初等教育の国語科で教師から言われました。
「登場人物の気持ちになって考えましょう」

よくわからない文章です。
「登場人物の気持ちを考えろ」ではないのです。
「登場人物の気持ちになれ。そして、○○を考えろ」と言っているのです。
○○を埋める目的語は何でしょうか。

批評は過剰なおこないです。
求められもせず、対象を選び出しては論じ、世界の網の目を編んだり破ったりする。対象があなたに迫り出してきたのでしょうか。それにしても、批評を書こうとするあなたは主体性がやや強いのだと思います。

そこで、主体性をさらに過剰に発揮し、対象とする作品中の登場人物になりかわり、その一人称を使って作品を批評してください。

登場人物は何らかを語っていることでしょう。
しかしながら、登場人物の声がすべて書かれているわけではありません。
この課題は、書かれていないけれども聞こえてくる声を掬い(捏造し)、登場人物に寄り添い(人質にして)、作品を異なるものに生み変え(変装させ)る作業になるでしょう。
あなたの思想性や歴史観とともに、倒錯趣味や犯罪的手腕の見せどころかもしれません。

〔書き手の私/作品〕という関係を一時的に解除し、〔作品内の私/作品〕という閉塞的な関係を構えることで、批評の形態を揉みほぐす試みです。

「登場人物の気持ちになって作品を考えましょう」
・ジャンル不問。
・登場人物名と作品名を明記すること。(文中でも可)
・便宜的に登場人物としたが、人物である必要はない。
・対象は作品に限る。(作家評やジャンル評なども考えられるが、今回は除く)

課題提出者一覧