南北問題を論じなさい。
 ただしここでいう「南北問題」とは社会の授業で習った、1960年代に端を発した社会問題(のみ)を意味しません。
 国境の南にはなにがあるのでしょう。ブルースはなぜディープサウスで派生し、北に遡上したのでしょうか。その見取り図をジャズ史に敷衍できるでしょうか。シカゴのサウスサイドと川崎の南はヒップホップにおいて同義でしょうか、であれば東京の北区はそれにたいする北なのでしょうか。リオのサンバが南ならバイーアの音楽は北でしょうか。南洋の水爆実験で誕生したゴジラにアイヌに共感した伊福部昭がつけた音楽は映画のなかでどのような相乗効果をうんだでしょうか。魔術的リアリズムは南のものでSFは北的想像力でしょうか。南がリアルなら北はフィクショナルな場所でしょうか。
 つまるところ中心が北で南は周縁でしょうか。であれば北と南は単純に地理的な位置づけとはいえなくなります。北に南があり、南が北に向かうこともおおいにありそうです。そんなことはすでに中上健次がいっているという方はその先を考えてみてください。そもそもそういったことを論じることはこのような社会、世界状況下でナンセンスでしょうか。
 というふうなことを考えつつ、すくなくともふたつ以上の音楽にかかわる対象(いわゆるアルバムにかぎらず、楽曲ないし音響作品/現象、作家そのものであってもかまいません)を文中に例示し内容と背景を論じながら結果的に音楽から逸れていってもぜんぜん前世から大丈夫です。

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