1期)受講生の方は割引が適用されます。いずれも5000円の割引となります。

お申込み

ゲンロン 大森望 SF創作講座の受講を希望される方は、受講規定をお読みになってから、下記リンクよりゲンロンショップの申込み商品をご購入ください。
銀行振込をご希望の方は、商品を注文後、1週間以内に受講料全額(消費税込)をご入金ください。入金が確認でき次第、手続き完了となります。振込手数料は申込み者の負担とさせていただきます。
クレジットカードでの決済を希望する方は、ゲンロンショップの指示にしたがい、手続きを終えてください。決済終了が確認でき次第、手続き完了となります。
どちらの場合も、入金が確認されない場合は、申込みはキャンセルとさせていただきます。
定員に達し次第、募集は締め切らせていただきます。

受講までの流れ

授業開始日は6月21日です。5月中に個別のメールにて初回授業のご案内を差し上げます。

受講規定

授業期間 授業期間は2018年6月から2019年5月の1年間です。
受講手続 ゲンロンショップより申込みを行ったのち、受講料の納入が確認された時点で受講手続きが完了するものとします。受講手続は申込み順で行われます。また、受講の申込みをもって本受講規定に同意したとみなされるものとします。受講手続き完了時にはメールで連絡いたします。
定員 定員は正規受講生40名、聴講生15名です。ただし、応募数が開講最少人数に満たないときは開講しない場合があります。最少人数は別途告知いたします。
スケジュール 授業日・授業時間は別途ウェブサイトに明示いたします。
撮影・放送 授業の一部はネットで期間限定で中継されることがあります。受講者には、欠席時自習や復習のため、受講期間のあいだ有効な視聴権限を付与します。ゲンロンは記録および広報のため、授業風景を予告なく静止画あるいは動画で撮影することがあります。撮影を希望しない受講生はその場で必ず申し出てください。
メーリングリスト 授業についての連絡は、公式メーリングリストを用いて行います。公式メーリングリストには、特にお申し出のない限り、お申し込み時のメールアドレスを登録いたします。お申し込み時のメールアドレスとは別のアドレスの登録を希望される場合は、その旨あらかじめご連絡ください。
受講料
  • 金額
    受講料は別途ウェブサイトに明示いたします。
  • 納入方法
    受講料は、現金、銀行振込、所定のクレジットカードのいずれかにて、全額を一括でお支払いください。
  • 割引
    ゲンロン友の会第8期会員、批評再生塾(第3期)受講生、新芸術校(第3期)受講生、SF創作講座(第2期)受講生の方は割引が適用されます。いずれも5000円の割引となります。割引は併用できません。
  • 返金
    納入された受講料はいかなる事情があっても返金いたしません。ただし、主催者・講師の事情で授業が中止になった場合はそのかぎりではありません。
  • 分納
    分納は受け付けておりません。ただし、クレジットカード利用の場合は、クレジット会社の規約にしたがった分割払い等が可能な場合があります。詳細はクレジット会社にお問い合わせください。
在籍証明 教程の3分の1以上を欠席した場合は、在籍したと認められない場合があります。
注意事項 自己の受講資格および在籍資格を第三者に譲ることは、いかなる場合も認められません。設備・機材を破損する、授業を妨害する、講師陣の中傷を行う、営業を妨害するなど、当社(株式会社ゲンロン)に不利を及ぼす行為をした受講生は、当社の判断により除籍・退学となる場合があります。その場合も受講料の返金は行いません。
ゲンロン 大森望 SF創作講座は学校教育法が定める学校や各種学校ではありません。

申し込みフォーム

受講受付は終了いたしました。

お問い合わせ

ゲンロン 担当 徳久倫康
info[at]genron.co.jp

講師

大森望

大森望|おおもり・のぞみ

1961年、高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞SF短編傑作選 てのひらの宇宙』など。訳書にコニー・ウィリス『ブラックアウト』『オール・クリア』など多数。2013年には『NOVA』が第34回日本SF大賞特別賞を受賞。

ゲスト講師

東浩紀

東浩紀|あずま・ひろき

1971年、東京生まれ。哲学者・作家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。株式会社ゲンロン代表、同社発行『思想地図β』編集長。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『弱いつながり』(幻冬舎、紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞)など多数。

藤井太洋

藤井太洋|ふじい・たいよう

1971年、奄美大島生まれ。 国際基督教大学中退。舞台美術、DTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、2013年までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。同年12月短篇小説「コラボレーション」「UNDER GROUND MARKET」の2作で商業誌デビューし、2013年4月に、「Gene Mapper」の増補完全版『Gene Mapper -full build-』(ハヤカワ文庫JA)を刊行。『オービタル・クラウド』(早川書房)で、第35回日本SF大賞、第46回星雲賞(日本部門)を受賞。2015年より、日本SF作家クラブ会長を務める。

新井素子

新井素子|あらい・もとこ

1960年、東京生まれ。立教大学文学部卒。高校時代に書いた「あたしの中の…」が第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選し、デビュー。1981年の『グリーン・レクイエム』(講談社)、1982年の『ネプチューン』で2年連続で星雲賞を受賞。1999年、『チグリスとユーフラテス』(集英社)で日本SF大賞を受賞した。『……絶句』(早川書房)、『ひとめあなたに…』(東京創元社)、『おしまいの日』(中央公論新社)、『未来へ……』(角川春樹事務所)など著書多数。
写真提供=新潮社

円城塔

円城塔|えんじょう・とう

1972年、札幌生まれ。研究者を経て作家。SF、純文学問わず広く活動中。主な著書に、『Self-Reference ENGINE』(文藝春秋、2014年 Philip K. Dick Award 特別賞)、『烏有此譚』(講談社、第32回野間文芸新人賞)、『道化師の蝶』(文藝春秋、第146回芥川龍之介賞)。訳書に、チャールズ・ユウ『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』(早川書房)。近作に『シャッフル航法』(河出書房新社)、『エピローグ』(早川書房)、『雨月物語』(河出書房新社、池澤夏樹個人編集日本文学全集所収)、『プロローグ』(文藝春秋)。
写真提供=新潮社

法月綸太郎

法月綸太郎|のりづき・りんたろう

1964年、松江生まれ。京都大学法学部卒。在学中は京都大学推理小説研究会に所属。1988年に『密閉教室』(講談社)でデビュー。2002年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『生首に聞いてみろ』(角川書店)で第5回本格ミステリ大賞を受賞。2013年より本格ミステリ作家クラブの会長を務める。『頼子のために』(講談社)、『一の悲劇』(祥伝社)、『ふたたび赤い悪夢』(講談社)、『ノックス・マシン』(KADOKAWA)など著作多数。

長谷敏司

長谷敏司|はせ・さとし

1974年、大阪生まれ。2001年、第6回スニーカー大賞金賞を受賞した『戦略拠点32098 楽園』(KADOKAWA)でデビューしたのち、ライトノベルからSFに活動の場を広げる。2015年、『My Humanity』(早川書房)で第35回日本SF大賞を受賞。その他の著作に『円環少女』シリーズ(KADOKAWA)、『あなたのための物語』(早川書房)、『BEATLESS』(KADOKAWA)、『メタルギアソリッド スネークイーター』(KADOKAWA)など。

飛浩隆|とび・ひろたか

1960年島根県生まれ。島根大学卒。大学在学中に第1回三省堂SFストーリーコンテストに入選。『象られた力』で第26回日本SF大賞、『自生の夢』で第38回日本SF大賞を受賞。著書に『グラン・ヴァカンス』『ラギッド・ガール』。

小川哲|おがわ・さとし

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍中。2015年に第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を『ユートロニカのこちら側』で受賞し、デビューを果たす。2017年に第2長篇となる『ゲームの王国』を上梓。2018年、同作品で第38回日本SF大賞を受賞。

森岡浩之

森岡浩之|もりおか・ひろゆき

1962年兵庫県生まれ。京都府立大学文学部卒。サラリーマン生活を経て1991年「夢の樹が接げたなら」で第17回ハヤカワ・SFコンテストに入選、同作品が「SFマガジン」誌に掲載され、作家デビューを飾る。入選後は、同誌を中心にシリアスなSF短篇の発表を続け、1996年『星界の紋章』全3巻を、早川書房より刊行。第28回星雲賞を受賞し、テレビ・アニメ化された。

山田正紀

山田正紀|やまだ・まさき

1950年、名古屋生まれ。1974年、「神狩り」でデビューし、同作で第6回星雲賞日本短編部門を受賞。『最後の敵』(徳間書店)で第3回日本SF大賞を受賞、『ミステリ・オペラ』(早川書房)で第2回本格ミステリ大賞と第55回日本推理作家協会賞を受賞。SF、ミステリ、冒険小説など多岐にわたる分野で活躍する。『宝石泥棒』(角川春樹事務所)、『エイダ』(早川書房)、『神狩り2』(徳間書店)、『カオスコープ』(東京創元社)、『神獣聖戦』(徳間書店)、『桜花忍法帖』(講談社)など著作多数。

イメージ画像:大森望+杉山豪州(Gottingham)