100枚ドローイングのためのちょっと長いつぶやき

作品プラン

100枚ドローイングのためのちょっと長いつぶやき

100枚ドローイングのためのちょっと長いつぶやき

 

さて、何を描こうか。自分の心の中を覗き込み、闇に糸を垂らしてみる。最初はおっかなびっくりだ。無茶苦茶にかき混ぜるが上手くはいかない。20枚ほどジタバタしたあたりから、ひとつのやり方を試すと面白いように手が進んだ。しかし、気づけば数をこなすことで画面から自分が消えてしまっているという失態。このやり方は捨てなければ。器用であってはならない。

元の道に戻って再び心の中に糸を垂らす苦しい試みを続ける。いろいろな人々を想う。様々な出来事を想う。良いことも悪いことも入り混じる。感情の澱のようなものや脳裏にある微かな残像、眼に映るものや耳に届くものの向こう側を慎重に取り出してみる。配色も構図も無視し(普段からその傾向だが)、ひたすら自分に正直にと念じつつ描きつづける。ついには見たこともない変な虫のような生き物まで出てきてしまい、我ながら自分の毒に驚く始末である。

いよいよ100枚のゴールが見えかけた頃、ふと、昔住んでいた家の庭に菜の花が咲いた光景が浮かんだ。幼い私は自分の背丈よりも高い菜の花の間にしゃがみこみ、母が探しに来てくれる夕方までずっと身を潜めていた。花の種は父が蒔いたのだろうか…。夢か現か、今ではそれを確かめる術はないが、私の心にもそんな宝物が埋まっていたのだ!

 

 

17_よひえ_100枚ドローイング1

17_よひえ_100枚ドローイング2

文字数:562

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