《Polarity》ステートメント

作品プラン

《Polarity》ステートメント

繁栄や衰退を繰り返し進化してきた生命の一つとして知性を持つ人が生まれました。その知性は人に自然の驚異から身を守る術を与え、種の繁栄へと導きました。今人は地球環境のシステムから自分たちを切り離し、自然を「資源」とするやり方で、豊かな生活を手にしています。この分離された自然と人との関係は自然破壊を進行させ、人が豊かさを追求すれば自然が犠牲になり、自然環境の保全を求めれば人の豊かさに影を落とすように、両者が調和を持って存在することができない状況を作り上げました。

しかし、人が他を犠牲にしても自分たちにとってより良い環境を求めることは、生物として自然な欲求であると言えます。生命の進化は自らの種が存続する事を目的としており、それは種の利己的な活動を肯定しているからです。
その中で自然環境に目を向け調和を図るためには、生物としての自分たちを理解し客観することで、その性質から起こる振る舞いを制御する必要があると考えます。
生物としての理解とは、文化によるあらゆる評価を排除した、自らに起こる全ての事象の知覚と承認であり、客観とは、それらが生物の機能としてどういう意味を持つかという事の認識です。
人の種としての利己的な性質に意味があるように、自らに起こる事象の全てに機能としての価値があり、それを理解することでより調和のとれた状態へと導くことができます。

旧約聖書には神の言葉として人に「子を生んで多くなり、地に満ちて、それを従わせよ。そして、海の魚と天の飛ぶ生き物と地の上のあらゆる生き物を服従させよ(創世記1節28章)」という記述があります。
これまで人は自分たちの利のために自然環境を破壊してきました。しかし、人の知性という特質をもって種を超えた全体の利に目を向け、地球環境のシステムを活かす存在となることが求められるのではないかと考えます。

作品が社会への警鐘と調和へ向けた意義のある提言となることを願います。

 

 

33_北條奈美_Polarity

文字数:803

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