批評の歴史は否定の歴史である。新人は必ず先行者を批判して現れる。その否定の連続が批評というジャンルを特徴づけている。創作の世界ならば、新たな才能が、先行者の仕事とは無関係に、ふいっと素知らぬ顔で現れることも可能だろう。けれども批評ではそうはいかない。批評家は先人を批評することを運命づけられている。なんといっても、批評家は批評が仕事なのだから。

というわけで、批評再生塾第2期に応募してきた諸君には、まずは第1期生を批評することから始めてもらいたいと思う。去る3月、批評再生塾は、第1期代表として吉田雅史・上北千明(川喜田陽)の2名を商業誌へ送り出すことを決定した。彼らの論文はネットでいまも読める。そのどちらかを選び、熟読したうえで、批評文を記すこと。単に個別の主張を論難するだけではなく(それもあるていど必要だが)、彼らを優秀者として送り出した批評再生塾の思想や運営、それそのものの批判に届く議論を見せてもらいたい。

繰り返すが、批評家の仕事は批評である。その対象にはむろん自らも含まれる。自己批評のない批評家は必ず堕落する。批評再生塾生であるということは、たえず批評再生塾の価値を疑い続けるということなのだ。

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